上司と部下の恋愛事情

朔弥

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番外編

恵方巻

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「ねえ···真尋、もっと大きく口を開けないと·····入らないよ?」
 海里は口元に楽しそうな笑みを浮かべながら、ダイニングの椅子に座る真尋の前に立つ。その手には恵方巻があり、真尋に食べさせようと口元に差しだしていた。
「あ···の···海里?一人で···食べれるんだけど···」
 戸惑いながら真尋は海里を見上げる。
「真尋が俺の(作った恵方巻)を美味しそうに食べてるの···見たいから·······ね?」
「·········」
 海里の言葉が何だか意図的にいやらしく聞こえるのは気の所為だろうか···。
 真尋は疑わしそうに目を細める。
 だが、海里がせっかく作ってくれた恵方巻だ。真尋はゆっくりと口を開けた。
「食べ終わるまで声ださないで···」
 そう言いながら海里は真尋の口に恵方巻を入れていく。
「········っ」
 太さのある恵方巻は、口を大きく開けていてもギリギリで少し苦痛に感じる。
「真尋のお口いっぱいだね···ちょっと大きくしすぎた?」
 言い方がいちいちエロいんだけど···と上目遣いにめつけた。
 真尋は抗議の意図を含め睨んだつもりだが、海里はその視線を受け、少し頬を緩ませた口元を片手で押えながら目を泳がせる。
「·········真尋、その表情かお煽ってるようにしか見えないんだけど···」
「?」
 喋れない真尋は、瞳だけで「どういう意味だよ···?」と問いかける。
「だから···そんな苦しそうに潤んだ瞳で上目遣いに睨められても·····ね」
 男の嗜虐心を煽るだけだって分かってる?と、逆に問いかけられ、真尋は顔を羞恥で赤らめた。
「──···」
 文句を言いたくても途中で喋るわけにもいかず、さっさと食べてしまおうと口を動かす。
「美味しい?真尋···あまり奥まで咥え込むと苦しくなるよ」
「······んっう···」
 僅かに苦しそうな声が洩れる。
「ほら、欲張らないで···ゆっくりお口使って······上手だね···」
 海里の囁くような声がいやらしさを含んでいるように聞こえ、恵方巻を食べているだけなのに海里のモノを口に咥えているような気にさせられる。
「どうしたの?物欲しそうな顔して······欲しくなっちゃった?」
 表情に少し切ない色香が混ざり始めた僅かな変化を見逃さず、海里は甘い微笑みを浮かべながら問いかけた。
「·········」
 先程から半身にもどかしい熱が集まり始めている事を海里に気づかれ、居心地が悪そうに真尋は視線だけを逸らせた。
「頑張ってお口動かして······あと少しで···(食べ)終わりそうだから·····」
 わざと真尋の欲情を更に煽るように耳元で囁く。
 熱っぽく吐息混じりに囁かれると、


 ── あと少しで···イきそうだから


 そう言われたような気がした。
 海里の熱くたかぶったモノを咥え、懸命に舌を動かし快楽の絶頂へと導いている自分の姿と重なる。
 淫らな妄想をしている事など、海里にはお見通しだろう。なんとか食べ終えた真尋の唇に海里は指で触れながら、
「舐めて綺麗にしてくれる?」
 と、まるでイッた後、自身の放った液を残さず舐めてと言っているかのように囁いた。
 海里の言葉全てが淫靡な意味を含んでいるようにしか聞こえない真尋は、もどかしい熱を持て余しながら大人しく海里の指に舌を這わせた。
 口を開ける真尋の表情は物欲しそうな色情の香りが漂っている。
 海里は舐められている中指と人差し指を、真尋の舌を撫でるように動かしながら口の奥へと入れていく。
「·······んっ···」
 撫でる海里の指の動きに合わせるように真尋も舌で追いかけた。
 顔が僅かに上向きになっている所為もあり、海里の指を咥えたままでは上手く唾液を飲み込む事が出来ず、唇の端から喉を伝い落ちていく。
「······っ···」
 熱っぽい瞳で海里を見上げた。
 真尋の視線を受け、海里は口元に笑みを浮かべながら舐めさせていた指を真尋の口からゆっくりと引き抜いていく。
 指先が唇に触れると、
「おかわり欲しい?」
 そう問いかけながら艷やかに濡れる唇をなぞった。
 ゾクリと甘い痺れが腰に響く。


 今すぐ海里の熱いモノが欲しい···


 欲しいが、そう言っても本当に自分の望むものをくれるだろうか。自分の望むものが海里の硬い雄だと知りながら、まだテーブルに残されている恵方巻を手にするとも限らない。
「···欲し···いけど······」
 真尋はチラリとテーブルの恵方巻を「これじゃなくて···」と不服そうな表情で見る。
「けど···なに?」
 海里は真尋の言う「おかわり」が何かを知りながら、楽しそうに聞き返した。
「っ!·········もう···恵方巻それはいいから···海里の···が····」
 顔を赤らめた真尋は海里から顔を背ける。
 恥ずかしそうにしながらも、真尋は小さな声で呟く。



 ─── 海里の···食べさせて




─────────────────────



 下らない妄想にお付き合い下さりありがとうございます(>_<)
 (前回との話しの温度差がありますが(^_^;)普段は海里はあまり自分の弱い部分は曝さないので···)
 

 楽しんでもらえたら嬉しいです···(^_^;)
 

        (2024.02.03)


 エールを押して下さりありがとうございます!
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