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光の翼
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「やぁ、エイダ君」
夜の教会そこのちょうど真ん中に居座った、太った男はエイダに話しかける。相変わらず黒尽くめの服装だ。
「は、はいどうも……」
エイダは緊張気味にそう返した。夢の中であったとはいえほとんど初対面には変わりない。最初から打ち解けたように話すのには少々抵抗があるのだ。
太った男はマリデはそれを感じ取ると困ったように笑みを浮かべる
「いやあ、こんな夜中にすまないね。君たちからの報告を受けて、いてもたってもいられなくなってしまってね。迎えに来たというわけさ。」
「ボス、それはいいんだけどよなんでここなんだ?」
ドンキホーテは尋ねた。
「ここは観光地といえど夜になればご覧の通りに人はいなくなる。ここが待ち合わせ場所としてはうってつけだと思ったんだ。もしかして怖かったかなドンキホーテ。」
「ここ、怖くねーし!」
エイダとアレン先生は思わず吹き出してしまう。あの的に果敢に立ち向かっていた、ドンキホーテがこの恐ろしい雰囲気に飲まれる。というのは面白いことだった。
「うーん、戦っている時なら気にならねーのに…」
ドンキホーテはそう呟いた。
「話が脱線してしまったね。じゃあ本題に入ろうか。」
マリデが言う。
「これから君たちを特殊な魔法で転移させる。僕たちの本部へと飛ばすよ。」
「そっかここまでくれば、もう複雑な手順を踏まない、転移魔法使えるぐらいの距離に来ているもんな。」
ドンキホーテがそう説明を付け足した。マリデは「そうだね」と再び話を続ける。
「本当なら、本部への転移魔法を使える僕自身がエイダ君のところに迎えに行くべきだったんだが、僕自身。多忙な身でね、苦労をかけてすまなかった。」
マリデはそうエイダに対して謝った。エイダは思わず、あたふたとして直ぐに返事を返す。
「そ、そんな、こうして、全力でやってくれて私は助かっています。」
そう言ったのは決して建前などではなかった。本心から出た言葉だ。ここまでのドンキホーテたちやアレン先生の尽力はそれほどエイダにとって心の支えとなってきたのである。
「そう言ってもらえると嬉しいよ。では早速だが魔法で転移することにしよう。みんな僕の周りに来てくれ。」
エイダたちは、マリデの周りへと集まる。その時だ。アレン先生は違和感に気がつく。
「待つのじゃ、あそこの扉いつ開いた?」
それは教会の両開きの扉だ。来た時に開け、そして閉めたはずなのにいつのまにか、僅かに半開きとなっていた。
「ボス…!」
ドンキホーテは剣を構え精神を集中させ、闘気を練る。それにより六感を研ぎ澄ませどこに敵がいるかを探り始めた。
「ドンキホーテ、警戒をここの場所はもうすでに敵にバレていたようだね。」
「ボス、詠唱を始められか?アレン先生結界を頼む。」
「ああ、任せておけ。」
アレン先生はそう言うと結界を張り始める。誰も通れない、砂つぶ1つ通さない高度な結界が張られていく。
だが結界が張り終える前その瞬間、結界の中に突然、銀髪の男が現れた。
「先生!」
男は両腕から雷を発しながら、貫手のような動作でアレン先生を貫こうとする。咄嗟にドンキホーテはその腕を足で蹴ることにより軌道をそらし更に流れるような動きでもう一撃蹴りを入れ謎の男を吹き飛ばした。
銀髪の男は吹き飛ばされ、地面に背中をつける。そしていかにもダルそうに起き上がると「失敗か」と口から零した。
「何者だテメェ!何故ここがわかった!」
ドンキホーテは叫ぶ、よく見ればこの男の風貌は奇妙なものだ、着衣はズボンしかきておらず武器のようなものは持っていない。目には覇気を感じられず。全てを傍観しているかのような目だ。そして何より銀髪の髪、纏っている雰囲気はまるで違うがどこか、エイダと似ていた。
「お前らの居場所なんて、いくら隠そうが無駄なんだよ。感じるのさ魂を。」
銀髪の男は意味のわからないことを言う。ドンキホーテは戯言はもう十分だとばかりに、男に対して剣を引き抜いた。その様子を見たマリデは口を開く
「ドンキホーテ…頼むおそらく彼も君と同じ、超短距離のテレポートの魔法を駆使する近距離型の戦士だ。君が戦うのが適任だろう。」
「了解だぜボス!」
ドンキホーテはそのまま剣を水平に構え腕に巻いた魔法の布を盾に変える。ドンキホーテはそのまま男に突っ込んで行った。何も考えがなくこうした行動に出たわけではない。ドンキホーテの本当の得意技というのは相手の意表をついたカウンターの技である。こうした、無謀な突撃をしているように見えてドンキホーテは相手の次の行動を予測し、テレポートやアイテムによるカウンターの準備をしていた。
(来るなら来やがれ…!)
雷鳴が教会に響き渡る。
ドンキホーテの、予測は大きく外れることになったドンキホーテは何の行動もできないまま、雷に打たれたのだ。男はドンキホーテの背後にいた恐らくすれ違いざまに攻撃をされたのだろう
(バカな!!!速すぎる!目視できなかった!)
