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221.ディアブナスの体から漏れる力
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「きじゅいちぇ、にゃい?」
『そう、気づいてないの』
『気づいてないなんて事ある? だって自分の力だよ? 普通の人間には分からないかもしれないけど、あいつはディアブナス。あれだけの力を持ってるんだから、自分の力の流れくらい分かるんじゃない?』
『確かにね。でも僕達が見えるだけで、本当はあいつも、もちろんスノーラ達も分からないくらいの、魔力が流れてるとしたら? ほら、僕達の近くにはおかしなレンがいるでしょう?』
みんなが僕を見てきます。だからブロー、おかしなレンって、何か本当におかしいみたいだから、その言い方やめてよ。僕はただのレンだよ。
「ぼく、りぇん。おかちいりぇん、ちがう!」
『あ、ごめんごめん。レンはレンだね。神様や女神様のせいでおかしい事になってるけど。それで話しを戻すけど…』
…ブロー、本当に分かってる? そのまま話しを進めるブロー。僕のそのおかしな魔力で、近くにいるルリ達だけが、あの薄い黒いモヤモヤ、あいつの漏れてる魔力を見れるとしたら?って。
本当だったら見えないくらい薄い力なのに、僕の力がみんなに影響して、みんなまで見えるようになっちゃったの。最初は僕だけが気がついていたでしょう? でもずっと一緒にいるうちに、みんなも見えるようになって。
だから他の人には、あの漏れている力は見えません。薄いって言っても僕達にはちゃんとに見える力。ただディアブナスにとっても、スノーラ達にとっても、気づかないほどの力。と、話していたらブローがニヤッと笑いました。
『だからあいつ、さっきから力が上昇しないで、ほぼ一定なんじゃないかな? 今まではスノーラ達が攻撃しても、もちろん攻撃は時々当たっていたけどさ。今ほどダメージを与えられていなくて…』
僕達がここへ戻ってくるまで、戻ってきてからも、スノーラ達は攻撃を強めて、ディアブナスにかなりのダメージを与えています。そのおかげでディアブナスは回復したり攻撃したり大忙し。
そしてその回復は2回とか3回とかじゃなくて。攻撃による怪我の頻度は、僕達が地下から登って来た時よりも増えて来ていて。そのせいでいままでも力が漏れていたかもしれないけど、さらに力が漏れる回数も増えて。
だから今までどんどん上がっていたディアブナスの力が、急に上がらなくなったのかもって。漏れている影響が出始めたって言いました。
『じゃあ、もっと怪我したら、もっと弱くなるなの?』
『それからもっと深い傷を負わせれば、もっとたくさん力が漏れるとか』
『うん、もしかするとね。ただやり過ぎるとあいつが気づく可能性もあるけど』
「いちどに、いぱい、にゃがしゅのめ?」
『うん、気づかれて、それの対策されちゃうと。でも、そもそも何であいつの力は漏れてるんだろうね?』
一旦お話し合いをやめて、みんなで向こうを見てみます。今はどこも大きな傷を負っていないディアブナス。ただお腹の横の所をユイゴさんか誰かに切られたみたいで、じっとその傷を見てみたら、やっぱりモヤモヤが出ていました。
また輪になって座る僕達。それからはどうやったら気づかれずに、もっと力を漏れさせる事ができるか考えました。一斉に攻撃してもらって、少しの力を色々な傷から漏れさせるとか、気づかれるのを覚悟で深い傷を負わせて、一気に力を出させるとか。
『それまではいつも通りに攻撃して、タイミングを見計らって最後の攻撃! みたいな感じで、一気に魔力を外に漏れさせられれば良いんだけどね。例えば魔法陣が完成してそれが発動するタイミングとかさ』
『うん、そうすればあいつは動けなくなるはずだし、力も抜けたまんま』
魔法陣。お兄ちゃん達が今頑張って描いてくれてる。きっともうすぐ、魔法陣を完成させて発動させてくれるよね。じゃあそれまでに、スノーラ達に今の僕達のお話しを伝えて。
でも今のスノーラ達をどうやって呼ぼうかな? 僕達は今、一応隠れてるし。アーティストさん呼ぶ? 本当はそれも見つかるかもしれないから、なるべくブローの気配が分からなくなる魔法がきれる、ギリギリまで使わない方が良いんだけど。う~ん。
今度はどうやって知らせるか、それのお話し合いを始めようとした時でした。向こうの方でちょっとだけ大きな音がして、見てみたらローレンスさんが、入ってきちゃった最後の魔獣を倒した所でした。
それからスノーラ達の方でも音がして、急いで見る僕達。そこには片腕片足がないコレイションが、脇腹と肩を噛まれているディアブナスに残っている腕を掴まれて、ぶら下がっている姿が。しかも今までで1番、どっちも傷の治りが悪くて。ディアブナスの肩の噛み跡は半分くらいしか治ってなくて、脇腹は全然治っていません。
『お父さん、もしかしたら毒を使ったかも。毒の魔法お父さん苦手で、中々成功しないんだけど、今それが成功して。ディアブナス毒のせいで、いつもよりも上手く魔法が使えてない? あの傷跡から出てる紫のブクブクしている物、あれ毒だと思う』
ドラゴンお父さん、毒の魔法なんて使えるんだね。とう言うか毒の魔法ってあるんだ。僕、光とか水とかなら分かるけど、毒は知らなかったよ。毒は薬?で使うと思ってた。
『今のうちに、みんなが一斉に攻撃したら。僕やっぱりアーティスト呼ぶよ。今しかチャンスないと思うんだ!』
『うん! それが良い!』
『すぐに呼ぶなの!』
