麗しき人魚姫の中の人
いつから前世の記憶があったのか。
そもそも自我を認識したのがいつだったのか。
そういう細かいところは覚えていないけれども。
「海の中って意外に暗いよねぇ。かと言って、水中で火を灯すことなんてできないし。LEDが恋しいなぁ」と。
住み慣れた薄暗い海底と、見たこともないはずの陸上の、しかもかなり進んだ文明の街の明るさをいつものように比べて。ぼんやり揺れる海藻を眺めながら暇を潰す自分の記憶に違和感を覚えたのは、6人目となる末の娘を出産後、母が儚く泡となり消えてしまってから5年も経ってからだった。
中身が日本人な人魚姫が生き抜こうとするお話。
けれども、それほどシリアスではない。
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