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★反省しない女
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「何という事をしてくれたの!しばらく反省をしなさい!」
激怒したお母様に外鍵のある部屋に閉じ込められてしまったわ。
私の計画は途中までは完璧だった。
失敗したのはあの男が悪いだけよ。
ガルティネ公爵家なんて名前ばかりじゃないの。
ちゃんと金は払ったのに酒場にツケのあるような下級兵士を雇うなんて。鼻の下を伸ばした兵士なんかをつけるから最後の最後で逃げられるのよ。だいたい小娘の足の速さに追いつけないって何?もう兵士辞めろって話だわ。
計画ではジョルジュは貴族牢に入れたつもりだろうけど、途中で兵士を入れ替えて一般牢に入れて釈放と同時に天国に逝ってもらって、川に浮かんでもらうはずだったのに!
ジョルジュは貴族牢に入れたつもりが、誰かに攫われたとしても私を問い詰める事なんて出来ないしね。ジョルジュに合わせた内容しか私は知らない事になってるもの。
ジョルジュの知らない事はガルティネ公爵と私の秘密。頃合いを見て遊び惚けてるガルティネ公爵を始末さえすれば大団円だったのよ。あぁ悔しいッ!!
プリエラの遺体は川にも浮かばないし、山にも捨てられてない。
娼館も騎士団が入って明らかに年齢の違う老婆の下働きや、男娼館まで調べたのにプリエラは見つかっていない。青果店の女主人がプリエラと思われる女に買取店を教えたと言ったけれど、闇で営業してる買取店にもプリエラが訪れた形跡はないし、買い取った品も全て調べたけれどプリエラが持っていそうな品物は何一つなかった。
と、なればプリエラは買取店には来ていないと言う事。
いったいどこに行ったと言うの!
1カ月を過ぎても見つからないプリエラ。
国王夫妻と夕食を共にする日に現れず、挙動不審になったジョルジュは問い詰められて白状してしまった。女を知らない童貞だから簡単に吐いちゃうのよ。
激怒した陛下もだけど、伯母様もかなり怒っててお母様とは縁切りだと言うし。
実家だろうと関係ないってギレイム侯爵家は取り潰しになるかも知れないって言うし。
お母様だって私の話なんかちっとも聞いてくれない。
私はジョルジュが好きなのに。顔も髪も、体格も最高の出来栄え。その上王太子っていうもうすぐ国王になる男となれば逃がす筈がないでしょう。
私は、姉に狙った男を掻っ攫われたお母様とは違うの。
何年もかけてジョルジュを言いなりにして、何でも私が正解だと思い込ませてきた。
婚約者が出来たのは想定外だったけど、誰がどう見てもって親密な関係を匂わせていれば既成事実が出来たも同じで私が選ばれてもおかしくなかったのよ。
なのに全然話が進まないから消えてもらう事にしただけ。
消去法で行ってもジョルジュと年齢が合う未婚の令嬢は私くらいだもの。
流石に陛下だって48歳の未亡人とか、2歳の幼女は後釜には据えないでしょうしね。
遺体がないなら突っぱねてもいいのにガルティネ公爵がペラペラと喋るから本当に全部台無し!
部屋に閉じ込められる前にプリエラの兄、ラウールがやってきた。
この男もなかなかの美丈夫だけど、何を考えてるか判らないのが不気味なのよね。
顔色一つ変えずに…。
「父だった男ですか?さぁ?今頃は騎士団で喋りたくなるくらい可愛がってもらってるんじゃないでしょうか?」
なんて言うし。怖い。怖い。
強制的に隣国に留学させられたとはいえ、実の父なのよ?
襤褸雑巾以下になっても多分何にも感じない男だわ。
後妻だった女とその娘は公爵家から宝飾品持って逃げようとしてその場で両肩を砕かれたとかって本当かしら。あぁでもラウールならやりかねないわね。
「当然、捜索費用、慰謝料は支払って頂きますよ。払ったからと言って企みが無かった事になるとか思わないでください。嘆願書?初耳ですね。そんなものを書くくらいなら指を全て落としますよ」
そんなお金ないし!屋敷も領も全部売って、お母様が娼館に身売りしたって無理だから。
嘆願書を知らない訳ないのに!お金払ったら許しなさいよ!融通の利かない男ね。
あぁもうどうなってるの?
早くジョルジュ、迎えに来てくれないかしら。
もう残ってるの私だけだし、仮に生きて見つかっても誰かのお手付きになってればそんな令嬢を王妃になんて出来ないから、何処をどう考えても私しかいない筈なのに。
どうしてそんな簡単な事が判らないのかしら。
夜中になってもガタガタと大きな音がするのは何故なのかしら。
考えるのも面倒で寝てしまって、朝、起きたらお父様が寝台の脇に立ってた。
ビックリするじゃない!
後ろで項垂れているお母様はブツブツ何か言ってるし。
そのさらに後ろでは【金払え】って誰かが叫んでる。家令に誰?って聞いたら債権者だって。夜中までガタガタしてたのは屋敷の中にある売れそうな物を運び出してたって!?嘘でしょう?
「私のドレスや宝石には手を出してないでしょうね!」
って言ったら…パチンッ!!
「お前のせいで何もかも終わりだ」
って、お父様は私の頬を張ったの。
信じられない。次の王妃の顔を張るなんて!
なんだかラウールの気持ちが判った気がするわ。
王妃になったら一番先に極刑にしてやるんだから!