ドンキホーテは背後にいる男の背中を見た。
男の背中の片方の肩甲骨からは赤い光の翼が生えていた。
夜の教会そこのちょうど真ん中に居座った、太った男はエイダに話しかける。相変わらず黒尽くめの服装だ。
「は、はいどうも……」
エイダは緊張気味にそう返した。夢の中であったとはいえほとんど初対面には変わりない。最初から打ち解けたように話すのには少々抵抗があるのだ。
太った男はマリデはそれを感じ取ると困ったように笑みを浮かべる
「いやあ、こんな夜中にすまないね。君たちからの報告を受けて、いてもたってもいられなくなってしまってね。迎えに来たというわけさ。」
「ボス、それはいいんだけどよなんでここなんだ?」
ドンキホーテは尋ねた。
「ここは観光地といえど夜になればご覧の通りに人はいなくなる。ここが待ち合わせ場所としてはうってつけだと思ったんだ。もしかして怖かったかなドンキホーテ。」
「ここ、怖くねーし!」
エイダとアレン先生は思わず吹き出してしまう。あの的に果敢に立ち向かっていた、ドンキホーテがこの恐ろしい雰囲気に飲まれる。というのは面白いことだった。
「うーん、戦っている時なら気にならねーのに…」
ドンキホーテはそう呟いた。
「話が脱線してしまったね。じゃあ本題に入ろうか。」
マリデが言う。
「これから君たちを特殊な魔法で転移させる。僕たちの本部へと飛ばすよ。」
「そっかここまでくれば、もう複雑な手順を踏まない、転移魔法使えるぐらいの距離に来ているもんな。」
ドンキホーテがそう説明を付け足した。マリデは「そうだね」と再び話を続ける。
「本当なら、本部への転移魔法を使える僕自身がエイダ君のところに迎えに行くべきだったんだが、僕自身。多忙な身でね、苦労をかけてすまなかった。」
マリデはそうエイダに対して謝った。エイダは思わず、あたふたとして直ぐに返事を返す。
「そ、そんな、こうして、全力でやってくれて私は助かっています。」
そう言ったのは決して建前などではなかった。本心から出た言葉だ。ここまでのドンキホーテたちやアレン先生の尽力はそれほどエイダにとって心の支えとなってきたのである。
「そう言ってもらえると嬉しいよ。では早速だが魔法で転移することにしよう。みんな僕の周りに来てくれ。」
エイダたちは、マリデの周りへと集まる。その時だ。アレン先生は違和感に気がつく。
「待つのじゃ、あそこの扉いつ開いた?」
それは教会の両開きの扉だ。来た時に開け、そして閉めたはずなのにいつのまにか、僅かに半開きとなっていた。
「ボス…!」
ドンキホーテは剣を構え精神を集中させ、闘気を練る。それにより六感を研ぎ澄ませどこに敵がいるかを探り始めた。
「ドンキホーテ、警戒をここの場所はもうすでに敵にバレていたようだね。」
「ボス、詠唱を始められか?アレン先生結界を頼む。」
「ああ、任せておけ。」
アレン先生はそう言うと結界を張り始める。誰も通れない、砂つぶ1つ通さない高度な結界が張られていく。
だが結界が張り終える前その瞬間、結界の中に突然、銀髪の男が現れた。
「先生!」
男は両腕から雷を発しながら、貫手のような動作でアレン先生を貫こうとする。咄嗟にドンキホーテはその腕を足で蹴ることにより軌道をそらし更に流れるような動きでもう一撃蹴りを入れ謎の男を吹き飛ばした。
銀髪の男は吹き飛ばされ、地面に背中をつける。そしていかにもダルそうに起き上がると「失敗か」と口から零した。
「何者だテメェ!何故ここがわかった!」
ドンキホーテは叫ぶ、よく見ればこの男の風貌は奇妙なものだ、着衣はズボンしかきておらず武器のようなものは持っていない。目には覇気を感じられず。全てを傍観しているかのような目だ。そして何より銀髪の髪、纏っている雰囲気はまるで違うがどこか、エイダと似ていた。
「お前らの居場所なんて、いくら隠そうが無駄なんだよ。感じるのさ魂を。」
銀髪の男は意味のわからないことを言う。ドンキホーテは戯言はもう十分だとばかりに、男に対して剣を引き抜いた。その様子を見たマリデは口を開く
「ドンキホーテ…頼むおそらく彼も君と同じ、超短距離のテレポートの魔法を駆使する近距離型の戦士だ。君が戦うのが適任だろう。」
「了解だぜボス!」
ドンキホーテはそのまま剣を水平に構え腕に巻いた魔法の布を盾に変える。ドンキホーテはそのまま男に突っ込んで行った。何も考えがなくこうした行動に出たわけではない。ドンキホーテの本当の得意技というのは相手の意表をついたカウンターの技である。こうした、無謀な突撃をしているように見えてドンキホーテは相手の次の行動を予測し、テレポートやアイテムによるカウンターの準備をしていた。
(来るなら来やがれ…!)
雷鳴が教会に響き渡る。
ドンキホーテの、予測は大きく外れることになったドンキホーテは何の行動もできないまま、雷に打たれたのだ。男はドンキホーテの背後にいた恐らくすれ違いざまに攻撃をされたのだろう
(バカな!!!速すぎる!目視できなかった!)
ドンキホーテは背後にいる男の背中を見た。
男の背中の片方の肩甲骨からは赤い光の翼が生えていた。
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