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210.落ちる!?

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「しゅにょー!! がんばりぇ!! ぶりょー!! がんばりぇ!!」

『みんな頑張れ!!』

『やっちゃえなの!!』

『お父さん、そこだよそこ!! 頑張って!!』

 ディアブナスにも負けない力で、スノーラ達が戦い始めてから少しして。僕達はずっとスノーラ達の応援をしています。もちろん部屋の中で戦ってくれているローレンスさんとアーティストさんも応援してるよ。

 そう、あれからコレイションが連れてきた黒ローブ達は、さっき最後の1人を倒して、全員やっつける事が出来ました。うんと、あのディアブナスが蘇らせちゃった黒ローブ達は完全に消して、他の普通の黒ローブも、色々な所に飛ばされたり、木に思いっきりぶつかって、そのまま動かなくなったり。
 
 またさっきみたいにディアブナスが蘇らせたら困るけど、今はディアブナスはそれどころじゃないからね。ディアブナスは強くなって変身したブローと、スノーラ達の攻撃で、そっちまで気を回していられないみたいだよ。
 それとね、さっきユイゴさんが、ほんの少しだけこっちに来てアーティストさんに、今のうちにコレイションを完全に仕留めるって言っていました。

 コレイションは今、着ている黒ローブはかなりボロボロの状態で、身体中傷だらけでこっちもボロボロ。左腕の怪我が酷いみたいで時々押さえながら戦っています。もう少しで倒せそうなんだよ。

「そっち、行かせるな!!」

「魔法で抑えろ!!」

 コレイションを囲うように、ユイゴさん達がどんどんコレイションに向かっていきます。ユイゴさん、とっても凄いんだよ。アーティストさんは弓の事を教えてくれた時、ユイゴさんは何でも出来て、自分よりも凄いって言ってたでしょう? それから本気を出したら攻撃が見えないって。

 本当にそうでした。今までだって凄かったはずなのに、さっきからもっと凄いの。気づいたらコレイションに弓が刺さっていて、アーティストさんがあの矢はユイゴさんが放った物って教えてくれたんだけど。

 その時ユイゴさんは少し前から剣を持っていて、弓を背中に背負っていました。それで矢がコレイションに刺さった時も背中に弓を背負っていたんだけど。一瞬で弓を取って矢を放ちまた背負ったって。それから背負った瞬間に、今度は風の魔法を放ちました。1秒かかってないんじゃない?ってくらいの早業なの。僕もルリ達も話しを聞いて拍手したよ。

 こんな感じで凄いユイゴさんと、ユイゴさん程じゃないけど、やっぱり素早く攻撃をするハイエルフさん達が、コレイションをだいぶ追い詰めています。

「ゆいごしゃん! がんばりぇ!!」

『弓攻撃だよ!!』

『見えない攻撃なの!!』

『魔法も頑張って!!』

 そんな応援している中、時々結界を破って入ってくる黒い物の攻撃や、元々もう結界の破られちゃってる所から入って来る黒い物の攻撃が、また部屋の中でうごうご動き回って。

 スノーラ達みんな一生懸命戦ってくれて、だいぶあっちを押してるけど。お屋敷に張ってくれた結界は今、かなりボロボロになっています。僕達の結界も、お屋敷の結界よりは大丈夫だけど結構ボロボロに。だからさっきよりも入ってくる量が増えて。
 ローレンスさんとアーティストさんでも消さなかった、とっても小さく分かれた黒い物を、僕達もしっかりとハリセンで消しています。

『レン! そっち!』

『パシッ!なの!!』

『パシィッ!!』

「ぱちぃ!!」

 しっかりとみんなで黒い物を消して、絶対に逃しません。それで動いてるからね喉が乾いちゃって、時々みんなでお茶をちゃちゃっと飲んで。そんな感じで僕達も頑張っています。

『…面倒な。ん? 何だこの感じ』

 と、その時、ディアブナスがお屋敷から少し離れて、街の中心の方を見ました。

『気のせいか? それにしても、あの子供のせいで面倒な事に。まぁ、もう少しだ。取り込んでしまえば問題はなくなる。が、少々面倒になってきたな。あ奴の方もそろそろ限界か。まったく我の力を取り入れておいて』

『…!? まずい!!』

 ディアブナスがブツブツ何か言ってたけど、僕達には聞こえなくて。でもブツブツ言うのをやめたら、ディアブナスが手をあげました。それと同じくらいにドラゴンお父さんが叫んで、スノーラやドラゴンお父さん、それからみんなが一気に僕達の方に戻ってこようとしたよ。
 コレイションの相手をしているユイゴさん達は、ディアブナスの方へ来ようとしたコレイションを何とか止めようとしていて。

 スノーラ達が結界の中へ入ろうとした瞬間、ドンッ!!と突き上げられるような、押しつぶされるような感じで、お屋敷全体が跳ね上がりました。それからミシミシって音が。何?って周りを見渡してからスノーラを見ます。スノーラ達の周りには黒いモヤモヤが。それがスノーラ達が結界の中へ入ろうするのを邪魔しているの。

「しゅにょー?」

 アーティストさんがボロボロの僕達の結界に、無理やり腕を入れて、僕の事を掴んでこうようとします。僕は無意識にルリとアイスを抱きしめていました。そんな僕達をドラちゃんが抱きしめてくれて。そして…。

 ミシミシミシッ! ゴガガガガッ!! ドガガガ、ガシャシャシャッ!! 

 色々な音が聞こえて、お屋敷が思いっきり揺れた後、僕は体が一瞬浮いた感じが。でもすぐに下に落ちている感覚がして。

「しゅにょー!!」

『レン!!』

『もうちょっと…、抜けた!! レン!!』

 目を瞑る僕。誰かが僕の腕を掴んで、それから肩に乗ってきて。僕達は…。

「しゅにょ!!」

「動いてはダメです!」

『レン! 僕が何とかするから!!』

 落ちてる。僕が覚えているのはそこまででした。
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