自由のアリア~厄介者ばかり引き当てる〈ババ抜き〉女冒険者と、ジョーカーの使い方~
「元の自分は、もういない——今の俺はれっきとした、ただの冒険者だ」
過去を捨て、辺境の鉱山街ファルメルに流れ着いた、銀等級女冒険者アリア・ロアン。
静かに依頼をこなして金を稼ごうと思っていた彼女に押し付けられたのは、ギルドきっての厄介者の同行依頼だった。
曰く、一言も喋らず、ひたすら飯を食らい、味方ごと吹き飛ばす規格外の魔法を放つという問題児。
渋々引き受けた鉱山洞窟の調査は、見たことのない変異体との死闘へと変わり——。
やっと一息つけると思ったら、今度は空から少女が降ってきて…。神業弓使いキザ男に呪われ体質の女に……。
気がつくと周りには、どこか欠け、ズレた厄介者ばかり。
自由を求めていたはずが、次々と新たな不自由に縛られていく。
せめて、今日よりもちょっとだけマシな明日のために。
だれか、彼女に胃薬をあげてください。
笑って、泣いて、怒って、また笑う。
クソボケたちもやるときはキッチリ決めてくれる…ハズ!
感情のシートベルトを用意して読んでください。
ストレスフルでハートフルなハイファンタジー。『自由のアリア』是非ご一読ください!
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第一部(十章)完結済み(約40万字)。
現在、第二部(十一章~)相当部分を執筆中です。
『自由のアリア』、タイトルの時点では綺麗めな冒険ファンタジーかな?と思って読み始めたんですが、中身はかなり良い意味で泥臭くて、めちゃくちゃ人間くさい作品でした。
まずアリアが良いです。強くて口が悪くて、でも面倒見がよくて、本人は絶対に認めなさそうなところまで含めて好きになります。自由を求めているはずなのに、仲間が増えるほどどんどん不自由になっていく感じが本当にたまりません。本人は「なんで俺がこんな目に」みたいな顔をしているのに、結局ちゃんと背負ってしまうところが、もう完全に好きになるしかないやつです。
コメディの軽さと、過去や立場が絡んだ重さの落差が個人的に特に好きです。普段はバカみたいな掛け合いに明るく読んでいたのに、急に心臓を掴んできたりします。
あと戦闘も好きです。単に強い技を撃って勝つというより、状況判断、相性、地形、道具、仲間との噛み合いで突破していく感じがあって、読んでいてちゃんと冒険者をしている実感があります。危機に対して「どうする?」を考える楽しさがあるので、戦闘シーンでも置いていかれません。
この作品の好きなところは、キャラが増えるほど物語が散らかるんじゃなくて、むしろアリアの輪郭がどんどん濃くなっていくところです。厄介者ばかり引き当てているようで、でもその厄介者たちがアリアを少しずつ変えていく。本人は絶対に嫌そうな顔をするだろうけど、その変化が読者としてはめちゃくちゃ嬉しいです。
タイトルにある「自由」が、ただ気ままに生きることじゃなくて、過去や責任や仲間との関係まで含めて問い直されていくのが本当に良いです。
口の悪い女冒険者と、厄介すぎる仲間たちのドタバタ冒険譚……と思わせておいて、じわじわ熱いものを食らわせてくる作品でした。
続きも追います。〈ジョーカー〉、本当にずっと見ていたいパーティです。