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与太話
あの夜の話
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うきどきふぁんてーるライフ中。
おにーさまとがぶさんにつかまったテオは、という魔術談義もまぁしたんだけど。
お前らどこまでいったの? ん? いってみな? っていう話をしてますので
じこせきにんでおねがいします!!(イメージ保護的な)
レティがいないのを良いことに。
「なぁ、お前らどこまでいってるんだ?」
「あっ、俺も知りたい。まー、最後まではしてないと思うけど」
「キスはしてるんだろ? 舌入れてるのか?」
「それに答える義理はありませんよね」
言いたい放題。
「というよりあれだろ、どう考えてもあっち出てくるときに最後までなんてないし、俺らと一緒にいて手を出すなんてするタマじゃないだろ、こいつ」
特にガブリエル様が。
「そもそも手ぇだした痕があったら教えてってメイド達に言ってあるけど」
言いたい放題だ。
「ガブ、お前」
トリスタン様は何言ってるんだこいつ、というように笑っている。
笑いを我慢しきれなくて震えていると言うか。
「ないしなー! てかさ、こいつさ!」
呆れてもう何も言えない、というか。
好きに言わせておけばいいかとも思う。どうせ面白がっているだけなんだから。
「そもそも今回の旅にテオドール連れて行ったのもな、皇都じゃ足がつくだろ」
「足?」
「そう。だって好きな子と初めてでたたなかったらやばいだろ。だから俺は初体験をプレゼントしてやろうと思ってさ」
うわ。
うわ、この人。この人最悪だな。
俺のじとっとした視線もなんのその。ガブリエル様は楽しげに笑っている。
トリスタン様は失笑気味だ。
いやたしかにそうではあるが、と。笑いを殺している。
「変な噂にならないように気を使って、そういうチャンスをと思って誘ったら、あれだよ、襲撃だぜ?」
「……完全に余計なおせっかいですね……」
「でもお前がいたから助かった、ってのもあるけどなぁ」
そこは感謝している。
そう言うけれど、でもなと続く話でもう何も思わなくなるわけだ。
「そもそもさ、お前の周りはもう童貞じゃないだろ? お前だけだって。それともはじめては好きな子が良いですってやつ?」
「いやガブ。こいつは気持ち悪いほどレティが好きだからな」
「気持ち悪いって、なんですか」
「気持ち悪いだろ」
「気持ち悪くありません」
いやいやとトリスタン様は笑う。
お前のその執着は、恐ろしく気持ち悪いものだ、と。
貴方がそれを言いますか、とは思うけど。俺が特別、レティを思っている事は事実だし。
「そもそもレティに言い寄ろうとするやつらをそれとなく排除してたのを俺は知ってる」
「え、なんだそれ。そんな面倒なことしてたのか、お前。うわぁ」
「それが、何か」
「手の込んだことしてたのも、知ってる」
「…………してましたけど?」
「うわー、開き直ってるな」
遠回しに、レティをいいなと思ってるやつがいると聞けば。そいつを好きと言ってる子を誘導してみたり。別にそんなのは手の込んだことは無いと思う。回りくどい事、ではあったと思うけど。
でもそれを知られていたのは、気付いてなかった。
「あー、でもこっちの学校でもさ! 友達から聞いたけど、近寄ろうとする女の子をさらーっとかわしてるって聞いてる。別にレティいないし見てないから、多少遊んでも」
「馬鹿かガブ。それができないから気持ち悪いほどなんだろ」
「あー……でも、テオドールさぁ、レティが初恋だろ? そのまま初恋一本でいいわけ?」
ガブリエル様は、他の女の子気になったりしないのと言う。
まったく、と答えるとこりゃ相当重症だと笑って。
「トリスタン、テオドールが義弟になるんだろ? それはどーよ」
「いや別に。面倒事を押し付けられるなとは思ってるけどな」
「……まぁ、それも許容範囲の内です」
「別に義弟だからってべたべた甘やかすわけでもないし、四六時中一緒ってことも無いし、今までと変わらんだろ」
それは、俺もそう思う。肩書が一つ増えるくらいだろうと。
会う機会は増えるだろうけど、まぁ別に。なんとも。
俺にレティと一緒にいる可能性を教えてくれた人に悪い気持ちは持ってないし。
感謝も、している。
している、けど。
「でも俺もお前がレティとどの辺まで進んでるかは気になる」
そうやって話を最初に戻す。
そういう所は、好きじゃない。
「で、どうなんだ? ほら、言ってみろ、おにーさまに」
「未来の義兄にほど言いたくないこともあります」
「聞いたか、未来の義兄ってもうそのつもりだぞ、こいつ。それに言いたくないってなんだ」
よっぽどえげつないことを考えているに違いないと煽ってくる。
スルーしよう。ここで反応すると面白がって余計、つついてくる。
「まだどうなるかわからないのになぁ。まぁ、そうなるには一歩近づいたんだろうけど」
「これが義弟になると楽はできるが油断はできないな」
別に何もしませんけど、と思う。
俺はレティと一緒にいれたらそれで十分。それ以外は望まない。
そうするための努力は、惜しまないのだけれど。
「安心しろ、トリスタン。そっちに帰るまでに初体験は、俺がさせておく!」
「必要ありません……」
「あ、やっぱりテオドールは初めては好きな子思想だ。やばいやばい、こじらせてる」
こじらせてる、とは。それはもうとっくに、だ。
このふたり、何言ってもからかいたくて仕方ないんだろうなぁと俺はため息を零した。
