俺の名前は今日からポチです

ムーン

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かいぬしがいなくても、いち

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真尋でいる間、徐々に傷口が開いていく感覚がある。快楽に溺れているとその速度が遅くなって、慰められると少し閉じる。でも、もうほとんど開いた傷は慰められても快感に浸されても痛みを忘れられない。ポチになれば傷は消える、暗闇に閉じ込められでもしない限り真尋には戻らない。ポチになれば痛みは消える。

「……ユキ様、次は……何をすれば?」

頼むから早く弄んで。痛みと快感で真尋を隠して。

『んー? ポチに何させても直接は見れないしぃ、あんまり思い付かないんだよね。もういいかな、服着て別荘楽しみなよ』

雪兎の声が近くで聞こえて顔を上げれば、目の前に携帯端末があった。もういいと言いつつ通話を終わらせる気配はない、意地悪な笑顔で俺を見つめている。

「…………すいません。さっきの……おねだりなんです。何かして欲しいんです。ずっと会ってなくて寂しくて、虐めて欲しくてたまらないんです」

『ずっとって……そんな長い時間じゃないでしょ? 寂しいなんて言っちゃ雪風可哀想だよ、ポチのこと好きなんだからさー? あははっ』

「お願いっ、早く……虐めて」

『ふふ……そんなに言うなら仕方ないなぁ。ちょっと酷いやつだから、あんまり長くするのは可哀想かなって、今日の夜からやらせるつもりだったんだけど……今からやる? 僕、明日の朝くらいにそっち着くと思うから、その時までってなるとかなりキツいと思うなぁ。どうする?』

これは試しではなく本当の質問だ。雪兎の基準で本当にキツいのだ。

「しますっ……! させてください。何するんですか?」

そうと分かればやらない手はない。快楽で壊れかけるくらいじゃないと、真尋の傷がポチになっている間に塞がり切らない。

『じゃあ、アレ持ってきて』

使用人が携帯端末の画面を自分の方に向ける。

「アレとは?」

『だから……あの、強制連続絶頂機カッコ男女兼用カッコトジル、スリー……あと縄とローションも』

男子専用でブイなら使われた経験がある。アレは確か電気刺激で快楽を押し付けられる機械だった。男女兼用で、スリー……全く予想がつかないな。

「少々お待ちください」

使用人が携帯端末を俺の顔の前に置いて部屋を去る。俺は携帯端末を持ち、正座して使用人を待つ。

「どんなやつなんですか?」

『見てのお楽しみ』

くすくすと笑う雪兎を見ているだけで時間を潰せる。自然と俺も笑顔になっていると、肩に雪風が顎を乗せた。

「俺の息子可愛いよな」

「全面的に同意します」

『ちょっと雪風! ポチにベタベタしないでよ!』

「んー? ベタベタって何だ? こうか?」

反対側の肩に腕が乗り、頬をむにむにと摘まれる。雪兎ならともかく俺の頬を触っても面白くないと思うのだが。

「この雌犬も俺の息子には変わりないんだし、息子として可愛がる分には問題ないだろ?」

『……まぁ、そのくらいならいいけど』

「来たら頬っぺた吸い倒してやるからな、ユキー?」

「俺もやりたい」

「じゃあお前左な」

やめろと喚く雪兎を横目にもちふわ触感の頬をどう楽しむかをわざとらしく話していると、使用人が帰ってきた。彼が持った箱の上面には男性器を模した玩具が見える。

「えぇと、ポチさん。こちらに跨ってください」

床に置かれた機械をよく見れば、箱の上面には穴が空いていてそこから男性器を模した玩具が飛び出していると分かる。機械の内部に隠れた部分もありそうだ。これはまさか俗に言う方のピストン的なアレでは……

「えっと、これ、入れるんですか?」

『当たり前じゃん』

「……い、いや、この太さはちょっと急には」

『分かってるよ? だからローション持ってきてもらったんだ。さ、ポチ。そのローション使って準備しようね』

使用人が俺にローションを渡し、携帯端末のカメラに拾われない位置で親指を立ててきた。なんかムカつく。溶鉱炉に沈めてやろうか。

「撮っていい?」

『後で送ってね』

「えっ……!?」

まさか許可するとは思っていなかった。雪風は自身の携帯端末を構え、雪兎と同じ意地悪な笑顔を浮かべ、俺に手を振った。
百歩、いや一万歩譲って雪風はいい、しかし使用人に見られるのだけは一那由多だろうと譲れない。しかしそれを強要されるのがペットの興奮するところ、羞恥プレイは好きではないが、雪兎に強要されると思えばゾクゾクする。
俺は膝立ちになって機械を跨ぎ、ローションの蓋を開けた。
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