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0288★幻獣【カーバンクル】は色々といるようです

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 神護の問いかけに、かなりの情報を有している【ルシフェル】が答える。

 [幻獣と呼ばれる【カーバンクル】種は ほぼ雑食ですよ
  ただ 超小型種は 主に花の蜜や果物だけを食します

  小型種の中に 果物しか食べないのも居たはずです
  たぶん この小型種同一視されてしまったのでしょう
  
  【カーバンクル】種は その大きさによって
  主食になるモノが だいぶ変わります]

 [超小型種? に、小型種?]

 [はい 超小型種は 人の手のひら程度で成体です
  ここでの人とは マスターの認識で言うところの獣人です

  ちなみに 小型種と呼ばれるのは マスターの知識から引用すると
  ふかふかのメインクーンと呼ばれる猫ぐらいです

  あと マスターのように 獣相が無い種は 稀少種です
  この世界の九割以上 ほぼ何らかの獣相を有しています

  元は 獣相の無い種族が大半でしたが ある時を境に
  獣人の方が優位になり 今の状態になりました

  ゆえに 獣相の無い者はとにかく 言い寄られます
  マスターの知識の言葉で モテるというヤツです

  ですから あの旅商人アデルは 飛翔族ひしょうぞくの女の
  押しかけ女房という言葉に納得したのです

  ですから 獣人の多い村や町 それよりも獣人の多い
  城下都市などでは フードを被るコトをお勧めします]

 神護にとっては新たな事実に、ちょっと絶句しつつ頷く。

 そうか、こっち異世界では、俺みたいな人間はほぼ居ないのか
 ある時って、何時のコトなのかな?

 白夜から譲渡された知識には無いようだな
 それにかかわる情報は探せばあるかも………だけど

 まだ、完全に情報を整理整頓出来ていないようだ
 知識からそういう情報を検索しようとするとなぁ………
 まぁ~だ、ズキンッと痛みが走るんだもんよぉ

 まっだから、何か知りたかったら【ルシフェル】に聞くんだけどさ
 ………じゃなくて、超小型種ってことは、他にも居るのか?
 まぁ~サルも手のひらサイズから、俺達より数倍大きいのも居るしな
 猫も犬も大きさ色々だし………ってコトは【カーバンクル】もか?

 [【ルシフェル】もしかして、|リンク【カーバンクル】の種族って
  大きさ色々ってことか?]

 [はい そうです 超小型なら今のリンクのサイズで
  既に成体となっています

  大きな個体になると リオウヒリュオンの成体になったモノより
  大きいモノまで

  勿論 翼の無いモノも居ますし 角を持つモノも居ます
  【カーバンクル】種は かなり他種多様な姿をしています

  共通点は 額に秘宝石があるコトぐらいです
  それだとて 第三の眼として偽装している種もいます

  額の秘宝石の周囲の皮膚が伸びで 瞼のような形態をとり
  普段から 秘宝石を覆いつくしているのが常です

  大抵は第三の眼と勘違いされて 狩人達から
  【カーバンクル】とは認識されません

  他にも 色々な動物に擬態もしていますので
  見付からないが故に 幻獣と呼ばれています

  ちなみに リンクはどうやら 未熟児のようです
  本来は 超が付く大型の幼体と思われます

  親からもらえるはずの 愛情と言う名の栄養不足です
  飛翔族ひしょうぞくの白夜とほぼ同じ状態です

  肉 魚 野菜 果物など 満遍なくたっぷりと
  食べさせるコトをお勧めします

  上手に育てれば 従騎となり その背に乗れますよ]

 神護は【ルシフェル】からの知識に、改めて自分が異世界に来たコトを実感しつつ頷く。

 [ありがとう【ルシフェル】、そういう知識は助かるわ
  取り敢えず、リンクはなんでも食べられるっこコトだな

  超大型種の未熟児ってコトは理解した
  あと、俺も狙われやすいってコトも認識した

  サンキューな、取り敢えず、また休眠していてくれ]
 
 [はい マスター おやすみなさい]

 体内の【ルシフェル】とのやり取りを済ませた神護は、リンクの為に色々な肉と野菜とイワウオまで出したコトは言うまでもない。

 少し軽めにと言ったコトを綺麗さっぱりと忘れ、たっぷりの昼食を用意し、しっかりと食べた神護と白夜だった。
 勿論、リンクもその身体のどこにはいるんだ?っという程食べたコトは言うまでもない。

 ちなみに、神護達が満腹でまったりしていて、綺麗さっぱりとその存在を忘れていた軍馬達は、腹がこなれので、夕食を美味しく食べる為にと、かなり一生懸命に走っていたのは言うまでも無いコトだった。

 勿論、色々な身体強化を付与されている状態なので、嬉々として走っていたコトは確かな事実だった。

 そして、夕刻には前日同様、丁寧に汗に濡れた身体を魔法で乾かしてもらい、神護からタップリのご飯をもらって、馬車の中でまったりと休んだのも確かな事実だった。






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