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222.気づかないアーティストさん? ドラちゃん危ないよ

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『どうにもおかしい。が、これ以上長引かせるのも面倒だ。…今はあまりやりたくなかったが、出来ない事もない』

 何? 何の事? 出来ない事もない? と、ディアブナスの声が聞こえて、僕達は急いで壁のギリギリまで移動。そしてすぐにブローがちょっとだけお尻を出してフリフリ、フリフリはほとんど一瞬だったよ。だって見つかるといけないからね。でも今のでアーティストさん気づいたかな?

 もしかしたら気づいてないかも。ブローがそう言って、もう1回だけフリフリする事に。今みたいにささっとフリフリをしたブロー。僕達はすぐにあの向こうが見える壁の端っこまで戻りました。

 その間にもディアブナスの声は聞こえていて、それからコレイションの声も。

「ディアブナス様、私はこれ以上は足でまとに」

『先程から回復が間に合っていない。そしてここまで力が上がったが、それ以降上がらなくなってしまった。何かがおかしい』

「まさか奴等が何か?」

『そんな気配はしないが…。おい、お前を闇の者へと変えるぞ。そしてお前が奴等と戦っているうちに…』

『我等がじっとしているとでも?』

 今度はスノーラの声も聞こえて、また戦いに音が。でもそれはすぐに止まったんだ。見つからずに壁の端っこまでついた僕達。なかなかアーティストさんが来てくれないから、やっぱり気づいてないのかなって、みんなですぐに向こうを確認したんだけど。そこには…。

 ディアブナス達から少し離れた位置で止まっているスノーラ達と、相変わらず噛み跡が全然治っていないディアブナス。そして黒い炎?をまとっているコレイションがいました。そのコレイションの黒い炎がね、とっても禍々しくて。

 それにねいつに間にか、コレイションの体は元に戻っていました。腕も足も完璧に回復。しかもそれだけじゃなくて、ひとまわり体が大きくなったような? こうガッシリした感じになってるの。
 あとはスノーラ達を見つめている目が真っ黒で、顔も青白く、具合の悪そうな顔なのに、とっても怖い感じがします。

 手や足を動かすと、それと一緒にまとっている黒い炎も動いて。それから勝手に炎が向こうに飛んだり、あっちに飛んだり。それをみたユイゴさんがハイエルフさん達に、すぐに炎を消しに行けって叫ぼました。

「いいか! あれは魔法でしか消さない、光魔法を使え! 早くしないとすぐ全体に燃え広がるぞ!!」

 ハイエルフさん達がすぐに移動、光魔法を使って炎を消し始めました。あれ、絶対に悪い炎だよ。とっても嫌な感じがするの。

『炎も問題だけど、やっぱりアーティスト気づいてないみたい。どうしよう、さっきのあいつの話だと、力が漏れている事にやっぱり気づいていないみたいだよね。今のうちに伝えたいのに、あいつ変な事始めたからさ。何か嫌な予感がするよ』

『もう1回呼んでみる?』

『うん、その方が良いなの』

『と、移動する前に、ブロー。僕達の気配を消す魔法、あとどのくらい持ちそう?』

『あと少しは大丈夫。だから動くなら今なんだけど』

『じゃあ取り敢えずもう1回呼んでみて、ダメなら僕が行くよ』

 そう言ったドラちゃん。そんなのダメだよ、みんなでちゃんと隠れてなくちゃ。でもねドラちゃんは、この中で1番動けるのは僕だよって。お兄ちゃん達のおしをしました。

 魔法陣を描くために、動けたのはお兄ちゃん達だけ。だから今お兄ちゃん達はそれのために、頑張って動いてくれています。それと同じだって。
 ブローと僕はディアブナスに見つかったら、取り込まれちゃうかもしれなくて、そうなるときっともう、誰にもディアブナスは止められなくなります。だから出て行くのはダメ。ルリとアイスは動けるけど、ドラちゃんみたいにまだ強くなくて、出た瞬間にやられちゃうかもって。

『そうなると、動けるのは僕だけでしょう? 僕はまだ子供だけどドラゴンだからね。簡単にやられたりしないよ。それにお父さんの所まで行っちゃえば問題なし。さっき確かめてみたんだけど、かなり羽が動くようになって来たし、重い感じもしないから、今ならいつもとほとんど変わりなく飛べるはず』

『確かにドラの言う通りかも』

 でもやっぱり危ないよ。何とかアーティストさん呼べない? それかあそこにいるローレンスさんに何とか伝えるとか。

『僕もさっきから嫌な感じがするんだ。今までで1番嫌な感じ。だからなるべく早く色々やった方が良いよ。レン、ルリ達も、僕はみんなのお兄ちゃんなんだから、すぐにやられたりしないよ。だからもし、今度アーティストさんを呼べなかったら、僕が行くね』

 僕達はやっぱりまだ心配で、でも伝えるのは大切なこと。だから納得はしてなかったけど、うんって言うしかなくて。
 すぐにまた移動する僕達、そしてささっとお尻をフリフリするブロー。急いで戻って向こうの様子を確認。

 …コレイションがもっと凄い事になっていました。まとっていた黒い炎が大きくなっていて、それが人型に。コレイションの後ろにもう1人、大きな黒いコレイションがいるみたいになってたよ。

「ありぇ、め。じぇったいに、め!」

『うん、あれはダメ』

『気持ち悪いなの』

『やっぱり急いで知らせないと』

『アーティスト気づいた!?』

 みんなでアーティストさんを見ます。あっ、一瞬だけどアーティストさんがこっち見た! もしかして気づいてる? でもあのコレイションのせいで来られない?

『やっぱり僕が行った方が良いね。みんながいる場所が分かっちゃうといけないから、向こうの方から行くようにして…』

 話し始めた時、スノーラとドラゴンお父さん、それからユイゴさんが動いて。ディアブナスの体にさらに傷が増えました。バディーはコレイションがスノーラ達の方へ、行かないようにしていたんだけど。

『チッ、やはりおかしい。まさかあのガキが何かしたのか? この辺にいるのか?』

 僕達ビクッとしちゃったよ。大丈夫、まだ気づいてない、居るのかって言っただけ。だから大丈夫。

『…おい、やるぞ』

『ハッ!』

 今までに聞いたことのないコレイションの声が。そしてそれは起こったんだ。結局それで、ドラゴンちゃん1人で向こうに行かなくて良くなったんだけど。でも今までで1番大変な事が起きちゃって。

 僕達はまたハリセンを使う事になったんだよ。
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