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248.魔法陣の中心に到着

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 どうしてこんな事に。何故ここまで邪魔が入る。毎度毎度あと少しと言うところで必ず邪魔が入る。何故だ、何故だ。ようやく長い眠りから覚めたと言うのに。
 許さんぞ、私はこのままでは終わらん。すぐにお前の体を奪って力を奪い、全てを消してやる。
 まだだ、私はまだやれる。封印の魔法はまだ完成はしていない。あの時のように、あいつはいないのだ。あの忌々しい勇者め。奴がいないのだから、まだチャンスはある。

 今はあの子供のふざけた武器で、少々動けなくなってしまっているがまだ動ける。コレイションに奴らの相手をさせておこう。子供は魔法陣の中心へ行ったようだ。それを止めながら体を手に入れれば、何も問題はない。

 早く動けるまで回復を、この辺り一体の悪を集めろ。世界で悪が消える事はない。必ずどこかに悪は集まり力を増幅させる。この世界の者達も自分達で私の力を増幅させているだけだと、いい加減理解しないのだろうか。

 私はその増幅した悪の力を自分の力にしているだけの事。文句を言われる筋合いはないのだ。今回も闇の精霊達を完璧に取り込まなくても復活ができたのは、この世界の者達の溜め込まれた悪の力が、かなり溜まっていたからだろう。

 そしてその悪の力のは、ここだけではない。この世界の至る所にまだまだあるのだ。ここに居る者達を全て消し去った後は、悪の力を集めながら進めば、私は更なる進化を遂げる事ができる。
 そのためにも、私の力の対応できるであろう、あの子供を必ず手に入れなければ。

 周りの様子を伺う。先程よりも視界が開けてきた、もう少しで動く事ができる。コレイションもさらに闇の力が体に馴染んできているようだ。そうだな、もし何かあれば、少しの間奴の体を借りても良いだろう。奴も私に使われると思えば、喜んで体を捧げるはずだ。

 もう少しだ、もう少しで…。

      *********

『あそこだな』

 スノーラが大きな木の上で止まりました。それからその隣の家の屋根にカースが止まって、アーティストさんがクルクルクルって宙返りしながら着地して。僕達思わず拍手しちゃったよ。だって少しもズレる事なく、ピタッ!!と着したんだもん。体操の選手みたいでカッコよかった。

 僕もアーティストさんまでとはいわないから、もう少ししっかり歩けるようにならないかな? こうね、頭が重いのか前のめりになるんだよ。それにすっすって歩くんじゃなくて、よちよちとととって感じなんだもん。

「しゅのー、まほじん、まんにゃか?」

『いや、魔法陣の真ん中はそっちだ。早く走りすぎていて通り過ぎるといけなかったから手前で降りた。カースも止まるのにここの方が良いと思ってな』

『そうだね、絶対通り過ぎるだろうからね。ここまで来るまでにも、ひさしぶりに本気を出して飛んだから、早く飛びすぎて何回か色んな所にぶつかったしね』

 え? 大丈夫なのそれ? 実はカースってスノーラよりも速く飛ぶ事ができるんだよね。それでその勢いで何かにぶつかったら、怪我するんじゃない? う~ん、見た感じカースは怪我してないし。お兄ちゃんをヒールしたら、カースもヒールしてあげようか?

『良し、ここからは普通に走るぞ』

 そう言ってすぐに走り出したスノーラ。向こうのちょっと開けている場所にみんなが居るみたいです。そこにはすぐに着いたよ。それでね、僕それを見てとっても慌てちゃいました。

 倒れているエイデンお兄ちゃん、そんなお兄ちゃんを抱えて、何かをしているフィオーナさん。2人の事を淡い光が包んでいます。
 それから少し離れた所に、大きな石が置いてあって、その石がとっても明るく光っていました。その周りにはブラックパンサー達が居て、他にも何人か人が居たよ。

 すぐにスノーラがケビンさん達の横に降りて、僕はフィオーナさん達の方に行こうとしすると、スノーラに待てって止めれちゃいました。早くお兄ちゃんにヒールをしなくちゃ。どうして倒れてるのか分からないけど、ヒールすればすぐに起きるよね。

「スノーラ、向こうは!?」

 アンジェさんがこっちに来ました。スノーラが向こうの状況をささっと説明します。そして話終わった時フィオーナさんが。

「そう、一応はディアブナスは止まっているのね。封印の魔法陣はエイデンのおかげね」

『ああ、エイデンのおかげだ。エイデンが自分の命をかけて発動させたおかげで、もう少しでディアブナスを封印する事ができる』

 え? 今スノーラ何て言ったの? エイデンお兄ちゃんが命をかけてって言わなかった? え? え?
 さらにあたふたする僕、それとルリ達。でもそんな僕達を置いて、スノーラ達は話しを進めます。

『向こうはエン達に任せてきた、ここからは我も魔法陣に力を流す』

『僕も流すけど、僕はいつでも動けるように、これだけには力を使えないからね。できる限りで手伝うよ』

「あなたは?」

『僕? 僕はカース、スノーラの友人だよ。スノーラが不甲斐ないから、ここまで手伝いに来たんだ。さ、話しはもう良いだろう? さっさと魔力を流そう』

『アーティスト、そのままレン達を見ていてくれるか』

『良いですよ。そのためにユイゴ様も私をこちらに』

『そうか。…レン』

 あっちを見てそっちを見て、あたふたしている僕に、そっとスノーラが話しかけてきました。

『レン、今から我が言う事をよく聞くんだ。とても大切な事を話す。レンに頼みたい事があるのだ』

 大切な話し、僕に頼みたい事? 僕はスノーラの真剣な表情に、少しだけ落ち着く事ができて、真っ直ぐにスノーラを見ました。
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