犬ニンゲン
人類滅亡後、世界を支配したのは犬だった!
犬と人間の立場が入れ替わった世界の、エロティックでコミカルな日常を描くパラレルストーリー、珍作『犬ニンゲン』。
主人公祐馬はシバ犬とキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの雑種。妻シンシアはポメラニアンの雑種。結婚して十年、二人には六人の子ども達がいた。
冴えないサラリーマンの祐馬は、会社での雑種ハラスメントに耐えながらも家族のためにせっせと働く毎日。生活にゆとりはないけれど、美しい妻と可愛い子ども達がいれば幸せだった。
そんなある日、子どもがニンゲンのメスを公園で拾ってくる。子ども達のはしゃぐ姿を見て仕方なくニンゲンを飼う事になった祐馬家。
ニンゲンは"リカコ"と名付けられ、犬懐っこい"リカコ"にいつしか情が芽生える祐馬。
やがて、仕事のストレスに加え発情期が近づいた祐馬はいつもの浮気の虫が騒ぎ出し、シンシアは気が気ではない。
犬世界が出来た頃、発情期は大きな社会問題であり、永遠のテーマだった。それを解決したのがワンコ法だ。
賢い犬はかつてニンゲンが犯した過ちを繰り返さぬよう、犬本来の習性を尊重したルールを築いた。
そのワンコ法、第11条 〔 交尾の自由 〕
〈発情期とその前後の一定期間に限り一切の恋愛、繁殖行為はその自己責任において自由であり、その権利は何人にも侵すことのできない永久の権利として総てのイヌ族に与えられる〉
即ち、犬世界では発情期の浮気は当然の権利として認められているのだった。
しかし昨今ではワンコ法を見直そうという動きが強まっていた。
祐馬家も例外ではなく、シンシアに浮気がバレ、苦境に立たされた祐馬は"リカコ"を連れていったん家族の下を離れる事にしたのだが…
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