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223.ディアブナスの新たな攻撃?

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 ディアブナス達の声が聞こえてすぐでした。ドンッ!! 本当にそんな感じで、上から何かにかが降って来たみたいにドンッ!!て、地面が揺れました。慌てて頭を手で覆って伏せる僕達。そんな僕達にドラちゃんが自分に毛布をかけながら、僕達にもかけてくれて。

 僕達は誰も何も話さないで、静かに毛布の中に隠れていました。毛布の中にいるから周りの音はよく聞こえないけど、それでもスノーラ達が戦っていたら、絶対に何かの音が聞こえるはずなのに、全く音がしません。みんなの息遣いだけが聞こえていています。

 いくら待っても何の反応もなくて、あんまりにも反応がないから、僕達の気のせい?なんて思っていたら、最初に声を出したのはドラちゃんでした。とっても小さな声で、ちょっと外を覗いてみるって。それでドラちゃんが良いって言うまで毛布の中に居てって言われた僕達。

 声を出さずにみんなが頷くと、すぐにドラちゃんは毛布を少しだけ持ち上げて、そこから外をキョロキョロ確認。最初は顔だけ毛布から出て次は体って、少しずつ毛布から出ていったよ。ドラちゃん気をつけて、僕はそう考えながら、ドラちゃんが呼んでくれるのを待ちました。

 ドラちゃんに呼ばれるのに、そんなに時間はかからなかったよ。

『みんなそっと出てきて。それから何を見ても声を出しちゃダメだよ。良い、絶対だよ。多分あれを見たら、みんな絶対ビックリするし、レン達はすぐにそっちに行こうって思うはず。僕だって本当は今、向こうへ行きたいから』
 
 え? 何? 向こうに何があるの? ドラちゃんがすぐに行きたいけど行けなくて、僕達もすぐに行きたくなる物が向こうにあるの? 僕だけじゃなくてルリ達も何?って顔してます。ブローは…、ちょっと怖い顔してました。

『もし今の僕の話しを聞いて、ダメだと思うなら、毛布をかぶってもう少し待ってて。僕がどうするか考えるまで』

 ダメ、ちゃんと見るよ。だってきっとそれは見なくちゃいけない物で、とっても大切な事なんでしょう? この時僕は思いました。スノーラ達に何かあったんじゃないかって。スノーラ達に何か悪い事があったんじゃないかって。
 どうするか考えるなら、僕達も一緒に考えるよ。だってスノーラ達のことだもん。

 僕達が力強く頷くと、ドラちゃんはニコッて笑って、みんなでそっと毛布から出ました。壁の向こうを見る前に、ちょっと周りを見たんだけど、さっきまでチラチラ見えていたローレンスさん達の姿が全然見えませんでした。ローレンスさん達だけじゃないの、使用人さん達やメイドさん達も見えなくて。ドキドキがもっとドキドキになります。

『良い、絶対に声を出しちゃダメだからね。行くのもダメ。約束だよ、僕が絶対にどうにかするから』

 みんなであの格好。アイスが1番下でブローが1番上ね。そしてみんなで一斉に向こうを確認した瞬間、僕は大きな声を出しそうになって、急いで戻って口を自分の手で塞ぎました。僕だけじゃありません。ルリもアイスも、見たら口を塞いでいました。

『あいつ、あんな傷を負ってるのに、しかもそれが全然回復してないのに、これだけの力を使うなんて』

 ブローが小さな声で蒼言いました。

 今僕達が見ている物。それは地面に倒れているスノーラ達の姿と、やっぱり向こうに倒れているコレイション、それから片足を地面について、ちょっと息を切らしているディアブナスの姿でした。

『レン、みんなも大丈夫、お父さんさん達はみんな生きてるよ。良く見て、体を動かそうとしているから。それにディアブナス達を睨みつけてる。ほら、レン。僕が一緒にいるから震えないで』
 
 僕、いつの間にか震えていたみたいです。ドラちゃんに深呼吸してゆっくり見てみてって言われて、言われた通りに深呼吸をする僕達。それからもう1回、しっかりスノーラ達を見てみます。

 そうしたらスノーラ達は、頭を上げようとしたり腕を動かそうとしたり、体全体を動かそうとしたり、みんなが動こうとしていました。それからみんな意識はしっかりしているみたいで、ドラちゃんの言った通りしっかりとした目つきで、みんながディアブナスを睨んでいます。

 ふぅ、良かった。スノーラ生きてた。ホッとする僕。体の震えが止まったよ。でも…、あれだけみんなしっかりとディアブナス達を見ているのに、どうして立ち上がれないの?

『さっきのドンッ!!って感じたあれ、たしかにあれはディアブナスの攻撃だった。ただあいつが感じている、スノーラ達の気配や、ローレンス達の気配。気配を感じた人間とか魔獣とかに効く攻撃なんじゃないかな? ほら見て』

 ブローが横を向いていて、下の方を良く見てって。すぐに横を確認する僕達。ん? 下の方に何かある? あれって…。

「みんにゃ、ちゃおれちぇる?」

『うん。ディアブナスは自分の力を使って、一気にみんなを動けないように、押しつぶしてる感じじゃないかな。コレイションの力も使ってね。さっきドンッ!って感じた時、僕街全体にあいつの力を感じたんだ。もしかしたら街の中の人や魔獣、ほとんどこの状況かも』

 街の人達みんな!? じゃあお兄ちゃん達も!! それにフィオーナさん達も、スレイブさんやダイルさん達も?

『僕達が潰されていないのは、気配を感じ取れなかったから。街の中にいる全員の気配を感じ取れているとは思わないけど。多分ほとんどそうだと思う』

 大変! どうしよう!! どうにかできない?

「みんにゃ、たしゅけりゅ。でも、どちよ」

『分かってる、力が漏れている事に気づかすに、これだけの力を使ったっんだ。今のあいつを見れば…。今のうちに何とかしなくちゃ』

 僕達はまたディアブナス達を見ました。
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