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番外編
出張 2 ※
しおりを挟む寂しいなんて思うわけない···──
オフィスで海里を送り出したあの時にはそう思っていたのに。海里からの電話がかかってこない時間を独りベッドの上で過ごすうちに、いつもこの時間は二人で他愛もない会話をしながら、海里に抱き締められ眠りにつく事が多かった事に気付かされる。
躰を重ねない日でも背後から抱き締められ、優しいキスを繰り返されるうちに、自分はいつの間にか海里の腕の中で眠りに落ちていた。
海里の声と抱き締められる腕の温もりが心地良くて···
時々、イタズラをするように海里の指先が胸を ──···
海里の指がパジャマの上から真尋の胸を探るように優しく撫ぜていく感触を思い出した途端、半身に甘い痺れが走る。
「───···っ!」
ここ最近、出張の準備に追われて残業続きでシテなかったとはいえ、海里の指の動きを思い出して躰が反応するなんて···と、真尋は羞恥に顔を赤らめ抱きしめていた枕に顔を埋埋めた。
こんな姿、海里に見られなくて良かった。近くにいたら、確実に嬉しそうな笑みを浮かべながらも悪戯っく更に欲情を煽る言葉を言ってくるに違いない。
「·········。それは良かったけど、どう···するかな···」
僅かに淫らな熱を持つ半身に、真尋は困ったように呟きを漏らした。
海里と同棲を始めてから一人で慰める事をしなくなった所為か、自らの手で快楽を高める行為が恥ずかしく感じられる。
いつもは俺が感じ始めると···
海里の指が胸を弄りながら、片方の指がいつの間にか半身に絡みついて···
海里の指の動きを思い出しているうちに、真尋の指は海里の影を追うように無意識に半身へと伸びていった。
下着の中へと指を滑り込ませた真尋は、海里の愛撫を思い出し欲情し始めた陰茎に指を絡ませていく。
「······っ···んっ···」
甘い吐息が溢れるのを、片手で抱きかかえたままの枕に顔を埋め押し殺した。
─── 真尋、声聞かせて···
俺の指で感じている声が
聞きたい ───···
耳元でいつも囁かれる海里の声が聞こえたような気がし、真尋の半身がぴくんと手の中で反応する。
「···はっ···あ···」
切なく求める吐息が唇から零れ落ちた。
もっと···海里が触れるように···
ゆるゆると指で陰茎を撫でるように愛撫し始めた時、突然スマホから着信を知らせる音が鳴り響いた。
真尋は一気に現実に引き戻されたようにハッとする。
電話をかけてきた相手は画面を見なくても分かる。さっきまで早くかかって来ないかと待ち望んでいた相手だ。
だが、今はこの常態で電話に出ても平静を装える気はしない。
このまま寝ちゃっていた···ってわけには···
待っていたけど、眠ってしまい出れなかった。そう誤魔化す事を一瞬考えたが、真尋はすぐにその考えを打ち消した。
俺の性格なら絶対に起きて待っているって分かってるだろうな···
それが電話に出なかったら···
海里はまた自分に何かあったのではと心配するだろう。
真尋は空いてる方の手をスマホに伸ばし、画面をスワイプさせた。
「···っ···もしもし···」
声が上擦っていないだろうか。そんな心配をしながら電話に出る。
『遅くなってすまない。ホテルに着いてすぐにかけたんだが···もう寝る所だったか?」
本当に仕事相手と別れホテルに着くなりすぐに電話をかけてきたのだろう。海里の口調が会社で課長の顔で話しかけてくる時のものになっている。それだけ急いで電話をかけてきてくれたのだから、嬉しいと喜ぶべきなのだが今はタイミングが悪い。
「···そ···う···。ちょっと···眠くなっちゃって···」
あれ程待っていた海里からの電話だが、今はどうやって切ろうかと必死に考えていた。
『真尋?』
しどろもどろになっている真尋の声に気づいた海里は、どうした?と聞いてくるが真尋は答える事が出来ず、余計に焦りが滲む。
「······っ」
『···真尋、何かあった?』
心配そうに聞いてくる海里の声が優しく、ベッドの中で囁かれる声と重なる。
「──··っ、何も···な···ぃよ」
『······。本当に?真尋···』
真尋の声の様子に何かを感じ取り、聞き返してくる海里の声が囁きに変わった。
「っ······」
ビクッと真尋の躰が震える。
『ねえ、真尋···ビデオ通話に切り替えて』
「な···んで?」
『真尋の顔が見たいから。真尋は?顔を見て話したくない?』
「そんな事···ないけど·····でも···」
紅潮した頬を見られれば何をしていたのか分かってしまう。
── いや、もう海里は気づいている。
『真尋···』
だからこうして熱を帯びた声で促すように名前を囁いてくる。
真尋はビデオ通話に切り替える表示をタップした。
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漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
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陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
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