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289.やっと止まってくれたウィルピー
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『はい、紐』
「ありがとうございます。さぁ、ウィルピー! 止まりなさい!!」
アーティストさんが大きな声でウィルピーに声をかけて、紐を引っ張ります。でも止まらないウィルピー。
ダメだと思ったのか、まったくって言いながら今度は、スノーラの背中からヒョイと飛んで、ウィルピーに乗ってきたアーティストさん。僕の後ろに座って僕を支えるようにしながら、紐を引っ張ってウィルピーを止めようとします。
「ウィルピー、聞こえているでしょう! 止まりなさい!」
僕も言ってみようかな? 友達って思ってくれてるなら、僕が止まってって言ったら止まってくれるかも。
「うぃぴー、とまっちぇ!」
『ウィルピー止まってなの!』
『ウィルピー、止まって!!』
ルリとアイスも一緒に止まってって言います。でもやっぱり止まってくれません。ただ、僕気づいたんだ。僕達が止まってって言った時、今まで完璧に無視だったウィルピーが、頭を少しだけ上げたのに。僕はもう1度ウィルピーに声をかけます。
「うぃぴー、とまっちぇ!!」
そうしたらいきなりでした。今まで凄い速さで走っていたウィルピーが、ピタッ!と止まったの。こう、止まるまでに少しずつスピードを落としていってとかじゃなくて、本当に一瞬でピタッと止まったんだ。
そのせいで僕は思い切りウィルピーの首の部分に顔をぶつけて、それからルリとアイスの『ぐえっ』声が。ルリとアイスは僕とウィルピーの首の間のはさわれて、ほっぺを潰しながら、ぐえってなってました。
もう! 確かに止まってって言ったけど、いきなり止まらないでよ。僕は鼻をすりすりしながら急いで起き上がります。そしてルリとアイスを抱きしめてあげて。ルリ達もほっぺをすりすり。それからすぐに戦闘態勢になったよ。
ウィルピーの首に向かって、ルリはシュッシュッ!と蹴りを入れる格好を。アイスもシュッシュッ!とパンチをする格好を。
ダメダメ、怒るのは後でだよ。今は後ろを確認しないといけない。さっきアーティストさんが言った通り、他のセイクリドバードに囲まれて、争奪戦?になったら大変。もし危なそうなら、取り敢えずスノーラと逃げなくちゃ。
僕はまだちょっと痛い鼻をスリスリしながら、後ろを振り向きました。そこにはじっと後ろを見つめるアーティストさんが。それからアーティストさんの肩に乗って、ニヤニヤしているブローがいました。
『レン、一応向こうも止まったみたいだよ。目はギラギラとレンを狙っているけどね。ふふふ、面白いねぇ』
いやブロー、面白くないからね。みんなまだ色々話しがあるだろうし、やらなくちゃいけない事、確認しないといけない事がたくさんあって、こんな追いかけっこしている場合じゃないはずなんだから。
僕はアーティストさんの横に顔を出して後ろを見てみました。と、すぐに僕は誰かに抱き上げられて。抱き上げられたと思ったら、今度は誰かに思いっきり洋服を引っ張られて。変な格好のまま後ろを見ちゃったよ。
そこには、少し向こうの所で、思いっきり紐を引っ張られて止まっているセイクリドバード達が。もちろん先頭はユイゴさんと、ユイゴさんのセイクリドバードがいて、ブローが言った通り、ギラギラした目で僕達の事を見ていました。
一応みんな止まっているけど、いつまた動き出してもおかしくない様子です。
後ろを確認した後は、今度は僕の方を確認。まぁ、分かってはいるけどね。僕を抱き上げようとして、僕の事を持ち上げたまま止まってるのがスノーラ。そして横から僕の洋服を引っ張っているのがウィルピーね。だから僕は中途半端に宙に浮いている状態になっています。
僕はウィルピーを見た後に、大きなため息を吐いちゃったよ。僕達を好きになってくれたのは、そして友達って言ってくれたのはとっても嬉しいけど、1度下ろしてくれない? 僕達が止まってって言ったら聞いてくれたから、今も言ったら離してくれるかな?
