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269.誰かに文句を言う変なディアブナス
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それは僕が、上手くディアブナスを消せているか確認をしている時でした。何か変な感じがして。消した所だけじゃなくて、全体的にディアブナスを見てみました。
でもディアブナスは相変わらずユラユラ揺れているだけで、それ以外には何も変化は見られませんでした。もちろんディアブナス本体は、ちゃんと綺麗に丸く消せていたよ。
スノーラにどうした?って聞かれて、変な感じがしたって伝えたら、すぐに調べてくれたスノーラ。それからユイゴさんにアーティストさんが確認をしてくれたんだけど。やっぱりスノーラ達も、ディアブナスに変化が起きている様子はないって。
う~ん、何だろう? そう思いながらも僕はまた、ディアブナスをはたこうとしました。その時。
ディアブナスが突然大きな声を出しました。大きな声っていうか、今は力が弱っているからなのか、もともと張りがない声?で、時々僕に文句を付けてきてたんだけど。それでも今までよりは大きな声を出して。
『お前がここにいるわけはない。お前はあの時死んだはずだ!』
そう言ったんだ。はたこうとしていた僕は、思わず手を止めちゃってディアブナスを見ました。
お前? ここに居るわけがない、死んだはず? 何の事? それにディアブナスは僕の方を見ないでそれを言ったの。散々今までずっと、あの赤い目で僕を見てきていたのに。
それでよく分からない事を言った後のディアブナスは、あっちを見たりこっちを見たり、うんとね、今までで1番慌てている感じに。
変なディアブナス、本当にどうしたのかな? そう思ったのは僕だけじゃありません。
ぼけっとディアブナスを見ちゃってた僕に、やっぱり変な顔をしてディアブナスを見ているスノーラが、何だこいつはって、それから手を動かせって言ってきました。
ハッ!としてすぐにディアブナスをはたこうとした僕。そうしたらまた。
『何故お前が! 何処だ! 何処にいる!!』
今度はそう言ったの。僕はまたまた止まっちゃったよね。それからディアブナスは、まったく僕達の方を見なくなって。
『何処だ! 何処に居る!! ええい! 煩いぞ!!』
とか。
『煩いぞ! 私は私の世界を、今度こそ作るのだ!』
そうあちこちに向かって叫んだんだよ。煩いぞって、煩いのはディアブナスだよ。さっきから何を騒いでるのさ。叫んでいる途中ではたくのを再開したけど、気になっちゃうじゃん。
でもそんな騒いでいるディアブナスに、コレイションが声をかけました。少ないけど自分の力を使ってくれって言ったんだよ。それでコレイションの周りに少しだけ残っていた、黒い炎がディアブナスの方へと動いて。
慌ててドラゴンお父さん達がコレイションを魔法で抑えます。そう、段々と僕が小さくしたディアブナス、今はかなり小さくなっていて。
さっきまではディアブナスで向こうが見えなかったけど、今は向こう側がはっきり見えるまでに。それでコレイションがどんな状態なのか分かったの。
コレイションの黒い炎がディアブナスに移動し終わると、コレイションがガクンと頭を下げて動かなくなりました。目だけはじっとディアブナスを見ていたけど。それから小さな声でディアブナス様って、ずっと呟いていたよ。
ディアブナスの方は黒い炎を自分の中へ入れると、すぐに動こうとしました。もちろんここへ来たばかりのディアブナスみたいな動きじゃなくて、ゆっくりと横へずれようとしたんだよ。それで僕は思い切りディアブナスをはたきました。
「うごくにょ、めっ!!」
少しだけずれる事ができたディアブナスだったけど、僕にはたかれて元の位置に。コレイションの力を貰っても、やっぱり大した動きはできないみたいです。
それでも動いたことには変わらないから、さっきよりも早いスピードで、どんどんディアブナスをはたいていく僕。その間も少しでもずれようとするディアブナス。相変わらず誰かに向かって文句を言っています。
『ここから逃げようとしているのは変わりないが、あいつは存在が小さくなり過ぎて、頭でもおかしくなったのか?』
コレイションを押さえている、ドラゴンお父さんがそう言いました。
『そんな弱い奴ではないだろう』
『だがな誰もいない所に、先程からの叫んでいるのだぞ? お前だっておかしいと思うだろう』
『確かにな。しかしこちらを見ないのなら好都合だ。今のうちにレンに最後まで小さくしてもらおう』
スノーラ達が話している間も、そしてディアブナスの煩い叫びを聞きながらも、どんどんはたいていった僕。そしてついに。
「しゅのー、ちちゃ、にゃりゃにゃい」
僕の顔より少し大きいくらいまで、ディアブナスを小さくすると、それ以上はいくらはたいても、ディアブナスが小さくならなくなりました。
『レン、ありがとう。これが奴の、ディアブナスの本来の大きさなのだ。力を取り込む事で、今まであれだけの力を使い形を保っていたが』
僕、ディアブナスを1番小さくできたみたい、良かったぁ。後は封印するだけ? 僕は魔法陣を見ました。
『後はこの魔法陣にディアブナスが沈み、魔法陣がディアブナスを封印すれば、取り敢えず今の脅威はなくなる』
本当? やったぁ!! まだ油断はできないけれど、僕とルリ達みんなで、『やったぁ!!』のシャキーン!のポーズをしました。
『何処だ! 何処に居るんだ! 私の邪魔をするな!』
ディアブナスボールが地面に沈んでいきます。相変わらずゆっくりだけど。でもこれだけ小さくしたんだから、最初の大きい体の時よりは早く沈められるよね。
