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第1章
3 いななき
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「まさかこんなことができてしまうとは」
俺は冷や汗をかきながら、呻くように呟いていた。
何度か布団を出したり消したりした後、そばに転がっていた石で試して同じように成功していた。
一方ですぐそばに生えていた樹木で試してみたが、なぜかうまくいかなかった。
なんらかの条件があるんだろうか……?
また、最初は“収納”と“放出”と口に出して言っていたが、試しに黙ったままで言葉を心の中で念じてみたところ、なんと出し入れに成功していた。
この手品のような力を使うには、口に出さなくてもいいみたいだ。
懸念してたことが、現実のような予感……。
ここは本当に日本なのかと最初に思っていたけれど、それどころか地球ですらないのではないか。
もっと具体的に言うと、ここは異世界なんじゃないか。
それも魔法のような、地球とはまったく別の原理が存在する世界なのではなかろうか。
日本ではサブカル系の創作物語で、異世界トリップというジャンルが幅を利かせている。
そのフィクション世界の設定が、自分が今いる世界のルールだとしたら。
こりゃ、覚悟しなきゃいけないのかも。
その時、それほど離れていない場所から何かの鳴き声のような音が聞こえてきた。
これは……、馬……?
それも、牧場の馬ののどかな鳴き声という感じではない。
どこか切迫したような、悲鳴のような雰囲気のするいななきである。
どうする……?
近づくことで何かトラブルに巻き込まれるかもしれない。
しかし、いつまでもここでだらだらしているわけではないのも事実だ。
俺は少し迷ったが、茂みなどに隠れながら様子を伺うくらいなら大丈夫じゃないかと思い、鳴き声の聞こえたほうに近づいていった。
俺は冷や汗をかきながら、呻くように呟いていた。
何度か布団を出したり消したりした後、そばに転がっていた石で試して同じように成功していた。
一方ですぐそばに生えていた樹木で試してみたが、なぜかうまくいかなかった。
なんらかの条件があるんだろうか……?
また、最初は“収納”と“放出”と口に出して言っていたが、試しに黙ったままで言葉を心の中で念じてみたところ、なんと出し入れに成功していた。
この手品のような力を使うには、口に出さなくてもいいみたいだ。
懸念してたことが、現実のような予感……。
ここは本当に日本なのかと最初に思っていたけれど、それどころか地球ですらないのではないか。
もっと具体的に言うと、ここは異世界なんじゃないか。
それも魔法のような、地球とはまったく別の原理が存在する世界なのではなかろうか。
日本ではサブカル系の創作物語で、異世界トリップというジャンルが幅を利かせている。
そのフィクション世界の設定が、自分が今いる世界のルールだとしたら。
こりゃ、覚悟しなきゃいけないのかも。
その時、それほど離れていない場所から何かの鳴き声のような音が聞こえてきた。
これは……、馬……?
それも、牧場の馬ののどかな鳴き声という感じではない。
どこか切迫したような、悲鳴のような雰囲気のするいななきである。
どうする……?
近づくことで何かトラブルに巻き込まれるかもしれない。
しかし、いつまでもここでだらだらしているわけではないのも事実だ。
俺は少し迷ったが、茂みなどに隠れながら様子を伺うくらいなら大丈夫じゃないかと思い、鳴き声の聞こえたほうに近づいていった。
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