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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
064★桜はエアーサロ○も知らない
しおりを挟む真奈からたった今聞いた事実に、優奈はびっくりしたちという顔で言う。
「えー…桜ちゃんてば……
貧血起こしてたんだぁ……
それじゃぁ…きっと明日は
筋肉痛だね
今日は、夜寝る前に、よぉーく
ふくらはぎとかの筋肉を
ほぐしておいた方が良いよ
丁寧に、マッサージして
おかないと、寝ている時に
攣ったりするから………」
優奈の言葉に、真奈がもっとも現実的なコトを言う。
「それよりも、家に帰ったら
筋肉の攣りそうな場所に
エアーサロ○パスでも
吹き掛けておいた方が
賢明だよ
サロ○パスそのモノを
張るのはいただけないけど
エアーサロ○パスなら
目立たないし………
なにより、お手軽だからね」
双子の言葉に、桜はコクンッと頷くが………。
エアーサロ○パス?
とは、なんだ?
聞いたコトないモノね?
そんなに、ソレは筋肉痛に
効くモノなのか?
疑問というモノを表情に浮かべながら、桜は隣りに座る和輝を振り仰ぐ。
「和輝、エアーサロ○パスって
なに? どんな物を言うの?」
えっとぉ~? もしもしぃ~桜は
エアーサロ○パスも知らないのか?
どんだけお嬢様なんだよ
つーか、筋肉痛になるようなコト
したことないってことかな?
だったら、筋肉痛も、言葉だけで
どういう現象か、実際には
知らないかも………じゃなくて
そういえば、帰って来る時に
駅でもらったのがあったな
実物を見たコトが無いらしい桜に、和輝は携帯用のエアーサロ○パスをポケットから出して見せる。
「ああ、ちょうど良いコトに
駅前で配ってたヤツが
あったな……コレだ
従来のヤツよりも、効能が
レベルアップした製品らしい」
そう言って、和輝は桜の手のひらの上にポイッと、コンパクトなエアーサロ○パスを手渡す。
「これは、どうやって使うの?」
そう言いながらも、使用上の注意という文面を見付けた桜は、内容を読み始める。
ふ~ん、疲労した身体に
効くモノなのね
今の私にはうってつけの
治療薬というところね
あとで、使ってみたいな
数分後、隣りで静かになってしまった桜を不審に思い、横を見れば、車の振動に眠気を誘われたらしく、桜は和輝に寄りかかってスゥースゥーと眠っていた。
やっぱり…疲れたんだな
あ~あ…優奈も真奈も
寝てやがる………
こっちは、完璧に
はしゃぎ過ぎたセイだな
あはは……やっぱり
〈レイ〉も〈サラ〉も
ウッツリウッツリしてるぜ
こいつらも、遊びすぎて
疲れちまったんだな
そんな二重三重の寝息に包まれながら、蓬莱家の爺やも船をこぎ始めていた。
やっぱり、老体には
きつかったンだろうなぁ
あと、どれくらいだ?
白夜さんていう
蓬莱家当主が不在の時に
桜の無謀な行為を止め
きれなかったあげくに
短時間とは言え
桜がボルゾイ2頭と一緒に
行方不明になったコトで
心労と疲労のダブルパンチを
喰らったんだろうな
そんなコトを思いながら、窓の外に視線を移す。
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