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お仕事交換ですか?

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はぁ……


あの後王子様から一通りの説明を受けたのはいいんだけど…

とんでもない事だらけと言うか、お風呂のお世話もしないといけないなんて聞いてない!

昨日は私が寝ちゃったから男性執事の人に頼んだらしいんだけど、本当は侍女の役目らしい

でもそんなのした事ないし、前世で小さい頃にパパと一緒に入って背中洗ってあげたぐらいしか経験がない


した事ないので無理です!
他の方に頼んでください!

って言ったら…


“私が手取り足取り教えてあげるよ”


なんて、今までにないくらいにキラキラの王子様スマイルで言われました


それでも、本当に無理です!

って言おうとしたら…


“まさか私の教えを断るなんてマナはしないよね”


と、有無を言わせない圧をかけてきて、とても断れる雰囲気じゃなかった


うぅ…
今日の夜が不安だな…


なんて思いながら、お仕事中の王子様のお茶汲みを準備していると


ドンッ


「きゃっ!?」


いきなり肩に衝撃が走る

見ると、一緒にクロムハート家から派遣されてきた
馬車で私を叩こうとした、赤毛とそばかすがトレードマークの女の人がいた


「邪魔!」

「す、すみません…」


かなり端っこでお湯が沸くのを待ってたんだけど…
そんなに邪魔だったかな…?


どうやら彼女はお皿を洗いに来たらしい
ガチャガチャと割れそうなほどの音を立てて洗っている


「大体なんで私が王妃様の下で働いて、あんたが王太子様の所なわけ?
普通逆でしょ?」


あ、なるほど…
王子様が言ってた1人は母上の下にって、この赤毛の人の事だったんだ


「王妃様の所で働けるのも十分凄いと思いますけど…」


だって王妃様と言えばこの国の女性のトップなんだから、その人の元で働けるのも十分名誉な事だと思う


「はぁ!?
あんたって本当に嫌味なやつね…」

「え…?」


な、なんで?
私嫌味なんて言ったつもりなかったんですが!?


「そんなに言うならその仕事かわりなさいよ!」


「え……」


そりゃかわれるものならかわってほしいですけど…


「私がそれ持っていってあげるついでに王太子様に直談判するわ
あんたはそこにあるゴミ出ししてきなさいよ!」

「は、はぁ…」


ん~
なんかよく分かんないけど、仕事をかわってもらえるならそっちのがいいかも!
王子様のお風呂のお世話とか色々不安だったし!
王妃様の方が女性同士だし、何かと楽な気がする


「あ、そのゴミは東の森に捨てるのよ」

「東の森…?」


そこどこだろう…?


「あら、あんた知らないんだ…」


クスッと鼻で笑われた


「外に出て右手をずーっと奥に進めばわかるわよ」

「はい…」


なんかよく分かんないけど、行けば分かるのかな?


とりあえずゴミ袋を両手に持って、東の森に行く事にした


「もう帰って来れないかもね…」


扉を出て行く際に彼女がボソッとそんな事を呟いていたなんて、私には全く聞こえていなかった







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