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10話 ラブラブな二人
しおりを挟む「ほら、あ~~~ん」
「て、照れ臭いだろ……!」
「いいじゃない、別に。付き合ってるんだし」
オーチョ区画のとあるベンチでは、デザートをカイルに食べさせているアミーナの光景があった。二人が付き合ってから数日しか経過はしていないはずだが……早くもバカップル傾向が強くなってきていた。カイルも照れ隠しからぶっきら棒に振舞ってはいるが、内心では嬉しくて仕方ないのだ。
「爆発しろよ」
そんな言葉がどこかから聞こえて来たそうな……そのくらい、二人は幸せそうに見えていた。貧しい区画の希望の光なのかもしれない。
「アミーナ、製紙作業の仕事は慣れたか?」
「うん、まずまずかな」
「そっか、ならいいや」
アミーナはこちらに帰って来て最初は無職であった。両親の仕事の手伝いなのでも良かったのだが、彼女も18歳になる。自らの彼氏に仕事の斡旋をしてもらうことにしたのだ。その仕事は活版印刷術を駆使した製紙作業の手伝い。
アミーナはカイルのように手先が器用というわけでもなかったが、製紙作業はそれなりにキツイながらも普通にこなすことは可能であった。カイルとしても安心している。
「オーチョ区画の人間の考えは、働いてなんぼ!! だものね。本当にありがとね、カイル」
「頑張ってるのはお前なんだから、俺はなにもしてねぇ……うおっ、おい……」
笑顔でカイルに抱き着いてくるアミーナ。身体で受け止めるカイルだが、周囲の視線とあいまって非常に照れ臭い。
そんな恥ずかしい感情に苛まれながらも、アミーナの身体を腕で包むカイルの姿は男らしいと言えるだろうか。二人はしばらくの間、そのままの状態で過ごしたという。
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場所が変わって、レオン・アンバートの私室……。レオンは豪華な屋敷内で舌打ちをしていた。
「くっ……、リューラの奴があんなに束縛する奴だったなんて……!」
正妻であるリューラ・クテシオンは貴族であり、レオンの本妻に認定されている女性だ。しかし、側室の存在を快く思わず、アミーナを追放させた張本人であるとも言える。
彼女のことで、レオンは苛立っているのだ。美人ではあるが、なかなか身体も自由にさせてくれない。その上で側室に手を出すことも認めない……レオンの欲求は溜まっていく一方であった。
「アミーナはどうしているんだろうか……。30万ゴールドも手切れ金を払ったんだ。1回や2回、やらせてくれても文句はないはずだ」
30万ゴールドは平民が数年暮らせるだけの金額ではある。それだけの大金に見合うアミーナの身体……おあずけを喰らっているレオンは、犯罪者のような顔つきになっていた。
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