「うぃぴー、はにゃちて。ぼく、どこもいかにゃい」
ウィルピーが僕を見つめてきます。
「ぼく、りゅい、あいしゅ、みんにゃちょもだち。うれちい! でも、こまりゅのはだめ。いっかいはにゃちて?」
少しの間沈黙が流れます。まぁ、ユイゴさん達の方はセイクリドバード達が大騒ぎだけどね。ウィルピーが離してくれたら、今度は向こうのセイクリドバード達とも話してみようかな?
そう思っていたら、スッとウィルピーが洋服を離してくれました。それから僕の顔をスリスリした後、ちょっとすまなそうな顔をしてアーティストさんの横に立ったよ。
良かった、分かってくれたみたい。今度こそ僕達はスノーラに抱っこしてもらって、またまた大きなため息を吐きます。ふぅ。
『さて、取り敢えずレン達が戻ってきたのは良いが、これからの事もあるし、早く今の状況を落ち着かせないとな』
スノーラもホッとした顔で僕達の方を見てきました。待っててスノーラ、今僕が話しをしてみるから。もしかしたら僕の話しなら、ウィルピーみたいに聞いてくれるかも。
僕はアーティストさんに、代表としてユイゴさんのセイクリドバードの名前を聞きます。他のセイクリドバード達の名前は後でゆっくり聞くからね。
ユイゴさんのセイクリドバードの名前はイルランドでした。今いるセイクリドバードの中で1番大きくて、能力も1番高いんだって。
「えちょ、りぇんでしゅ! はじめまちて!」
僕は大きな声でイルランド達に声をかけました。
*・゜゚・*:.。..。.:*・.。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・.。.:*・゜゚・*
いつもご愛読ありがとうごさいます。ありぽんです。
ただいま作業中につきまして、明後日の更新をお休みさせていただきます。
28日には更新しますので、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。
「ありがとうございます。さぁ、ウィルピー! 止まりなさい!!」
アーティストさんが大きな声でウィルピーに声をかけて、紐を引っ張ります。でも止まらないウィルピー。
ダメだと思ったのか、まったくって言いながら今度は、スノーラの背中からヒョイと飛んで、ウィルピーに乗ってきたアーティストさん。僕の後ろに座って僕を支えるようにしながら、紐を引っ張ってウィルピーを止めようとします。
「ウィルピー、聞こえているでしょう! 止まりなさい!」
僕も言ってみようかな? 友達って思ってくれてるなら、僕が止まってって言ったら止まってくれるかも。
「うぃぴー、とまっちぇ!」
『ウィルピー止まってなの!』
『ウィルピー、止まって!!』
ルリとアイスも一緒に止まってって言います。でもやっぱり止まってくれません。ただ、僕気づいたんだ。僕達が止まってって言った時、今まで完璧に無視だったウィルピーが、頭を少しだけ上げたのに。僕はもう1度ウィルピーに声をかけます。
「うぃぴー、とまっちぇ!!」
そうしたらいきなりでした。今まで凄い速さで走っていたウィルピーが、ピタッ!と止まったの。こう、止まるまでに少しずつスピードを落としていってとかじゃなくて、本当に一瞬でピタッと止まったんだ。
そのせいで僕は思い切りウィルピーの首の部分に顔をぶつけて、それからルリとアイスの『ぐえっ』声が。ルリとアイスは僕とウィルピーの首の間のはさわれて、ほっぺを潰しながら、ぐえってなってました。
もう! 確かに止まってって言ったけど、いきなり止まらないでよ。僕は鼻をすりすりしながら急いで起き上がります。そしてルリとアイスを抱きしめてあげて。ルリ達もほっぺをすりすり。それからすぐに戦闘態勢になったよ。
ウィルピーの首に向かって、ルリはシュッシュッ!と蹴りを入れる格好を。アイスもシュッシュッ!とパンチをする格好を。
