吟遊詩人の奏でるヴィオロンの音は、雪降る王都に消えていく。
雪の降る夕方のことだった。伯爵令嬢ベアトリスが王都の街を後にしようとしたとき、街道の脇で一人の吟遊詩人が儚げにヴィオロンを弾いていた。彼の紡ぎ出す美しいメロディーには暗い理由があった。ベアトリスは足を止め、ヴィオロンを弾き続ける吟遊詩人に話しかける。
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感嘆しました。先生の作品はライトノベルもまた文学小説足りえると私に教えて下さいました。
優れた作品は、その紡がれた言葉が読み手の心の中に連続する絵画を与えてしまうのではないでしょうか。私の中では吟遊詩人とご令嬢の絵姿を頂きました。悴む手すら暖かい…。先生、これからも作品を産み出してください。昔読んだアメリカやフランスの短編小説の匂いがする先生の作品が大好きです。
かずちゃん様
感想ありがとうございます。
心が温かくなりました。
ライトノベルも文学小説も、同じ物語作品です。
かずちゃん様のような感性を持つ方がこの世界にいらっしゃること、そして私の作品を通じてかずちゃん様に出会えたことに感謝します。
これからも様々な作品を産み出せるよう、励んでいきます。
どうか応援のほどよろしくお願い致します。
Hibah