上司と部下の恋愛事情

朔弥

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番外編

犬派?それとも猫派? 2

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 休日の昼下り。真尋は平日の間に溜まってしまっていた郵便物を1階の集合ポストまで取りに行き、郵便物の束と宅配ボックスに入っていた段ボールの箱を抱えて戻ってきた。
 リビングのドアを開け部屋の中に入ると、昼食の片付けがちょうど終わった海里がキッチンから戻ってくるところだった。


「海里に何か荷物が届いてたけど···」
「ありがとう、真尋」
 海里は荷物を受け取ると、ソファーに座った。
 荷物をすぐ横に置いた海里は「おいで」と手を伸ばし真尋の腕を掴むと、引き寄せるように自身の膝の上に座るように抱きしめた。
 後頭部を海里の左手に支えられ、互いの唇が触れる。
「んっ···海···里···」
 吐息を感じながら、軽い口づけを交わす。いつもであれば、少し名残り惜しそうにしながらも「珈琲でもいれようか」と午後のまったりとした時間を二人で楽しむのだが、今日は様子が少し違う。
 浅く口づけていた海里の唇が少し強引に深く重なり、舌が入り込む。舌に絡みつくように動く海里の舌に少し戸惑いながらも合わせていく。しばらく互いの唇を貪るように口づけを交わしていた真尋だが、次第に腰に甘い痺れを感じ始め、海里の肩を押すように彼の唇から逃れた。
「ま、待って···これ以上されたら···」
 求めてしまいそうだ。
 休日ではあるが、まだ日の高いうちからシテ欲しいと誘うには理性が邪魔をする。
「···嫌?俺は···続けたいな」
「── っ」
 艶っぽい声色で囁く海里の誘いを拒む事など出来ず、真尋は顔を赤らめながらこくりと小さく頷く。
 俯いたままの姿勢でいた真尋の頭に、不意に何かを乗せられる気配を感じとり顔を上げた。
 頭の近くで小さな鈴の音がチリンと鳴る。

「???」

 いつの間にか海里の横に置いてあった箱が開けられており、そこから取り出した物を乗せられたようだが···。

 真尋は手をそっと頭を探った。
 細い金属が頭の形に沿うように収まり、ふわふわと手触りの良い2つの三角の形をした物がついている。

「え?耳??」

 感じたままに真尋は呟いた。
 その三角の形をしたモフモフには小さな鈴でも付けられているのか、形を探るように指を動かすと、時々小さな丸い物が指先に触れ、その度にチリンと可愛らしい鈴のを鳴らした。

「ふふっ···当たり。黒猫のカチューシャ」
 楽しそうに笑う海里の言葉に真尋はぽかんとする。
「は?猫?」
 改めて触れてみれば、なるほど。ふわふわな三角は猫の耳だ。
「やっぱり。真尋は猫の方が似合うと思った···」
 真尋は数日前の会社の昼休みに、雑談で犬派か猫派か···という話しをしている中で海里が子犬っていうより猫かな···と呟いていた姿を思い出した。
「······まさか···あの時からこれ着けさせようって考えてたんじゃ···」
 若干、引き気味になりながら聞いてみる。
「ん?どうだったかなぁ」
 くすくす笑いながら海里は惚けてみせた。
「······」
 物言いたげな視線を送っていた真尋だったが、会社で恋人だと公言出来ない分、たまには二人きりの時ぐらい海里に少しくらいは付き合うか···と、諦めたように軽く溜息をいた。
「で?俺にこんな格好させてなにさせようって?」
 顔を僅かに傾げながら、海里の顔を覗き込んだ。
 
 
 こんなの着けれるわけないだろ!と外されてしまう事も覚悟していた海里は、カチューシャを取り外さなかった真尋に嬉しそうな表情を浮かべる。
「もう一つ一緒に買った物があるんだけど···それも着けてくれる?」
 言いながら海里は箱を指差した。
「······え?」
 カチューこれシャだけじゃないのか!?と、思わず逃げ腰になった真尋の腰に腕を回わされ、逃げ場を失う。
「······もう···ひと···つ···って?」
 恐る恐る聞くが、嫌な予感しかしない。
 海里が箱に手を伸ばし中から取り出した物を見て、真尋の予感は現実の物となった。
 


 細長い黒猫のしっぽ。
 毛並みが良く、可愛らしい形をしている。ただし、根本についている物を除けばの話だ。
 丸い形が2つ連なり、その先には少し丸みを帯びた楕円の形をした物が見える。
 聞かなくても分かる。いわゆる大人の玩具おもちゃだ。
 真尋は中に挿れる部分を凝視ししながら、無理···と首を横に振った。
「大丈夫···ほら、短いし···太さも俺のよりないでしょ?ちゃんと慣らしてから挿れるから···」
 ね、とあやすように目尻に口づけられる。
「や···やだ···無理!」
 そんなキスで流されないから!と海里の腕の中でもがく。
「猫になった真尋、可愛いと思うんだけどな···ね?見せて···」
 耳元に唇を寄せ、扇情的に囁いた。
「······」
 小さなローターなら前に挿れられた事はあるが、それよりも大きさも形もまるで違う。不安と羞恥の入り交じる感情の中、海里の見せて···と囁かれたお願いに気持ちが揺れ動かされていた。


「·····す···こし···なら···」


 真尋は躊躇ためらいながらも、小さく呟いた。


 



─────────────────────




 海里の耳元で囁く「お願い···」に弱い真尋です(^_^;)
 



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