延々といじられてるテオ。
ガブさんとお兄様は、これお酒はいってると思います。
おにーさまとがぶさんにつかまったテオは、という魔術談義もまぁしたんだけど。
お前らどこまでいったの? ん? いってみな? っていう話をしてますので
じこせきにんでおねがいします!!(イメージ保護的な)
レティがいないのを良いことに。
「なぁ、お前らどこまでいってるんだ?」
「あっ、俺も知りたい。まー、最後まではしてないと思うけど」
「キスはしてるんだろ? 舌入れてるのか?」
「それに答える義理はありませんよね」
言いたい放題。
「というよりあれだろ、どう考えてもあっち出てくるときに最後までなんてないし、俺らと一緒にいて手を出すなんてするタマじゃないだろ、こいつ」
特にガブリエル様が。
「そもそも手ぇだした痕があったら教えてってメイド達に言ってあるけど」
言いたい放題だ。
「ガブ、お前」
トリスタン様は何言ってるんだこいつ、というように笑っている。
笑いを我慢しきれなくて震えていると言うか。
「ないしなー! てかさ、こいつさ!」
呆れてもう何も言えない、というか。
好きに言わせておけばいいかとも思う。どうせ面白がっているだけなんだから。
「そもそも今回の旅にテオドール連れて行ったのもな、皇都じゃ足がつくだろ」
「足?」
「そう。だって好きな子と初めてでたたなかったらやばいだろ。だから俺は初体験をプレゼントしてやろうと思ってさ」
うわ。
うわ、この人。この人最悪だな。
俺のじとっとした視線もなんのその。ガブリエル様は楽しげに笑っている。
トリスタン様は失笑気味だ。
いやたしかにそうではあるが、と。笑いを殺している。
「変な噂にならないように気を使って、そういうチャンスをと思って誘ったら、あれだよ、襲撃だぜ?」
「……完全に余計なおせっかいですね……」
「でもお前がいたから助かった、ってのもあるけどなぁ」
そこは感謝している。
そう言うけれど、でもなと続く話でもう何も思わなくなるわけだ。
「そもそもさ、お前の周りはもう童貞じゃないだろ? お前だけだって。それともはじめては好きな子が良いですってやつ?」
「いやガブ。こいつは気持ち悪いほどレティが好きだからな」
「気持ち悪いって、なんですか」
「気持ち悪いだろ」
「気持ち悪くありません」
いやいやとトリスタン様は笑う。
お前のその執着は、恐ろしく気持ち悪いものだ、と。
貴方がそれを言いますか、とは思うけど。俺が特別、レティを思っている事は事実だし。
「そもそもレティに言い寄ろうとするやつらをそれとなく排除してたのを俺は知ってる」
「え、なんだそれ。そんな面倒なことしてたのか、お前。うわぁ」
「それが、何か」
「手の込んだことしてたのも、知ってる」
「…………してましたけど?」
「うわー、開き直ってるな」
遠回しに、レティをいいなと思ってるやつがいると聞けば。そいつを好きと言ってる子を誘導してみたり。別にそんなのは手の込んだことは無いと思う。回りくどい事、ではあったと思うけど。
でもそれを知られていたのは、気付いてなかった。
「あー、でもこっちの学校でもさ! 友達から聞いたけど、近寄ろうとする女の子をさらーっとかわしてるって聞いてる。別にレティいないし見てないから、多少遊んでも」
「馬鹿かガブ。それができないから気持ち悪いほどなんだろ」
「あー……でも、テオドールさぁ、レティが初恋だろ? そのまま初恋一本でいいわけ?」
ガブリエル様は、他の女の子気になったりしないのと言う。
まったく、と答えるとこりゃ相当重症だと笑って。
「トリスタン、テオドールが義弟になるんだろ? それはどーよ」
「いや別に。面倒事を押し付けられるなとは思ってるけどな」
「……まぁ、それも許容範囲の内です」
「別に義弟だからってべたべた甘やかすわけでもないし、四六時中一緒ってことも無いし、今までと変わらんだろ」
それは、俺もそう思う。肩書が一つ増えるくらいだろうと。
会う機会は増えるだろうけど、まぁ別に。なんとも。
俺にレティと一緒にいる可能性を教えてくれた人に悪い気持ちは持ってないし。
感謝も、している。
している、けど。
「でも俺もお前がレティとどの辺まで進んでるかは気になる」
そうやって話を最初に戻す。
そういう所は、好きじゃない。
「で、どうなんだ? ほら、言ってみろ、おにーさまに」
「未来の義兄にほど言いたくないこともあります」
「聞いたか、未来の義兄ってもうそのつもりだぞ、こいつ。それに言いたくないってなんだ」
よっぽどえげつないことを考えているに違いないと煽ってくる。
スルーしよう。ここで反応すると面白がって余計、つついてくる。
「まだどうなるかわからないのになぁ。まぁ、そうなるには一歩近づいたんだろうけど」
「これが義弟になると楽はできるが油断はできないな」
別に何もしませんけど、と思う。
俺はレティと一緒にいれたらそれで十分。それ以外は望まない。
そうするための努力は、惜しまないのだけれど。
「安心しろ、トリスタン。そっちに帰るまでに初体験は、俺がさせておく!」
「必要ありません……」
「あ、やっぱりテオドールは初めては好きな子思想だ。やばいやばい、こじらせてる」
こじらせてる、とは。それはもうとっくに、だ。
このふたり、何言ってもからかいたくて仕方ないんだろうなぁと俺はため息を零した。
延々といじられてるテオ。
ガブさんとお兄様は、これお酒はいってると思います。
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