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第3章 学生の数だけ、物語がある。物語には創り手と演じ手がいるわけで。主役と脇役が交差したりもするよね。

44.ベリーベリー・イニー。同年代が苦手な12歳。だって、話が合わない。同年代のお遊戯は、だいたい退屈。気の合う人が、1人くらいいたらなあ。

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あたしは家に帰って、母さんに、今日の出来事を話した。

話さずにはいられないことばかり。

学園はめちゃくちゃだけど退屈しなさそう。

あたし、今まで、退屈していたんだなー、と思った。

あたしと話が合うというか、話が弾む人は、クロッグ・カーブが初めて。

あたしの話したいことや興味を持ったことは、絶対多数の他の人にはどうでもよいことだったから。

あたしの話し相手は、いつも母さんと父さん。

あたしも子どもだけど、子どもと向き合うのって疲れるんだ。

地域の絆が大事とかで、子ども同士の集まりがあったんだけど、毎回、暇で。

絶対多数の興味をひくものには、あたしが興味を持てない。

子どもの集まりで、誰かが話しているのを聞いているだけの子どもが、あたし。

あたしが、たまに発言すると。
『いたんだ?』
と言われる始末。

顔を見て、最初からいると知っていて、あたしに背中を向ける人。

言ったのは、近所の幼馴染みとその友達。

幼馴染みの友達は、最初から、あたしにあたりが強かった。

幼馴染みの友達とは、幼馴染みが一緒にいなければ、会うこともない。

幼馴染みに幼馴染みの友達がついてくるなら、幼馴染みとは、ほどほどでいい。

結果。
幼馴染みの天秤が友達に傾いたから、あたしと幼馴染みは疎遠になっている。

そういう風に割り切るからあたしには友達がいないんだけど、付き合いの疲れる友達って、友達と言えるもん?

塾は、友達作りが目的じゃないから、楽しかった。

友達を大事にしましょうというプレッシャー、いる?

友達って、できたら、できたで。

できなかったら、できなかったで。

いなくなったら、いなくなったで。

なんとかならない?

うちの父さんは、今、出張に行っている。

父さんが帰ってきたら、話すことがあり過ぎて、忘れそう。まだ学校初日なのに。

一応、元友達の話も、母さんにしておく。

彼女の親とは、母さんも仲が悪いわけじゃない。

隣近所じゃないけど、話す機会もあるだろうし。

「生活の場所と時間が変われば、友達付き合いも変わっていくものだから。」
と母さん。

「仕事や家が変わって、付き合う人が変わるのは、成長になるわ。どちらにとってもね。」

あたしは、母さんの考え方が好き。

「色々、試してみたらいいよ。親の脛をかじっている間の特権。」

母さん、かじる脛は、塾代で消えたって言ってなかった?

「これから、新しい環境になるんだから。変化を楽しむのも、苦しむのも、なかったことにするのも、選び放題よ?」
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