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078★同郷の彼女達と、水晶越しに情報交換?5
しおりを挟む「昨日、貴方達と別れて、馬車で神殿に戻った私達は、聖女専用棟に案内されたわ。ざっと建物の中の説明を受けたわ。私達、それぞれの部屋に案内されて、荷物を置いて、部屋に用意してあった神官見習い服に着替えたの」
「次に、神官見習い達や神官戦士見習い、神官従者見習い、神官書記見習いなどの見習い達が利用する食堂案内されて、味が濃くって食べられなかった料理や、固くて食べられなかったパンなどを、とりあえず食べたわ」
ローズさんの説明をマリアさんが続けてくれたのですが、途中で食堂で………と言ったので私はつい質問してしまいました。
私は、夕食の時、周りの会話を聞きそびれて、色々な情報を手に入れられなかったけど、彼女達はどうだったんだろう? って思ったから………。
がっつりと情報を手に入れていたら落ち込むのは確実だと思いながら………。
「あっ…あの…神官様達は、どんな会話していたんですか?」
私の質問にエリーさんが苦笑しながら答えてくれた。
「あのね、神殿は、祈りの場だから、食前の祈りと食後の祈りをする時以外は、会話をするのを禁じられているの。だから、私達も無言で食べたわ」
それを聞いて、思わずという感じて、アルス君が言う。
「それって、メシ不味くねぇ~か?」
うん、私もそう思うわ。
……そんな中で食べて、美味しくなかっただろうなぁ~……。
ハルト君達と一緒に、行動できて本当に良かったって実感してしまう。
そして、アルス君の言葉に、私達は全員思わず頷いていた。
それを見て、彼女達は苦笑している。
彼女達の後ろに控えている…たぶん神官戦士様達も神官様も、苦笑している。
彼らも会話無しの食事を好んでいないってわかったわ。
そんな微妙な雰囲気の中で、神官様が口を開きました。
「私達は、神に仕える神官です。仕事の基本は神への感謝と奉仕です。そして、精神を高めより良い心正しい神の代弁者となり、また、民を導く者とならねばなりません。ゆえに我らは機会あるごとに修行をするのです」
「ああ……会話して食事を楽しむ余裕があるのにわざとしない。それって、その楽しめる時を、神への信仰心を表わす供物にするってコトですか?」
それって、ラノベの定番に近い設定ですね。
誰かと一緒に食べるご飯は、会話と料理を楽しみたい派だから、神殿送りにならなくて本当に良かったって思います。
それと、彼女達とは、色々とギャップがあり過ぎて疲れそうなので、これからも一緒の行動はとりたくありませんね。
だって、絶対にコミュ障の私とじゃ話しなんて続かないに決まっているもん。
などと取り留めの無いコトを考えていた私に、神官様達からの熱い視線を送っていたなんて知りませんでした(汗)。
不用意な発言(神官様達に気に入られる)をした私は、夜にハルト君達からお仕置きをされてしまいました(号泣)。
接点が無い神官様達だったので、発言にまったく気を付けていませんでした。
次からは、余計な興味を引かないように、慎重に発言したいと思います(涙)。
と言うか、口を閉じて会話に参加しないようにします。
なんてコトを、ちょっと未来の私は考えています。
が、そんなコトは知らない現在の私は、墓穴を掘りまくりです(号泣)。
そんな私を他所に、環境適応に優れたビッチな美少女達と、アルス君達の会話は進んでいく。
「食堂での食事ん時は、静かにしなきゃならないなら、部屋に料理を運んで食べれば良いだろう? 今朝、俺達はそうしたぞ」
「えっ…そういうコトしても良いの?」
「そこの神官に聞いてみろよ」
「セリアン様、食事を部屋に運んで食べても良いのですか?」
「はい、構いませんよ」
「昼食から、運んで食べても良いんですね?」
「はい」
そのやりとりを確認した後、ハルト君が言いました。
「あのさ、味が濃くて食えないモノ運んでも、工夫すれば喰えるようなるから、塩や砂糖の調味料、牛乳やチーズ、生クリームやバターついでにスパイスなんかにナッツや干した果物、それに出汁もとれる燻製肉や塩漬け肉や干し肉も、もらったほうが良いぞ」
続けて、ジーク君が言います。
「油や小麦粉なんかもね。果物やヨーグルト、それに色々な種類の酒も、もらっておいたほうが良いですね、それと色々な野菜も………」
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