上司と部下の恋愛事情

朔弥

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番外編

二度目のバレンタイン 5

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 気怠さを感じながら、真尋は重たい瞼を開けた。
 腕枕をするように海里に抱きしめられるようにベッドに寝ていた。
 いつの間にベッドに···と、真尋は昨夜の事を思い出そうと記憶を巡らせる。

 ソファーで何度も抱かれ、もうお腹いっぱいだからと言うまで中に出され、最後には気を失ってしまった。
 その後の事は覚えていないが、チョコレートや体液でベタついていた筈の躰は綺麗に拭き取られ、海里にベッドまで運ばれたようだ。
「真尋···?起きた···?」
 隣に眠る海里の寝顔を見つめていると、目を覚ました海里は柔らかな笑みを浮かべた。思わず見惚れてしまいそうになりながら、今日は出勤なのに自分は気怠さの残る躰に対し、海里が爽やかな表情をしている事に不服そうな視線を送る。
「···ごめん···その···昨日は無理させて···」
 真尋の視線に、海里は少し申し訳なさそうに謝る。
 シュンとした表情をされては文句も言えない。
「朝ごはん···俺の好きなの作ってくれたら···」
「いいよ、何がいい?」
「パンに···半熟の卵がのった···」
「エッグベネディクト?分かった。真尋はもう少しベッドで休んでて」
 海里は真尋の機嫌が和らぐのを感じ、嬉しそうに笑うと頬に口づけるとベッドから降り、シャツを羽織りながら寝室を出て行った。





 珈琲とベーコンの香ばしい匂いに鼻をくすぐられ、お腹の空いた真尋はリビングのドアを開け中を覗く。
「用意出来てるよ」
 テーブルの上に用意された朝食を眺めながら、ホテルの朝食さながらの盛りつけに、真尋は改めて恋人のスキルの高さを思い知る。
「····絶対、不公平だって···」
 思わず愚痴も零れる。
「何か言った?」
 珈琲を注いだカップを運びながら海里は聞き返した。
 真尋は慌てて何でもないと答えると席に着く。目の前の美味しそうな朝食に自然と真尋の頬がほころんだ。
 いただきます、と真尋は美味しそうに食べ始める。
「機嫌、直ってよかった」
 と、ほっとした表情で海里は真尋の前に座った。
「別に···そんなに怒ってたわけじゃ···」
 爽やかな海里の表情に少々苛立ちはしたものの、昨日された事が嫌だったわけではない。
 アルコールも入り、途中からは気持ち良くなり海里を自分から求めてしまったわけだし···と、思い出した真尋は恥じらうように顔を赤らめた。
 そんな表情の変化に海里は、昨日の行為そのものが嫌だった訳ではない事を知る。
「気持ち良かった?ホワイトデーは美味しかったチョコのお返しに···またシテあげようか?」
「──··!い、いらない!」
 真尋は慌てて首を横に振った。
 気持ち良かったのは確かだが、当分、あんなハードなプレイは遠慮したい。
「冗談だよ。真尋の躰にあまり負担かけたくないから」
 冗談だと言う割に、残念そうに見えるのは気のせいだろうか。
「ホワイトデーのお返しは別の物を贈るから心配しないで」
「ほんと···に?」
「約束するから」
 疑わしい目をする真尋に海里は苦笑しながら言った。
 ようやく安心した表情を見せた真尋の反応を可愛いと感じながら、海里は自分の手首にしている腕時計に視線を向けた。


 同じブランドだが、デザインの少し違う物なら身につけてくれるだろうか···


 ホワイトデーには自身が身につけている時計と同じブランドの物を贈ろうと考えていた。
 指輪は休日しかめられず、引き出しに仕舞われたままだ。腕時計ならばデザインが違えばそこまで人の目も気にならず、身につけてもらえるかもしれない。
 

 海里は受け取った時の真尋の顔を考えながら、楽しそうに笑った。
「何笑ってんだよ···やっぱり変な事考えてるんじゃ···」
 ひとり笑みを浮かべる海里に、真尋はジトっと目を細める。
 こういう事に関しては信用ないなぁ···と、海里は微苦笑を洩らした後、
「ちゃんとした物だから····」
 ね、と海里は真っ直ぐ真尋を見つめながら優しい笑みを浮かべた。
 



 ──── 同じ時間ときを一緒に刻んでいきたいから






─────────────────────


 

 ホワイトデーには腕時計をプレゼントした海里。
 本当に普通のプレゼント?と疑ってた真尋はちょっぴり反省···


 疑ってたの···悪いと思ってるなら──··
 真尋からして欲しいな···


 

 その後、真尋がどうしたかは····
 ご想像におまかせします^_^;





チョコレートプレイはいかがだったでしょうか。楽しんで頂けたら嬉しいです^_^
 エールを押して下さった方、ありがとうございます^_^
 気に入ってもらえて良かったです(T T)


          (2023.02.19)
 

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