ダメダメ、怒るのは後でだよ。今は後ろを確認しないといけない。さっきアーティストさんが言った通り、他のセイクリドバードに囲まれて、争奪戦?になったら大変。もし危なそうなら、取り敢えずスノーラと逃げなくちゃ。
僕はまだちょっと痛い鼻をスリスリしながら、後ろを振り向きました。そこにはじっと後ろを見つめるアーティストさんが。それからアーティストさんの肩に乗って、ニヤニヤしているブローがいました。
『レン、一応向こうも止まったみたいだよ。目はギラギラとレンを狙っているけどね。ふふふ、面白いねぇ』
いやブロー、面白くないからね。みんなまだ色々話しがあるだろうし、やらなくちゃいけない事、確認しないといけない事がたくさんあって、こんな追いかけっこしている場合じゃないはずなんだから。
僕はアーティストさんの横に顔を出して後ろを見てみました。と、すぐに僕は誰かに抱き上げられて。抱き上げられたと思ったら、今度は誰かに思いっきり洋服を引っ張られて。変な格好のまま後ろを見ちゃったよ。
そこには、少し向こうの所で、思いっきり紐を引っ張られて止まっているセイクリドバード達が。もちろん先頭はユイゴさんと、ユイゴさんのセイクリドバードがいて、ブローが言った通り、ギラギラした目で僕達の事を見ていました。
一応みんな止まっているけど、いつまた動き出してもおかしくない様子です。
後ろを確認した後は、今度は僕の方を確認。まぁ、分かってはいるけどね。僕を抱き上げようとして、僕の事を持ち上げたまま止まってるのがスノーラ。そして横から僕の洋服を引っ張っているのがウィルピーね。だから僕は中途半端に宙に浮いている状態になっています。
僕はウィルピーを見た後に、大きなため息を吐いちゃったよ。僕達を好きになってくれたのは、そして友達って言ってくれたのはとっても嬉しいけど、1度下ろしてくれない? 僕達が止まってって言ったら聞いてくれたから、今も言ったら離してくれるかな?
「うぃぴー、はにゃちて。ぼく、どこもいかにゃい」
ウィルピーが僕を見つめてきます。
「ぼく、りゅい、あいしゅ、みんにゃちょもだち。うれちい! でも、こまりゅのはだめ。いっかいはにゃちて?」
少しの間沈黙が流れます。まぁ、ユイゴさん達の方はセイクリドバード達が大騒ぎだけどね。ウィルピーが離してくれたら、今度は向こうのセイクリドバード達とも話してみようかな?
そう思っていたら、スッとウィルピーが洋服を離してくれました。それから僕の顔をスリスリした後、ちょっとすまなそうな顔をしてアーティストさんの横に立ったよ。
良かった、分かってくれたみたい。今度こそ僕達はスノーラに抱っこしてもらって、またまた大きなため息を吐きます。ふぅ。
『さて、取り敢えずレン達が戻ってきたのは良いが、これからの事もあるし、早く今の状況を落ち着かせないとな』
スノーラもホッとした顔で僕達の方を見てきました。待っててスノーラ、今僕が話しをしてみるから。もしかしたら僕の話しなら、ウィルピーみたいに聞いてくれるかも。
僕はアーティストさんに、代表としてユイゴさんのセイクリドバードの名前を聞きます。他のセイクリドバード達の名前は後でゆっくり聞くからね。
ユイゴさんのセイクリドバードの名前はイルランドでした。今いるセイクリドバードの中で1番大きくて、能力も1番高いんだって。
「えちょ、りぇんでしゅ! はじめまちて!」
僕は大きな声でイルランド達に声をかけました。
*・゜゚・*:.。..。.:*・.。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・.。.:*・゜゚・*
いつもご愛読ありがとうごさいます。ありぽんです。
ただいま作業中につきまして、明後日の更新をお休みさせていただきます。
28日には更新しますので、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。
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