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20、聖婚
破瓜*
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「アデライード……愛しい人……ああやっと……手に入る……」
恭親王はそう呟き、ようやく目にできた彼女の双の乳房に、彼の心は歓喜に震える。自分はこの瞬間のために生きてきたんじゃないかとすら、思う。この歓喜を味わうために、彼はどれほどの誘惑にかられようとも、胸は見るまいと思って耐えてきたのだ。
真っ白で、いかにも柔らかそうな、二つの白い丘――大きさも形も、彼が夢見た理想の乳房そのものだった。それが誰にも踏み荒らされていない未知の雪原のごとく目前に現れ、恐れと恥じらいに震えている。
(そう、この、大きすぎないのがいいのだ――)
実は、彼は巨乳が苦手だった。初めて彼の貞操を奪った閨女がものすごい巨乳だったのだ。故に彼は小さめの胸を好んだが、絶壁のようなのは物悲しい。やはり、ある程度の柔らかさは保ちつつ、大きすぎず、かつ美しいのが理想だ。その変なこだわりを乳房に持ちすぎているゆえに、アデライードの胸も敢えて見なかったのだが、だが、どこか心の中に予感があった。これは、絶対に理想の胸に違いない――アデライードの胸であると言う時点で、それは彼の理想なのだけれど。
恐る恐る触れてみる、その吸い付くような手触り。柔らかいのは知っていたが、服の上からでは味わう弾力も段違い。全てが彼を夢中にさせた。触れていると、丘の頂きにある小さな蕾は固く立ち上がり、色味を増して彼を誘っている。思わず口に含むとアデライードが息を飲むのがわかった。つるんと口から出すと、彼の唾液でぬらぬらと光っている。彼に視られ、触れられ、吸われて、初めてのことにただ震えている。アデライードはまだ、ここからの刺激を快楽としては拾えないのだろう。そう、これから、誰も足を踏み入れない雪原の処女雪を踏み荒らし、彼が足跡を残すのだ。
(なんと清らかな―――。まるで、霊峰プルミンテルンの万年雪のようだ―――)
恭親王は二つの乳房の愛撫に没頭した。刺激を受けて固く立ち上がった乳首を指でつまみ、捩じり、引っ張り、口に含んで吸って、舐めしゃぶり、舌で転がし、甘噛みして――。真っ白い肌に淫らな口づけの痕が花のように散っていく。次第にアデライードが快楽も拾うようになり、甘い喘ぎ声を上げはじめると、その声が一層男を興奮させた。
そうなってしまうと、もう、彼は止まらなかった。か細いアデライードの身体をかき抱いて、ありとあらゆる場所を指で辿って口づけを落とし、印を刻んでいく。聖なるものを犯すという恐れも躊躇いも、目の前に投げ出された魅惑的な身体の前では木っ端みじんに吹き飛んでいた。ただこの身体を征服し、彼女を自らで穿ち、その中に精を注ぎ込み、彼女の全てを自分の色に染めることで、頭がいっぱいになっていた。
「ああっ……それっ、やあっ……」
とうとう彼の唇がアデライードの秘所に至り、すでに濡れそぼっていたそこに舌で分け入る。零れる蜜を舐めとると、脳髄を甘い〈王気〉の刺激が貫く。
(甘い――脳が溶けそうだ)
滑らかな太股を両手で押さえ尻を抱え込むようにしながら、蜜で光る花弁を舐め上げる。舌で器用に包皮を剥くようにしながら、赤く立ち上がりかけた陰芽を舐め、舌で転がして吸う。強烈な刺激に、アデライードの腰が跳ねる。
「やあっ、あああっ、だっだめぇっ、ああっ、はあっ、ああああっ」
アデライードの甘い声が彼の耳朶を打つ。両手を彼の頭に回し、じたばたと脚を動かし、腰を捩って、懸命に逃れようとするが、むしろ強請っているようにすら、男には感じらた。
これまで、女に口淫はさせこそすれ、自分で口淫するようなことはほとんどなかった。彼の身分で、彼の立場で、そこまで女に奉仕してやる義理はない。だが、アデライードのこの場所はいくら舐めても舐め足りなかった。彼自身、アデライードへの口淫に耽溺する自分に驚いていた。
(はあっ、甘い、甘い――)
舌を蜜口に差し入れ溢れる蜜を吸う。花芽を舌で愛撫しながら、長い指を一本、挿しいれる。狭い。拡げるように内部を探り、ゆっくり抜き差しする。
「はあっ、やっ、あっ、あっ、ああっ、あっあっ」
少し身体を起こし、アデライードの様子を見る。白金の髪が敷布の上で乱れ、額には汗で髪が貼りついている。肌が上気して桃色に染まり、翡翠色の瞳は潤んでとろんとしている。唇は半開きになって、甘い喘ぎ声をひっきりなしに上げる。首をいやいやするように盛んに振って、両手で敷布を握りしめて快感に耐えている。汗ばんだ胸の谷間や、うねる白い肢体に、どうしようもないほどの欲情を駆り立てられ、男は手の動きを速めて、内部を探り、アデライードの感じる場所を暴き立てた。
