全寮制男子校

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あれから二週間が経ち俺達は生徒会室に呼ばれていた。俺の身体は治って絶好調だった。


勝利に呼ばれたのはあの事件の事だろう。翔と和也に完膚無きまでボコボコにされてまだ入院してるとの事だ。
入院で済んで良かったな…。
そう言えば…何か、事が起きる度、生徒会室に居るな…。


「揃ったか?」


「あぁ…処分の話か?」


勝利と幸哉二人が俺達を待ち構えてた。



「俺達が納得するので頼むぞ」



翔が腕を組み応接室で座って対応した。俺と和也も幸哉が入れてくれたコーヒーを飲みながら先を促す。



「取り敢えずあの後二人の両親に連絡してこれからを話した。それで俺の親がが経営してる更生施設に入れる事になった。それから笹野木と木宮の処分は無しだ。
一回入院先で話を聞いたが本当に頭がおかしい…やってはいけない事の区分が頭から無くなってやがった。
俺も殴りそうになったぞ…」



「私も話を聞いてみてビックリです。出会った事が無い人種ですね…あの連中と祐が一緒に過ごしていた時期があるのは反吐がでます。
それで私が二人の両親と話をしました…。親が親なら子は子ですね…。
こちらの話をまるで聞かない。小金持の癖にプライドが高い…。
なので生徒会だけの力では無く理事長にもお力を借りました。
後で理事長にも呼び出されると思いますが話を聞くだけだと思いますので心配は要りません」




幸哉が嫌そうな顔をして話して来る。相当なバカ親なんだろう…。理事長には何時も助けられてるな…ちゃんと機会が合ったら御礼をしよう。




「この学校には戻って来るのか?」



「それは施設での更生次第だ。まぁ戻ってくる頃には俺達は卒業してるだろう…。これが学校でで決めた事だ。それで…剛はどうしたい?」




「俺は決まってる。殺す。退院したら教えくれ…。施設入る前にまた入院させる」



「それだとお前が障害で捕まるぞ?」




「構わない…あいつらはダメだ。普通の処分じゃ無いのも分かってるが俺は許せないし許さない」




翔と和也がボコボコにしたとしても俺も殴りたい。全然怒りは治らない。




「俺と幸哉は反対だ…。あのクソガキ二人の所為で剛が処分されるのは友人として絶対嫌だ…それを踏まえて考えてくれ」



…………。
それは卑怯じゃないか?俺は近くに置いた人間は大事にしたい…。
この二週間どんな感じに殺してやろうか?とウキウキで考えていたのにこの二人の言葉で考えがぐらついてしまう…。



「はぁ…二人に言われたら…いや…でも殺るか?」



「珍しく剛が悩んでるな…笹野木と木宮は止めなかったのか?」



「俺が止めるわけ無いだろ?俺だってまだ殺り足りない」



「俺はガチで出来るから何時でも行ける」



「「はぁ…」」



ソファーで三人並んで口々にまた殺すと言いまくって勝利と幸哉を困らせる。殴りたいのだ…。

二人の気持ちは嬉しいが俺は一人で殺る。下半身切って使えなくしようか…?あぁ…ダメだ。また楽しい考えが浮かんでくる。



「兎に角!俺の顔を立ててくれ。責任持ってこっちで処分する。本気で剛達なら再起不能に出来るだろうが…。俺も許せねぇし…ムカつくけど…だからこそちゃんと処分するんだ」


俺の眼をまっすぐ見てハッキリ話す勝利。はぁ…これだけ言われたら俺は暴走出来無い。
俺の扱い上手になったなこの野郎…。




「クソッ…勝利が責任持ってって言うならこっちは何にも言えないだろ?…グッ…分かった。それじゃよろしく頼む」



まぁ…殺ろうと思ったら何時でも出来る。心の中で思ったのは内緒にしよう…。





その後勝利と幸哉の話を理解して俺達は解散して食堂に向かう。途中芳田が俺に泣きながら謝ってきた…。



「だからお前の所為じゃない。芳田が謝る必要は無い」



「でもっ!俺の所為であいつら転校してきて…俺がちゃんとあいつら変えないといけなかったのに…」



ん?あいつらは芳田が何言っても聞かないと思うぞ。自分が中心のクソだからな…。



「芳田こっちに来い…」



芳田を俺の席の隣に座らせ頭をポンポン叩く。




「お前の所為じゃないだろ?だから自分を責めるな…悪いのはあの二人だ。気にするなって…なぁ?また笑って元気をくれよ」




「うわ…顔真っ赤…なんだ?ムカつくぞ」



「神山と付き合ってるって知ってるが…ちっ…」



俺に頭を撫でられ落ち着いたのか芳田が顔を真っ赤にして下を向いている。和也と翔が何か言っていたが聞こえない…。久しぶりだこの感じ。


なんで俺が慰め役だよ…。
二人の視線も痛いしな…。



すると、食堂から奇声が聞こえてくる。生徒会の連中だろう…。よかった。




「ほら幸哉の方に行ってこい…もう大丈夫だろ?芳田は変わってあの二人とは違う。この全校生徒が分かってる…だから…な?」



「う…わかった…。でも俺に何か出来るなら言ってくれよっ!剛さんの為なら何でも出来るからっ!じゃっ!」



もの凄いスピードで幸哉に突進していった。鳩尾に入ってないか?すげぇ悶えてるぞ…



「ありゃ痛てぇな…」



和也も顔をしかめてる。芳田は一直線で真っ直ぐだ…。本当にこの学校に来てよかっただろう。でもあの二人は転校二日目で事件を起こして…。

勝利が言っていた更生施設ってのは気になるが、勝利を信頼して任せる事にしよう。
ダメだったら俺が手を下せば良いだけの事。それは邪魔させない…。



「和也と翔はあの処分で良かったか?」



「俺は剛に任せてる…見つけた時にマジで殴ったからな…」



「俺も殴ったから…剛が殴りたいなら力を貸すぜ?親父に言ったら一発で普通の高校生活は出来ないだろうし…」




和也の親父さんにバレたらヤバイ…。取り敢えずここで話は終わらせた方が良いな。


悪童二人が居なくなって何の転校だったか全校生徒が理解しないままこれから学祭の時期が来る…。
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