上司と部下の恋愛事情

朔弥

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番外編

二度目のバレンタイン 2 ※

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 唇でチョコ挟むように渡された真尋は、困惑した表情を浮かべた。


 これは····
 口移しで食べさせて···って事だろうか···


 少し恥ずかしい気はするが、会社でキスをされるよりはずっとマシな気がする。
 真尋は海里の方へと躰の向きを変えると、頬に両手を添え、チョコレートを海里の口元へと運んだ。
 口を開きチョコレートを受け取った海里は、そのまま真尋に唇を重ね、溶けかけているチョコレートを舌で真尋の口の中へと押し入れた。
「んっ······」
 真尋は短く吐息を洩らしながら、海里の舌とチョコレートを受け入れる。溶けたチョコレートからチェリーリキュールのシロップが真尋の口の中に広がっていく。
 チョコレートと真尋の口づけを味わうようにゆっくりと舌で口腔内をまさぐった。


「あっ······はぁ···はぁ···」
 海里の唇が離れると、艶のある吐息を洩らす。口づけだけで真尋の躰は淫靡な熱を持ち始めていた。
 抱かれたい···と、もどかしい欲情が半身にじわじわと広がっていく。
「···もっとチョコレート味わっていい?」
「チョコ···?」
 また口づけだけだろうか、と真尋は気づかないうちに残念そうな表現を浮かべていた。
 そんな真尋を見て、海里はくすりと笑みを零す。
「キスだけじゃ満足出来ないって表情かおしてる」
 指摘され、真尋は顔を真っ赤にした。
「っ!!···そんな事っ······」
「心配しなくてもいいよ···ちゃんと真尋の躰で味わうから···」
 海里はそう言いながら、真尋をソファーに押し倒した。
 シャツのボタンを外していき、真尋の肌が海里の前に曝される。エアコンで室内の気温は暖かいとはいえ、素肌には少しヒヤリと寒さを感じる。
「寒い?真尋の可愛い胸···勃っているよ」
 与えられた快楽で反応したわけではないのに、言葉にされると恥しさが増す。
「わざわざ言わなくていいから···」
 恥じらいながらジロリと睨む表情は海里の欲情を刺激する。
「可愛い···真尋」
 目尻に軽く口づけると、海里はチョコレートの箱から一粒取り出し自分の口に咥えた。
 今度は海里から口移しをされるのだろうか···と考えている真尋の考えに反し、海里は真尋の唇ではなく胸の少し上で顔を止めた。
「···か···いり?何す······」
 そんな所で何をするのかと問いかける言葉の途中で、カリッとチョコレートの砕ける音がした。
 海里が咥えたチョコレートを前歯で割った音だった。

 中のリキュールがとろりと真尋の胸の突起にかかり、砕けたチョコレートの破片も同時に肌に散らばる。
「───っ!?」
 冷たい液体が触れ、真尋は息を呑むように躰をビクンと震わせた。
「あ、味わうって、そういう?···普通に食べろよ!」
「動かないで、真尋。せっかく美味しそうにしたのに零れちゃうから」
 ね、と爽やかな笑みを浮かべる海里に、文句を言う自分が間違っているのではないかと思わず思考が惑わされる。
 困惑の表情を浮かべながらも、真尋が大人しくなっているうちに海里はもう片方の胸にもチョコレートを砕きリキュールのシロップで濡らす。
 海里はリキュールと溶けかけたチョコレートで飾られた真尋の胸を見下ろした。
 見られている視線を感じ、真尋の胸はじんじんと舐められたい欲求で硬さを増していく。
「···ん·····っ·····海···里·····」
 名前を呼ぶ声に甘く誘うような吐息が混ざる。
「·····食べて欲しい?真尋」
 瞳を覗き込みながら問いかける海里の表情は目を細め楽しそうに笑っていた。
「······」
 言わなければお預けだと言わんばかりの笑みだ。
 真尋は少し悔しそうな顔で考え込んだのちに、顔を真っ赤にしながら小さく呟いた。
「······たべ···て···」
「何を?」
「だか···ら·······俺の···ち····っ···」
 うっかり海里の甘い声の雰囲気に飲まれ、俺の乳首食べて···なんて言いかけたが、ハッと我に返り言葉を飲み込む。
「ち?···何?···」
 海里に聞き返されるが、真尋は言いかけてしまった自分を隠すように海里をキッと鋭く睨みつけ、
「だから!胸のチョコレートだよ!」
 と、言い放った。
「チョコレート···ね」
 海里は少し残念そうな表情をしながら、肌の体温で溶けたチョコレートに舌を這わせた。








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