「ここ……だね?ほら、一度イくか?」
「や、あああっ、あああっ、ああっ、あっあっああ――――っ」
淫らな水音を立てて内部を掻き回し、敏感な個所を擦りながら、秘所に顔を近づけて再び陰芽を咥えて吸えば、アデライードは白い喉を反らし、背中を反らし、脚の爪先までピンと伸ばすようにして、達した。達して溢れてきた蜜を舐めとろうとまた脚の間に顔を寄せ、容赦なく舌を這わせれば、達して敏感になったところをさらに刺激されるのは辛いのか、アデライードの腰が思いっきり逃げようとする。
「やめっ、あああっ、まっ、今はっ、だっだめっ」
このままいつまででも舐め続けそうな、偏執的な自分に気づき、恭親王は口淫を諦めてアデライードの征服にかかる。身体を起こし、すでにガチガチに勃ち上がった肉楔をアデライードの蜜口に宛がう。
「アデライード、そろそろ、挿れるぞ……」
「あ……や、無理、あんなの……」
アデライードも指とは違う、硬く、熱いものを感じて、起き上がろうと肘をつくが、男はその前にアデライードの両膝の裏に近い太ももを掴んで、ゆっくりと肉楔を打ち込んでいった。
ほんの先端部分を埋めただけで、強烈な〈王気〉が彼の雄茎に流れ込んでくる。
(これは……挿れた瞬間に出そう……)
しかし、仮にもそんな不甲斐ない有様、東の皇族としての沽券に関わる。気持を強く持って、さらに分け入ろうとするが、指と舌で散々に解し、十分に蕩かしたつもりでも、処女の守りは固い。
(狭い……喰いちぎられる……)
奥歯を噛みしめ、焦れる心を宥めながら彼女の中にゆっくりと侵入を試みる。アデライードが苦しそうに息を詰めた。絡みつく狭い隘路の熱さと柔らかさ、そして狂気のように彼の中に流れ込んでくるアデライードの〈王気〉。
「アデライード……すまない、我慢、できそうも、ない……一気に挿れる」
「あっやあっ、い、痛いっ、まっ、止め……」
「無理……とめられ、ない……」
彼はそのまま一気に最奥まで貫いた。アデライードが、破瓜の痛みに悲鳴をあげる。その瞬間。
パリン。
どこかで、彼女を封じていたものが、弾け飛ぶ音ならぬ音が響いた。と――それまで封じられていたアデライードの魔力が、一気に〈王気〉となってアデライードの体内を駆け抜け、それはそのまま、彼女の最奥で繋がった彼をも直撃した。
恭親王はそう呟き、ようやく目にできた彼女の双の乳房に、彼の心は歓喜に震える。自分はこの瞬間のために生きてきたんじゃないかとすら、思う。この歓喜を味わうために、彼はどれほどの誘惑にかられようとも、胸は見るまいと思って耐えてきたのだ。
真っ白で、いかにも柔らかそうな、二つの白い丘――大きさも形も、彼が夢見た理想の乳房そのものだった。それが誰にも踏み荒らされていない未知の雪原のごとく目前に現れ、恐れと恥じらいに震えている。
(そう、この、大きすぎないのがいいのだ――)
実は、彼は巨乳が苦手だった。初めて彼の貞操を奪った閨女がものすごい巨乳だったのだ。故に彼は小さめの胸を好んだが、絶壁のようなのは物悲しい。やはり、ある程度の柔らかさは保ちつつ、大きすぎず、かつ美しいのが理想だ。その変なこだわりを乳房に持ちすぎているゆえに、アデライードの胸も敢えて見なかったのだが、だが、どこか心の中に予感があった。これは、絶対に理想の胸に違いない――アデライードの胸であると言う時点で、それは彼の理想なのだけれど。
恐る恐る触れてみる、その吸い付くような手触り。柔らかいのは知っていたが、服の上からでは味わう弾力も段違い。全てが彼を夢中にさせた。触れていると、丘の頂きにある小さな蕾は固く立ち上がり、色味を増して彼を誘っている。思わず口に含むとアデライードが息を飲むのがわかった。つるんと口から出すと、彼の唾液でぬらぬらと光っている。彼に視られ、触れられ、吸われて、初めてのことにただ震えている。アデライードはまだ、ここからの刺激を快楽としては拾えないのだろう。そう、これから、誰も足を踏み入れない雪原の処女雪を踏み荒らし、彼が足跡を残すのだ。
(なんと清らかな―――。まるで、霊峰プルミンテルンの万年雪のようだ―――)
恭親王は二つの乳房の愛撫に没頭した。刺激を受けて固く立ち上がった乳首を指でつまみ、捩じり、引っ張り、口に含んで吸って、舐めしゃぶり、舌で転がし、甘噛みして――。真っ白い肌に淫らな口づけの痕が花のように散っていく。次第にアデライードが快楽も拾うようになり、甘い喘ぎ声を上げはじめると、その声が一層男を興奮させた。