みんなが頷いて、向こうの壁まで歩いて行こうとします。でもその時でした。ディアブナスの声がハッキリと聞こえて。
『そう、気づいてないの』
『気づいてないなんて事ある? だって自分の力だよ? 普通の人間には分からないかもしれないけど、あいつはディアブナス。あれだけの力を持ってるんだから、自分の力の流れくらい分かるんじゃない?』
『確かにね。でも僕達が見えるだけで、本当はあいつも、もちろんスノーラ達も分からないくらいの、魔力が流れてるとしたら? ほら、僕達の近くにはおかしなレンがいるでしょう?』
みんなが僕を見てきます。だからブロー、おかしなレンって、何か本当におかしいみたいだから、その言い方やめてよ。僕はただのレンだよ。
「ぼく、りぇん。おかちいりぇん、ちがう!」
『あ、ごめんごめん。レンはレンだね。神様や女神様のせいでおかしい事になってるけど。それで話しを戻すけど…』
…ブロー、本当に分かってる? そのまま話しを進めるブロー。僕のそのおかしな魔力で、近くにいるルリ達だけが、あの薄い黒いモヤモヤ、あいつの漏れてる魔力を見れるとしたら?って。
本当だったら見えないくらい薄い力なのに、僕の力がみんなに影響して、みんなまで見えるようになっちゃったの。最初は僕だけが気がついていたでしょう? でもずっと一緒にいるうちに、みんなも見えるようになって。
だから他の人には、あの漏れている力は見えません。薄いって言っても僕達にはちゃんとに見える力。ただディアブナスにとっても、スノーラ達にとっても、気づかないほどの力。と、話していたらブローがニヤッと笑いました。
『だからあいつ、さっきから力が上昇しないで、ほぼ一定なんじゃないかな? 今まではスノーラ達が攻撃しても、もちろん攻撃は時々当たっていたけどさ。今ほどダメージを与えられていなくて…』
僕達がここへ戻ってくるまで、戻ってきてからも、スノーラ達は攻撃を強めて、ディアブナスにかなりのダメージを与えています。そのおかげでディアブナスは回復したり攻撃したり大忙し。
そしてその回復は2回とか3回とかじゃなくて。攻撃による怪我の頻度は、僕達が地下から登って来た時よりも増えて来ていて。そのせいでいままでも力が漏れていたかもしれないけど、さらに力が漏れる回数も増えて。
だから今までどんどん上がっていたディアブナスの力が、急に上がらなくなったのかもって。漏れている影響が出始めたって言いました。
『じゃあ、もっと怪我したら、もっと弱くなるなの?』
『それからもっと深い傷を負わせれば、もっとたくさん力が漏れるとか』
『うん、もしかするとね。ただやり過ぎるとあいつが気づく可能性もあるけど』
「いちどに、いぱい、にゃがしゅのめ?」
『うん、気づかれて、それの対策されちゃうと。でも、そもそも何であいつの力は漏れてるんだろうね?』
一旦お話し合いをやめて、みんなで向こうを見てみます。今はどこも大きな傷を負っていないディアブナス。ただお腹の横の所をユイゴさんか誰かに切られたみたいで、じっとその傷を見てみたら、やっぱりモヤモヤが出ていました。
また輪になって座る僕達。それからはどうやったら気づかれずに、もっと力を漏れさせる事ができるか考えました。一斉に攻撃してもらって、少しの力を色々な傷から漏れさせるとか、気づかれるのを覚悟で深い傷を負わせて、一気に力を出させるとか。
『それまではいつも通りに攻撃して、タイミングを見計らって最後の攻撃! みたいな感じで、一気に魔力を外に漏れさせられれば良いんだけどね。例えば魔法陣が完成してそれが発動するタイミングとかさ』
『うん、そうすればあいつは動けなくなるはずだし、力も抜けたまんま』
魔法陣。お兄ちゃん達が今頑張って描いてくれてる。きっともうすぐ、魔法陣を完成させて発動させてくれるよね。じゃあそれまでに、スノーラ達に今の僕達のお話しを伝えて。
でも今のスノーラ達をどうやって呼ぼうかな? 僕達は今、一応隠れてるし。アーティストさん呼ぶ? 本当はそれも見つかるかもしれないから、なるべくブローの気配が分からなくなる魔法がきれる、ギリギリまで使わない方が良いんだけど。う~ん。
今度はどうやって知らせるか、それのお話し合いを始めようとした時でした。向こうの方でちょっとだけ大きな音がして、見てみたらローレンスさんが、入ってきちゃった最後の魔獣を倒した所でした。
それからスノーラ達の方でも音がして、急いで見る僕達。そこには片腕片足がないコレイションが、脇腹と肩を噛まれているディアブナスに残っている腕を掴まれて、ぶら下がっている姿が。しかも今までで1番、どっちも傷の治りが悪くて。ディアブナスの肩の噛み跡は半分くらいしか治ってなくて、脇腹は全然治っていません。
『お父さん、もしかしたら毒を使ったかも。毒の魔法お父さん苦手で、中々成功しないんだけど、今それが成功して。ディアブナス毒のせいで、いつもよりも上手く魔法が使えてない? あの傷跡から出てる紫のブクブクしている物、あれ毒だと思う』
ドラゴンお父さん、毒の魔法なんて使えるんだね。とう言うか毒の魔法ってあるんだ。僕、光とか水とかなら分かるけど、毒は知らなかったよ。毒は薬?で使うと思ってた。
『今のうちに、みんなが一斉に攻撃したら。僕やっぱりアーティスト呼ぶよ。今しかチャンスないと思うんだ!』
『うん! それが良い!』
『すぐに呼ぶなの!』
みんなが頷いて、向こうの壁まで歩いて行こうとします。でもその時でした。ディアブナスの声がハッキリと聞こえて。
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