激怒したお母様に外鍵のある部屋に閉じ込められてしまったわ。
私の計画は途中までは完璧だった。
失敗したのはあの男が悪いだけよ。
ガルティネ公爵家なんて名前ばかりじゃないの。
ちゃんと金は払ったのに酒場にツケのあるような下級兵士を雇うなんて。鼻の下を伸ばした兵士なんかをつけるから最後の最後で逃げられるのよ。だいたい小娘の足の速さに追いつけないって何?もう兵士辞めろって話だわ。
計画ではジョルジュは貴族牢に入れたつもりだろうけど、途中で兵士を入れ替えて一般牢に入れて釈放と同時に天国に逝ってもらって、川に浮かんでもらうはずだったのに!
ジョルジュは貴族牢に入れたつもりが、誰かに攫われたとしても私を問い詰める事なんて出来ないしね。ジョルジュに合わせた内容しか私は知らない事になってるもの。
ジョルジュの知らない事はガルティネ公爵と私の秘密。頃合いを見て遊び惚けてるガルティネ公爵を始末さえすれば大団円だったのよ。あぁ悔しいッ!!
プリエラの遺体は川にも浮かばないし、山にも捨てられてない。
娼館も騎士団が入って明らかに年齢の違う老婆の下働きや、男娼館まで調べたのにプリエラは見つかっていない。青果店の女主人がプリエラと思われる女に買取店を教えたと言ったけれど、闇で営業してる買取店にもプリエラが訪れた形跡はないし、買い取った品も全て調べたけれどプリエラが持っていそうな品物は何一つなかった。
と、なればプリエラは買取店には来ていないと言う事。
いったいどこに行ったと言うの!
1カ月を過ぎても見つからないプリエラ。
国王夫妻と夕食を共にする日に現れず、挙動不審になったジョルジュは問い詰められて白状してしまった。女を知らない童貞だから簡単に吐いちゃうのよ。
激怒した陛下もだけど、伯母様もかなり怒っててお母様とは縁切りだと言うし。
実家だろうと関係ないってギレイム侯爵家は取り潰しになるかも知れないって言うし。
お母様だって私の話なんかちっとも聞いてくれない。
私はジョルジュが好きなのに。顔も髪も、体格も最高の出来栄え。その上王太子っていうもうすぐ国王になる男となれば逃がす筈がないでしょう。
私は、姉に狙った男を掻っ攫われたお母様とは違うの。
何年もかけてジョルジュを言いなりにして、何でも私が正解だと思い込ませてきた。
婚約者が出来たのは想定外だったけど、誰がどう見てもって親密な関係を匂わせていれば既成事実が出来たも同じで私が選ばれてもおかしくなかったのよ。
なのに全然話が進まないから消えてもらう事にしただけ。
消去法で行ってもジョルジュと年齢が合う未婚の令嬢は私くらいだもの。
流石に陛下だって48歳の未亡人とか、2歳の幼女は後釜には据えないでしょうしね。
遺体がないなら突っぱねてもいいのにガルティネ公爵がペラペラと喋るから本当に全部台無し!
部屋に閉じ込められる前にプリエラの兄、ラウールがやってきた。
この男もなかなかの美丈夫だけど、何を考えてるか判らないのが不気味なのよね。
顔色一つ変えずに…。
「父だった男ですか?さぁ?今頃は騎士団で喋りたくなるくらい可愛がってもらってるんじゃないでしょうか?」
なんて言うし。怖い。怖い。
強制的に隣国に留学させられたとはいえ、実の父なのよ?
襤褸雑巾以下になっても多分何にも感じない男だわ。
後妻だった女とその娘は公爵家から宝飾品持って逃げようとしてその場で両肩を砕かれたとかって本当かしら。あぁでもラウールならやりかねないわね。
「当然、捜索費用、慰謝料は支払って頂きますよ。払ったからと言って企みが無かった事になるとか思わないでください。嘆願書?初耳ですね。そんなものを書くくらいなら指を全て落としますよ」
そんなお金ないし!屋敷も領も全部売って、お母様が娼館に身売りしたって無理だから。
嘆願書を知らない訳ないのに!お金払ったら許しなさいよ!融通の利かない男ね。
あぁもうどうなってるの?
早くジョルジュ、迎えに来てくれないかしら。
もう残ってるの私だけだし、仮に生きて見つかっても誰かのお手付きになってればそんな令嬢を王妃になんて出来ないから、何処をどう考えても私しかいない筈なのに。
どうしてそんな簡単な事が判らないのかしら。
夜中になってもガタガタと大きな音がするのは何故なのかしら。
考えるのも面倒で寝てしまって、朝、起きたらお父様が寝台の脇に立ってた。
ビックリするじゃない!
後ろで項垂れているお母様はブツブツ何か言ってるし。
そのさらに後ろでは【金払え】って誰かが叫んでる。家令に誰?って聞いたら債権者だって。夜中までガタガタしてたのは屋敷の中にある売れそうな物を運び出してたって!?嘘でしょう?
「私のドレスや宝石には手を出してないでしょうね!」
って言ったら…パチンッ!!
「お前のせいで何もかも終わりだ」
って、お父様は私の頬を張ったの。
信じられない。次の王妃の顔を張るなんて!
なんだかラウールの気持ちが判った気がするわ。
王妃になったら一番先に極刑にしてやるんだから!
応援ありがとうございます!
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