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ドスケベ祓魔師

感動の再会

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ルカと出会ったあの日から、一ヶ月が経った。

今まで仕事場にルカを連れてきたことはないが、今日は特別。

なぜなら今日、祓魔師協会本部の俺の執務室に、同期のクオンと先輩のケンさんが使い魔を連れて訪ねてくることになっているからだ。


「ここがリヒトの仕事場?」

「そうだよ。神父の仕事がある日は教会のほうに行くから、ここは2つある仕事場の内の1つだけどね」

「へぇー。なんか、できる男って感じだね」


物珍しそうにキョロキョロと部屋の中を見回すルカ。
両側の壁に天井まである本棚があり、真ん中に来客時用のソファとローテーブル、その奥にデスクとハイバックチェアと大きな窓が1つあるだけの味気も色気もない、なんの代わり映えもしないいつもの仕事場が、ルカがいるだけでパッと華やいで見えるから不思議だ。

ルカと一緒に、彼に着せる為の洋服を買いに出かけた日。
帰宅して、身体を重ねたあとのベッド甘い余韻に浸りながら話をしていた時、ルカは魔界のことについて色々と教えてくれて、そこでルカの仲間の話を聞いた。

初めてルカに会った日に言っていた、ルカが死なないという約束をした相手。

名は、リアムとカイというらしい。

リアムとカイは中級の淫魔で、下級のルカのことをいつも守ってくれていたことや、任務に失敗してばかりで愛液を摂取できず、魔力が弱まって死にかけていたルカに、屈辱だろうけど一度男を襲ってみたらと提案してくれたこと、少し前に人間界に降りたきり、2人ともいなくなってしまったことを聞き、悪魔の中にもそんな仲間思いのやつが存在するのかと驚いた。

そして、涙ながらにそんな2人が大好きだったというルカを見て、既に彼に好意を寄せ始めていた俺は何か力になってやれないか…と考えを巡らせたところ、思い出したのだ。

クオンとケンさんが、少し前に淫魔と使い魔の契約を結んだ、と言っていたことを。
ルカにその話をすると、会ってみたい!と目を輝かせるものだから、俺は翌朝目覚めるとすぐに2人に連絡を取り、俺の執務室へ使い魔を連れて来て欲しいと頼み込んだ。

2人とも快く承諾してくれて、そして今、俺とルカは執務室の椅子に腰掛け、彼らが訪れるのを待っている。


「りひと……」

「ん?どうしたの?」

「なんかちょっと、落ち着かない……」


そう言って俺の手をきゅっと握ってくるルカは、分かりやすく不安そうな顔をしていて、安心させるようにピンク色の髪を撫でた。

コンコン。

ドアをノックされる音が、静かな部屋に響く。


「どうぞ」


俺が声を掛けるとゆっくりとドアが開かれ、中に入ってきたのはクオンと、ケンさんと、そして。


「…っ!りあむ...かいっ…!!」

「え……ルカ…?」

「…ルカくん!ルカくんだぁ…っ!」


ボロボロと大粒の涙を溢し、2人に飛び付くルカ。
悪魔3人の、悪魔らしからぬ感動の再会の瞬間だった。
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