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第3話 俺、奴隷と契約しました その3
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(『適当にくつろいでいてください』と言われても緊張とかでくつろげず、俺の様子を見に来たのかな? でも、ウソ泣きで俺のことを起こすような人だしそんな感じではなさそうだが……)
彼女が扉を少し開けて様子を伺っている理由を推理してみようと思ったがさっぱりだったので、直接聞くことにした。
「シエナさん、どうかされましたか?」
「あ……すみません。今からどこかに行かれるのかと気になって……。もしかしてクエストを受けに行かれるのですか?」
「まあそうですね。流石に直前になって受注キャンセルは駄目だなと思いまして……。ということで、シエナさんには申し訳ないんですけど、留守番をお願いしてもいいですか?」
留守番のお願いはすんなりと聞いてくれると思ったのだが、彼女は首を横に振ってきた。
断られる可能性はあまり考えていなかったので、拒否されたことに少し動揺していたのだが、
「その……クエストにご一緒させていただきたいんですけど駄目ですか……?」
という彼女のお願いを聞いて『なるほど』と思った。
俺のユニークスキルを知っていて、かつ俺の人柄に関する噂話も聞いてはいたが、どれも彼女自身の目や耳で確かめたものではない。話が盛られているかもしれないし、歪曲されている可能性もある。つまりは……
「俺をこのクエストで見極めようと……そういうことですね?」
「え? いえ、そんな重たい感じではなくて……」
「別に隠していただかなくてもいいんですよ。クエストは命がかかっているので自分を取り繕うことなんて出来なくなる。そういうところでありのままの俺を見て、本当に契約者としてふさわしい人間か判断すると」
「ち、違います! 私はただエリック様と一緒にクエストを受けてみたいと思って!」
「俺が変に緊張しないようにそんな嬉しくなるような言葉を言ってくれるなんて……シエナさんは優しいですね……」
『なぜか大事になってしまいました……』とシエナさんがつぶやいていたが、とにかくクエスト自体は同行してもらうことに問題はなかったので、快く承諾した。
◆◆◆
シエナさんがクエストについてくることになったのは良いが、今の彼女のドレスみたいな服装は流石にまずいということで、俺の持っている服かパパッと装備屋によって装備一式を買おうかと思っていたのだが……
「あ、私持っているので大丈夫ですよ!」
ということで解決した。
ただ、そんな装備なんてどこにも見当たらないだが……と思っていたら、どうやら玄関前に彼女の持ち物を置いていたらしく、そこからウエストバッグみたいなものを引きずり出してきた。
「……? そこに冒険者の装備が……?」
「そうです! えっとですね……」
そう言ってウエストバッグに手を突っ込みゴソゴソとすること数秒。
「あ、ありました! んしょ! これです!」
そういって彼女は動きやすい服に防具、武器などをそのバッグから取り出してきた。見る限りそんなものが入る容量はないし、詰め込むことは不可能だ。ということは……
「もしかして、それってかなり広い異空間につながっていると噂されているアイテムボックスですか?」
「正解です!」
俺はすごいなと感心する。
シエナさんが持っているようなアイテムボックスは、ダンジョンに潜ってドラゴンなどの相当強いモンスターを狩らないと手に入らない。しかも確定でドロップするわけでもなく、ドロップ率は多く見積もっても1%とかなり渋い。
そんな超レア装備を持っているシエナさんを見て、改めてなんだかすごい経歴を持ってそうな人と契約したのだと思った。ちょっとどういう人生を辿ってきたのか聞いてみたい気持ちに駆られたが、こういうのはお互い信頼しあってからするべきだと考えていたので、その気持ちは今は胸の奥にしまうことにした。
ちなみに俺はそんなすごい装備を持っていないし、こうやって間近で見るのも初めてでした。
激レアものを見せてもらった後。シエナさんにはクエストに行くために着替えをしてもらった。
着替え終わった彼女の姿を見て俺は思わず感嘆の声を上げる。
「……滅茶苦茶可愛い……てか、とんでもないくらい様になっているんですけど……」
「そ、そうですか? ありがとうございます!」
彼女にはお世辞と捉えられたかもしれないが、本当に可愛いし、俺なんかよりよほど冒険者として様になっている姿だと思った。
まず装備に関して。先程着ていた服もそうだったが、冒険者装備もやはりそこら辺の人達とは一線を画すレベルで物が違っていた。まるで彼女のために腕のいい職人がかなりの歳月をかけて作り上げたような装備だった。デザインもシエナさんの高貴さや可愛らしさを最大限引き出すようなものである。これは見惚れてしまう……。
それと彼女の風格そのものも装備に遜色ないレベルのものだった。冒険者としての強さとしては今の俺よりも上だろう。下手したら片手で捻り潰されるかもしれない。
(俺の方は、装備は汎用品で何年も使っているからボロボロだし、腕っぷしも負けているときた。……俺、契約者としてやっていけるのだろうか……?)