そしてこっちも相変わらずの、誰かに叫び続けている煩いディアブナス。ディアブナスが沈んでいる間にスノーラ達が話し始めました。
でもディアブナスは相変わらずユラユラ揺れているだけで、それ以外には何も変化は見られませんでした。もちろんディアブナス本体は、ちゃんと綺麗に丸く消せていたよ。
スノーラにどうした?って聞かれて、変な感じがしたって伝えたら、すぐに調べてくれたスノーラ。それからユイゴさんにアーティストさんが確認をしてくれたんだけど。やっぱりスノーラ達も、ディアブナスに変化が起きている様子はないって。
う~ん、何だろう? そう思いながらも僕はまた、ディアブナスをはたこうとしました。その時。
ディアブナスが突然大きな声を出しました。大きな声っていうか、今は力が弱っているからなのか、もともと張りがない声?で、時々僕に文句を付けてきてたんだけど。それでも今までよりは大きな声を出して。
『お前がここにいるわけはない。お前はあの時死んだはずだ!』
そう言ったんだ。はたこうとしていた僕は、思わず手を止めちゃってディアブナスを見ました。
お前? ここに居るわけがない、死んだはず? 何の事? それにディアブナスは僕の方を見ないでそれを言ったの。散々今までずっと、あの赤い目で僕を見てきていたのに。
それでよく分からない事を言った後のディアブナスは、あっちを見たりこっちを見たり、うんとね、今までで1番慌てている感じに。
変なディアブナス、本当にどうしたのかな? そう思ったのは僕だけじゃありません。
ぼけっとディアブナスを見ちゃってた僕に、やっぱり変な顔をしてディアブナスを見ているスノーラが、何だこいつはって、それから手を動かせって言ってきました。
ハッ!としてすぐにディアブナスをはたこうとした僕。そうしたらまた。
『何故お前が! 何処だ! 何処にいる!!』
今度はそう言ったの。僕はまたまた止まっちゃったよね。それからディアブナスは、まったく僕達の方を見なくなって。
『何処だ! 何処に居る!! ええい! 煩いぞ!!』
とか。
『煩いぞ! 私は私の世界を、今度こそ作るのだ!』
そうあちこちに向かって叫んだんだよ。煩いぞって、煩いのはディアブナスだよ。さっきから何を騒いでるのさ。叫んでいる途中ではたくのを再開したけど、気になっちゃうじゃん。
でもそんな騒いでいるディアブナスに、コレイションが声をかけました。少ないけど自分の力を使ってくれって言ったんだよ。それでコレイションの周りに少しだけ残っていた、黒い炎がディアブナスの方へと動いて。
慌ててドラゴンお父さん達がコレイションを魔法で抑えます。そう、段々と僕が小さくしたディアブナス、今はかなり小さくなっていて。
さっきまではディアブナスで向こうが見えなかったけど、今は向こう側がはっきり見えるまでに。それでコレイションがどんな状態なのか分かったの。
コレイションの黒い炎がディアブナスに移動し終わると、コレイションがガクンと頭を下げて動かなくなりました。目だけはじっとディアブナスを見ていたけど。それから小さな声でディアブナス様って、ずっと呟いていたよ。
ディアブナスの方は黒い炎を自分の中へ入れると、すぐに動こうとしました。もちろんここへ来たばかりのディアブナスみたいな動きじゃなくて、ゆっくりと横へずれようとしたんだよ。それで僕は思い切りディアブナスをはたきました。
「うごくにょ、めっ!!」
少しだけずれる事ができたディアブナスだったけど、僕にはたかれて元の位置に。コレイションの力を貰っても、やっぱり大した動きはできないみたいです。
それでも動いたことには変わらないから、さっきよりも早いスピードで、どんどんディアブナスをはたいていく僕。その間も少しでもずれようとするディアブナス。相変わらず誰かに向かって文句を言っています。
『ここから逃げようとしているのは変わりないが、あいつは存在が小さくなり過ぎて、頭でもおかしくなったのか?』
コレイションを押さえている、ドラゴンお父さんがそう言いました。
『そんな弱い奴ではないだろう』
『だがな誰もいない所に、先程からの叫んでいるのだぞ? お前だっておかしいと思うだろう』
『確かにな。しかしこちらを見ないのなら好都合だ。今のうちにレンに最後まで小さくしてもらおう』
スノーラ達が話している間も、そしてディアブナスの煩い叫びを聞きながらも、どんどんはたいていった僕。そしてついに。
「しゅのー、ちちゃ、にゃりゃにゃい」
僕の顔より少し大きいくらいまで、ディアブナスを小さくすると、それ以上はいくらはたいても、ディアブナスが小さくならなくなりました。
『レン、ありがとう。これが奴の、ディアブナスの本来の大きさなのだ。力を取り込む事で、今まであれだけの力を使い形を保っていたが』
僕、ディアブナスを1番小さくできたみたい、良かったぁ。後は封印するだけ? 僕は魔法陣を見ました。
『後はこの魔法陣にディアブナスが沈み、魔法陣がディアブナスを封印すれば、取り敢えず今の脅威はなくなる』
本当? やったぁ!! まだ油断はできないけれど、僕とルリ達みんなで、『やったぁ!!』のシャキーン!のポーズをしました。
『何処だ! 何処に居るんだ! 私の邪魔をするな!』
ディアブナスボールが地面に沈んでいきます。相変わらずゆっくりだけど。でもこれだけ小さくしたんだから、最初の大きい体の時よりは早く沈められるよね。
そしてこっちも相変わらずの、誰かに叫び続けている煩いディアブナス。ディアブナスが沈んでいる間にスノーラ達が話し始めました。
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