そうなってしまうと、もう、彼は止まらなかった。か細いアデライードの身体をかき抱いて、ありとあらゆる場所を指で辿って口づけを落とし、印を刻んでいく。聖なるものを犯すという恐れも躊躇いも、目の前に投げ出された魅惑的な身体の前では木っ端みじんに吹き飛んでいた。ただこの身体を征服し、彼女を自らで穿ち、その中に精を注ぎ込み、彼女の全てを自分の色に染めることで、頭がいっぱいになっていた。
「ああっ……それっ、やあっ……」
とうとう彼の唇がアデライードの秘所に至り、すでに濡れそぼっていたそこに舌で分け入る。零れる蜜を舐めとると、脳髄を甘い〈王気〉の刺激が貫く。
(甘い――脳が溶けそうだ)
滑らかな太股を両手で押さえ尻を抱え込むようにしながら、蜜で光る花弁を舐め上げる。舌で器用に包皮を剥くようにしながら、赤く立ち上がりかけた陰芽を舐め、舌で転がして吸う。強烈な刺激に、アデライードの腰が跳ねる。
「やあっ、あああっ、だっだめぇっ、ああっ、はあっ、ああああっ」
アデライードの甘い声が彼の耳朶を打つ。両手を彼の頭に回し、じたばたと脚を動かし、腰を捩って、懸命に逃れようとするが、むしろ強請っているようにすら、男には感じらた。
これまで、女に口淫はさせこそすれ、自分で口淫するようなことはほとんどなかった。彼の身分で、彼の立場で、そこまで女に奉仕してやる義理はない。だが、アデライードのこの場所はいくら舐めても舐め足りなかった。彼自身、アデライードへの口淫に耽溺する自分に驚いていた。
(はあっ、甘い、甘い――)
舌を蜜口に差し入れ溢れる蜜を吸う。花芽を舌で愛撫しながら、長い指を一本、挿しいれる。狭い。拡げるように内部を探り、ゆっくり抜き差しする。
「はあっ、やっ、あっ、あっ、ああっ、あっあっ」
少し身体を起こし、アデライードの様子を見る。白金の髪が敷布の上で乱れ、額には汗で髪が貼りついている。肌が上気して桃色に染まり、翡翠色の瞳は潤んでとろんとしている。唇は半開きになって、甘い喘ぎ声をひっきりなしに上げる。首をいやいやするように盛んに振って、両手で敷布を握りしめて快感に耐えている。汗ばんだ胸の谷間や、うねる白い肢体に、どうしようもないほどの欲情を駆り立てられ、男は手の動きを速めて、内部を探り、アデライードの感じる場所を暴き立てた。
「ここ……だね?ほら、一度イくか?」
「や、あああっ、あああっ、ああっ、あっあっああ――――っ」
淫らな水音を立てて内部を掻き回し、敏感な個所を擦りながら、秘所に顔を近づけて再び陰芽を咥えて吸えば、アデライードは白い喉を反らし、背中を反らし、脚の爪先までピンと伸ばすようにして、達した。達して溢れてきた蜜を舐めとろうとまた脚の間に顔を寄せ、容赦なく舌を這わせれば、達して敏感になったところをさらに刺激されるのは辛いのか、アデライードの腰が思いっきり逃げようとする。
「やめっ、あああっ、まっ、今はっ、だっだめっ」
このままいつまででも舐め続けそうな、偏執的な自分に気づき、恭親王は口淫を諦めてアデライードの征服にかかる。身体を起こし、すでにガチガチに勃ち上がった肉楔をアデライードの蜜口に宛がう。
「アデライード、そろそろ、挿れるぞ……」
「あ……や、無理、あんなの……」
アデライードも指とは違う、硬く、熱いものを感じて、起き上がろうと肘をつくが、男はその前にアデライードの両膝の裏に近い太ももを掴んで、ゆっくりと肉楔を打ち込んでいった。
ほんの先端部分を埋めただけで、強烈な〈王気〉が彼の雄茎に流れ込んでくる。
(これは……挿れた瞬間に出そう……)
しかし、仮にもそんな不甲斐ない有様、東の皇族としての沽券に関わる。気持を強く持って、さらに分け入ろうとするが、指と舌で散々に解し、十分に蕩かしたつもりでも、処女の守りは固い。
(狭い……喰いちぎられる……)
奥歯を噛みしめ、焦れる心を宥めながら彼女の中にゆっくりと侵入を試みる。アデライードが苦しそうに息を詰めた。絡みつく狭い隘路の熱さと柔らかさ、そして狂気のように彼の中に流れ込んでくるアデライードの〈王気〉。
「アデライード……すまない、我慢、できそうも、ない……一気に挿れる」
「あっやあっ、い、痛いっ、まっ、止め……」
「無理……とめられ、ない……」
彼はそのまま一気に最奥まで貫いた。アデライードが、破瓜の痛みに悲鳴をあげる。その瞬間。
パリン。
どこかで、彼女を封じていたものが、弾け飛ぶ音ならぬ音が響いた。と――それまで封じられていたアデライードの魔力が、一気に〈王気〉となってアデライードの体内を駆け抜け、それはそのまま、彼女の最奥で繋がった彼をも直撃した。
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