あまりにも格の違いを見せつけられすぎて彼女の側にいることが恥ずかしくなってきつつあったが、なんとかメンタルを立て直し、クエストにでかけた。
彼女が扉を少し開けて様子を伺っている理由を推理してみようと思ったがさっぱりだったので、直接聞くことにした。
「シエナさん、どうかされましたか?」
「あ……すみません。今からどこかに行かれるのかと気になって……。もしかしてクエストを受けに行かれるのですか?」
「まあそうですね。流石に直前になって受注キャンセルは駄目だなと思いまして……。ということで、シエナさんには申し訳ないんですけど、留守番をお願いしてもいいですか?」
留守番のお願いはすんなりと聞いてくれると思ったのだが、彼女は首を横に振ってきた。
断られる可能性はあまり考えていなかったので、拒否されたことに少し動揺していたのだが、
「その……クエストにご一緒させていただきたいんですけど駄目ですか……?」
という彼女のお願いを聞いて『なるほど』と思った。
俺のユニークスキルを知っていて、かつ俺の人柄に関する噂話も聞いてはいたが、どれも彼女自身の目や耳で確かめたものではない。話が盛られているかもしれないし、歪曲されている可能性もある。つまりは……
「俺をこのクエストで見極めようと……そういうことですね?」
「え? いえ、そんな重たい感じではなくて……」
「別に隠していただかなくてもいいんですよ。クエストは命がかかっているので自分を取り繕うことなんて出来なくなる。そういうところでありのままの俺を見て、本当に契約者としてふさわしい人間か判断すると」
「ち、違います! 私はただエリック様と一緒にクエストを受けてみたいと思って!」
「俺が変に緊張しないようにそんな嬉しくなるような言葉を言ってくれるなんて……シエナさんは優しいですね……」
『なぜか大事になってしまいました……』とシエナさんがつぶやいていたが、とにかくクエスト自体は同行してもらうことに問題はなかったので、快く承諾した。
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シエナさんがクエストについてくることになったのは良いが、今の彼女のドレスみたいな服装は流石にまずいということで、俺の持っている服かパパッと装備屋によって装備一式を買おうかと思っていたのだが……
「あ、私持っているので大丈夫ですよ!」
ということで解決した。
ただ、そんな装備なんてどこにも見当たらないだが……と思っていたら、どうやら玄関前に彼女の持ち物を置いていたらしく、そこからウエストバッグみたいなものを引きずり出してきた。
「……? そこに冒険者の装備が……?」
「そうです! えっとですね……」
そう言ってウエストバッグに手を突っ込みゴソゴソとすること数秒。
「あ、ありました! んしょ! これです!」
そういって彼女は動きやすい服に防具、武器などをそのバッグから取り出してきた。見る限りそんなものが入る容量はないし、詰め込むことは不可能だ。ということは……
「もしかして、それってかなり広い異空間につながっていると噂されているアイテムボックスですか?」
「正解です!」
俺はすごいなと感心する。
シエナさんが持っているようなアイテムボックスは、ダンジョンに潜ってドラゴンなどの相当強いモンスターを狩らないと手に入らない。しかも確定でドロップするわけでもなく、ドロップ率は多く見積もっても1%とかなり渋い。
そんな超レア装備を持っているシエナさんを見て、改めてなんだかすごい経歴を持ってそうな人と契約したのだと思った。ちょっとどういう人生を辿ってきたのか聞いてみたい気持ちに駆られたが、こういうのはお互い信頼しあってからするべきだと考えていたので、その気持ちは今は胸の奥にしまうことにした。
ちなみに俺はそんなすごい装備を持っていないし、こうやって間近で見るのも初めてでした。
激レアものを見せてもらった後。シエナさんにはクエストに行くために着替えをしてもらった。
着替え終わった彼女の姿を見て俺は思わず感嘆の声を上げる。
「……滅茶苦茶可愛い……てか、とんでもないくらい様になっているんですけど……」
「そ、そうですか? ありがとうございます!」
彼女にはお世辞と捉えられたかもしれないが、本当に可愛いし、俺なんかよりよほど冒険者として様になっている姿だと思った。
まず装備に関して。先程着ていた服もそうだったが、冒険者装備もやはりそこら辺の人達とは一線を画すレベルで物が違っていた。まるで彼女のために腕のいい職人がかなりの歳月をかけて作り上げたような装備だった。デザインもシエナさんの高貴さや可愛らしさを最大限引き出すようなものである。これは見惚れてしまう……。
それと彼女の風格そのものも装備に遜色ないレベルのものだった。冒険者としての強さとしては今の俺よりも上だろう。下手したら片手で捻り潰されるかもしれない。
(俺の方は、装備は汎用品で何年も使っているからボロボロだし、腕っぷしも負けているときた。……俺、契約者としてやっていけるのだろうか……?)
あまりにも格の違いを見せつけられすぎて彼女の側にいることが恥ずかしくなってきつつあったが、なんとかメンタルを立て直し、クエストにでかけた。
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