『役立たずの帳付け女』と婚約破棄されましたが、辺境の監査官様は私の帳簿を一頁も手放してくれません
子爵家の嫡男ジルガの婚約者として、七年間、無給で帳簿をつけ続けてきたネイラ・ヴァスティ。
けれど秋の夜会の夜、その帳簿は「数字を書き写すだけなら下働きにだってできる」と暖炉へ投げ込まれ、婚約は解消された。
――燃えたのは、紙だけだ。
職業紹介院で紹介された勤め先は、北西監査局。
待っていたのは、机に砂糖菓子の瓶を置いた胡散臭い局長代理、ザフィル・オルゼだった。
「十分も要りません。私が三か月探していた人ですから」
彼が追っていたのは、元婚約者の領地を含む六つの領地で起きている、不自然な「鼠害」の数字。
残業は止められ、食事は運ばれ、気づけば住まいまで彼の官舎へ。
それでも彼は、仕事の判断だけは、いつもネイラに返してきた。
役立たずと捨てられた帳付け女が、自分の技能で不正を暴き、人生の頁を自分で選び直していく異世界お仕事恋愛短編。
けれど秋の夜会の夜、その帳簿は「数字を書き写すだけなら下働きにだってできる」と暖炉へ投げ込まれ、婚約は解消された。
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