顔が良ければそれでいいと思っていたけれど、気づけば彼に本気で恋していました。

魔物を討伐し国を救った若き魔術師アリア・フェルディナンド。
国王から「望むものを何でも与える」と言われた彼女が選んだ褒美は――

「国一番の美男子を、夫にください」

という前代未聞のひと言だった。

急遽開かれた婿候補サロンで、アリアが一目で心を奪われたのは、
“夜の街の帝王”と呼ばれる美貌の青年ルシアン・クロード。

女たらし、金遣いが荒い、家の恥――
そんな悪評だらけの彼を、アリアは迷わず指名する。

「顔が好きだからです」

直球すぎる理由に戸惑うルシアン。
だが彼には、誰にも言えない孤独と過去があった。

これは、
顔だけで選んだはずの英雄と、
誰にも本気で愛されたことのない美貌の青年が、
“契約婚”から始める恋の物語。
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