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初めてのお友達

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 チェルシー様には、想いを寄せていらっしゃる方がいるのですね。

 こんなお話を誰かとするのは初めてです。すごく幸せです。
 お友達になって下さいと言っても嫌がられないでしょうか?

「あ、あのっ、チェルシー様。わ、わ、私とお友達になって下さいませんか?」

「・・・」

 ど、ドキドキします。心臓が飛び出てきそうですわ。
 駄目だと言われたらどうしましょう。

 俯く私の両手が、キュッと握られました。驚いて顔を上げると、優しく私を見つめて下さるチェルシー様の笑顔がありました。

「もちろんですわ。わたくしをルーナ様のお友達にしてくださいませ」

「メイナード嬢。ルーナは僕の婚約者だよ」

「あら?殿下。わたくしはルーナ様の1番のお友達でしてよ?」

 嬉しくて、喜びを噛み締めていた私は、ソル様とチェルシー様がお言葉を交わしているのを見て、首を傾げました。

「ソル様と、チェルシー様は仲良しなのですね?」

「・・・可愛い。可愛いけど、天然?」

「本当に可愛いですわ。殿下腹黒にはもったいないですわね」

 なんでしょうか?
小声なので聞こえませんでしたが、お2人で分かり合っていらっしゃるみたいです。
 どうしてでしょう。なんだかモヤモヤしますわ。

「メイナード嬢。そんなにチェリーモア殿に何か言ってもらいたいのかな?」

「殿下!卑怯ですわよ」

「本当に・・・仲がよろしいのですね・・・」

 羨ましいですわ。私もチェルシー様に仲良くしていただきたいです。

『ルーナ!ルーナは、私とシンと仲良し!!ルーナ大好き!』

『うん。僕とアルビナはルーナと仲良し!!ソルより僕らと仲良しだよっ!』

 シン様とアルビナ様が現れて、私と仲良しだと言って下さいます。
 お優しいですわ。私もシン様とアルビナ様が大好きです。

「私もシン様とアルビナ様が大好きです」

『ふふーん。聞いた?ソル。ルーナは私たちのことが大好きだって』

 アルビナ様にそう言われて、ソル様がなんともいえない複雑そうなお顔をされます。

 どうされたのかしら。もしかして、自分の契約しているアルビナ様が、私のことをお好きだと言ったから?

 大切なアルビナ様を取られたような気になられたのかもしれません。

「申し訳ありません、ソル様。アルビナ様はソル様の大切な精霊様ですのに」

「うん?うん、まぁ、そうだけど、そうじゃないというか。ルーナは、その、僕の・・・いや、なんでもない。友達ができて良かったね」

 そうだけど、そうじゃない?よくわかりませんけど、お友達ができたことは本当に嬉しいです。
 私はソル様にコックリと頷きました。



 
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