もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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431かまくらお城の中は、やっぱりお城と同じ?

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 中に入った途端、最初に入ったドラック達がすぐに止まったせいで、僕の前にいたフェニックのしっぽを踏んじゃいそうになった僕。踏みそうになった足を何とか止めて、しっぽは踏まないですんだんだけど。

 今度はそのまま、ツルッと前に転びそうになっちゃって。後ろにいたローリーが僕の洋服を咥えて、助けてくれました。ローリーにありがとうを言った後、すぐにみんなを見て、急に止まらないでってみんなに言ったよ。それから危ないでしょって。

「みにゃあ、ちょっ! あぶにゃ!」

 でも僕の言葉に誰も返事をしてくれなかったんだ。みんなまっすぐ前を見たまま、何も言わないの。もう! 本当に危ないんだよ! 踏んづけちゃったり、みんなで転ぶかもしれないし。

 もう1回注意しようとする僕。でもそんな僕を止めたのはミルクでした。ローリーに咥えられてブラブラしている僕の足を手でパシパシ叩いてきて。

『ジョーディ、見てなんだな!! 凄いんだな!! やっぱり中もお城なんだな!!』

 え? 何? ミルクに言われて僕も前を見ます。そしてすぐに僕もみんなと一緒になりました。それを見たまま固まる僕、かまくらの中がし~んとなります。怒っていた僕も静かになったからね。それだけビックリだったんだよ。

 そんな、少しの間黙っていた僕達。最初に話したのはポッケでした。そしてポッケが話したから、その後は一斉にみんなが話し始めて。

『凄い!! 外もお城で凄いって思ったけど、中も凄かった!!』

『うんうん! とっても凄いね!! パーティーの時みたいな天井!!』

『キラキラがいっぱい!! 全部がキラキラ!!』

『窓もキラキラなんだな!! 眩しくないキラキラ、綺麗なキラキラなんだな!』

『キラキラばっかりなの!! ホミュちゃん嬉しいなの!!』

『階段もあるぞ!! 2階がある?』

『そうかも、でも最初は1階から見ないと! 見るのいっぱい!』

「ちゃあ~!! きりゃあ~!! しゅよぉ!!」

 今のは、わぁ、キラキラ、凄い!!って言ったんだよ。

「あらあら、みんな目がキラキラね」

 お城かまくらの中は、とってもキラキラしていて、とっても綺麗で、そしてそして、全部が揃っていたんだ。

 ポッケの言った通り、外も中も凄いかまくら。それからドラックの言った通り、お誕生日会をしてもらった、お城のパーティー会場みたいに、固められた雪がキラキラしていて、床も壁もキラキラ。

 それからミルクの言った通り、窓も。えと、えと、何だっけ? 綺麗な窓のこと、何て言うんだっけ? 

「ま~ま、ま、ま! きりぇ、ま!」

「え?」

「ママ、ジョーディはあの綺麗な窓、何て言うか聞いてるんだよ。ね、ジョーディ」

「うっ!!」

 お兄ちゃん、正解!! 

「ああ、あの窓のことね。あれはステンドグラスよ」

 そうそう、それ! ステンドグラス。かまくらお城に、しっかりとステンドグラスの窓がついています。

 それに綺麗なキラキラは他にも。天井にシャンデリアが付いていて、光のキラキラに、雪のキラキラが合わさって、本当に綺麗なんだよ。そしてその光がステンドグラスに当たって、ステンドグラスもさらに綺麗になって。

 綺麗な物は今言った物だけじゃありません。かまくらお城の中には、僕達用の小さなテーブルと小さなイスが置いてあって、それもちゃんとキラキラの雪でできているんだ。

 イスのサイズはただ小さいだけじゃないんだよ。ちゃんとそれぞれ大きさが違う小さなイスで。イスの前、テーブルの上に紙が置いてあって、そこにはみんなの名前が。
 名前の所には、いつもお外でおやつを食べるときに使っている食器、お皿やコーヒーカップが置いてありました。

「今日のお昼ご飯とおやつは、ここで食べるのよ」

「ひ? おや?」

「そうよ。雪がたくさん積もると、街の色々な場所でかまくらを作って、その中で遊んだり、ご飯を食べたりするのよ」

「いろんな事するんだよ! 僕ね、街のかまくらにも遊びに行くんだ!」

 やっぱり僕の知ってるかまくらと同じ? テレビで見たかまくらも、中でご飯を食べたり遊んだりしていたはず。それにただ遊ぶだけじゃなくて、かまくらのホテルもあったような?

『ジョーディ! 早く中を探検しよう!』

『1階を探検したら、2階も探検しないと。早く色々やらないと、時間がなくなっちゃう!』

 そうだった! 考えている場合じゃないよ。かまくらお城を探検して、その後は中で遊んで、お昼ご飯を食べるでしょう。お昼寝でお家に戻って、お昼寝が終わったらまたここに戻ってきておやつ。それでその後はまたまた遊んで。

 やる事いっぱい、考えるのは後にして、まずはかまくらお城を探検しないとね。キラキラ綺麗な、とっても素敵なかまくらお城に、僕もみんなもドキドキが止まりません。

「ちゃ! くにょよぉ!!」

『『『わあぁぁぁっ!!』』』

 僕の掛け声に、みんなが一斉に走り始めました。もちろんローリーのぶらぶらから下ろしてもらった僕も、よちよちだけど走り始めて。そしてみんなが走り始めてすぐに。

「ちゃあぁぁぁ!?」

『わあぁぁぁっ!?』

『ぴよぉなのぉ!?』

 それはみんな、ほぼ同時でした。それぞれがツルッと、あっちにそっちに、お腹やお尻を雪に付けた状態で滑り始めたんだ。

 うん、みんな滑って転んだの。しかもそこまで勢い良く走れていたわけじゃないけど、少しは勢いのついていて、そのまま転んだからね。しかも転んだのは、固められた雪の上。みんな転んだ格好のまま、あっちにそっちに滑って行っちゃっったんだ。

 僕は近くにいたミルクの手を咄嗟に握って、2人でお腹を床につけた状態で、1回転するようにテーブルの方へ。

「ちゃらあぁぁぁ!?」

『止まらないんだな!?』
 
『まったくお前達は』

 と、急に止まった僕達。そしてあのぶらぶらが。
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