私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜

みおな

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62.これって流行なの?

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 この国の王太子殿下と、見知らぬ女性との逢瀬らしきものを見た日の翌日。

 私は再び、彼らを目撃することになった。

「ねぇ、リュカ。王族は不貞行為をするのが流行りなのかしらね」

 がサウスフォード王国王太子殿下の婚約者なわけがないと、私は判断した。

 アンブレラ王国第五王女殿下との婚約がどうなったのかはわからない。
 もしかしたら解消されたのかもしれない。

 でも、は少なく新たなとも婚約者ではない。

 所作が、貴族のソレではないのよ。

 平民か、もしくは下位の男爵家とかのご令嬢だと思う。

 口を開けて明るく笑い、殿下の腕に腕を絡め、先日リュカと分け合って食べたのとは違うお菓子らしきものを、歩きながら平気で口にする。

 他国とはいえ、貴族令嬢の嗜みはどこも似たようなもの。

 下位で、親が甘やかしていればあのような言動をすることもあるかもしれないけど、高位貴族ではあり得ないわ。

 サウスフォード王国の王族に嫁げるのは、公爵家か他国の王族となっていたはず。

 ということは・・・
浮気よね?

 ウィリアム殿下といい、アスラン殿下といい、王族って婚約者がいながら浮気せずにいられない生き物なのかしら?

 いえ。
サウスフォード王国の王太子殿下は、ちゃんと婚約を解消してからお付き合いしてるのかもしれないけど。

 勝手に嫌悪感を抱いたらダメね。
それに私には関係のないことだわ。

「お嬢、護衛の騎士に気付かれたようです。行きましょう」

「それはマズイわね。寄っては来ないだろうけど、面倒に巻き込まれるのは嫌だわ」

 リュカに促され、彼らと逆方向へと進む。

 これは早めに王都を出た方が良さそうね。

 別にこの国にこだわりはないから、明日の朝、早めに宿を出る準備をしましょう。

 宿に戻り、急だけど明日の早朝にここを出ると女将さんに伝える。

 乗合馬車の出立時刻は、宿に戻る途中で調べてきた。

 この国の乗合馬車は、日が落ちると危険だから夕方までに折り返して街に戻れる時間しか動いてないのよね。

 そのため、この時間にはこの街から出る乗合馬車はない。

 今から急に、馬を買うというわけにもいかないし、荷物は少なめにしてはいるけど、馬にそんな負担を掛けられないわ。

 馬車を買うべきかしら。
でも、馬車だといけない場所も出てくるのよね。

 とにかく早朝に出発するため、早めに夕食を終えて就寝することにした。

 そして、翌朝・・・

 乗合馬車乗り場で私たちを待っていたのは、あの王太子殿下の護衛騎士だった。
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