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本編
20 〜 Side ルーファス (4)
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入学式当日ーー
上級生となる生徒会メンバーは、会場の入り口で受付を行い、胸元につける白薔薇のコサージュを新入生一人一人に手渡していた。
残念ながら、アイリスは別の生徒が担当していたため、挨拶すら交わせなかったが、俺が担当した新入生の中にヒロインが居た。
アンナ・バジュー男爵令嬢。
整った容姿で、珍しいピンクブロンドの髪色を持ち、人懐っこい笑顔を見せているヒロインは確かに見た目は可愛いと世間一般には判断されるもので、貴族子息からはモテるだろう。だが、アイリスのような洗練された美しさは全く見当たらない。不自然ではない程度に彼女の立ち振る舞いや動向を観察した俺はそう思った。ヒロインはただ目立つだけで、惹かれる要素は一切ない。どう見てもアイリスの方が素敵で素晴らしい女性だろう。
「入学おめでとう。こちらをどうぞ」
他人から見れば自然に見える笑顔を作りながら、他の生徒と同じ態度で白薔薇をヒロインに渡した。彼女は、ほんのりと頬を染めながら、上目遣いでお礼を述べてきたが、俺はそれに対して不快感しか感じなかった。
ヒロインの仕草や表情から、前世で俺の周りに現れ、自分の可愛さを全面にアピールしながら、何らかの期待を込めた目をする女達と同じものを感じたからだ。不快感を表に出さずにヒロインに会場に入るように促し、列に並んでいる次の生徒に声をかけた。
ーー入学式は滞りなく無事に終わった。
重要なのはこの後だ! 入学式後にヒロインと攻略対象者が出会いイベントを果たす。
悪役令嬢の婚約者となる者が、攻略対象者となる。
アイリスの婚約者はジル。
ジェラルド殿下ルートに入ってるはずだと判断し、2人が出会う場所を思い浮かべる。
ゲーム内でのジェラルド殿下とヒロインの出会いイベントは、校舎から図書館に向かう庭園で起こる。
実際にゲーム通りに展開するか確認すべく、図書館と庭園がよく見渡せる場所に移動した。特別塔と呼ばれる専門授業で使われる教室が多い建物に移動し、通常校舎と図書館の中間に位置し、庭園に面している2階の空き教室に入ると窓際に向かった。
声は聞こえないかもしれないが、ここならばよく見える。窓際に椅子を置き、庭園を眺めていると、図書館に足早に向かうジルが視界に入り、少し離れたところに、図書館から出てきたであろうピンクブロンドの髪のヒロインが現れた。
2人が庭園に現れたことに息を飲む。ゲームの出会いイベントが発生してしまった……。
2人がすれ違いそうな距離に近づいた時、ヒロインがジルに抱きつくように倒れこみ、反射的にジルが受け止めた。
その後、ヒロインが何度も頭を下げて謝っていて、ジルは気にしないように言っているんだろう。そんなジェスチャーが見えた。しかし、それでも頭を下げ続けるヒロインに、ジルの表情は少し困り顔をしている。しかも、しきりに図書館を気にしているようで、チラチラと視線を向けている。
図書館に何かあるのか? と、気にはなったが、その後の展開も見逃さないように、視線を2人に固定して注意深く眺めた。
本来、ゲームであれば、ようやく顔を上げた時の瞳の潤んだヒロインを見て惹かれ、優しく微笑み合い、少し名残惜しそうにジルが去って行くという出会いのシーンだが、顔を上げたヒロインを見ても、ジルは困ったような表情を崩していない。さらに、早くその場を去りたいような雰囲気を出しているように見える。少しすると、話が終わったようで、ジルは足早に図書館に向かった。一度も振り返ることもなく。ただ、ヒロインはジルが視界から完全に消えた後もしばらく、ジルが去った方を見ていた。
……これは、どういう事だ?
ゲーム通り、ジルとヒロインの出会いイベントが発生し、大まかな流れも大体同じだった。ある部分を除いて。転びかけるヒロインをジルが受け止め、ヒロインが必死に謝罪していたが、ジルの表情や感情はゲームに沿っていなかった。
どう見ても、ジルとヒロインは微笑み合ったりはしていないし、ヒロインに興味を持った様子もなかった。
ゲームの強制力によってイベントは引き起こされているようだが、人の気持ちにまでは影響していないのか?
いや、でも、ゲーム通りの展開にする強制力があるのなら、俺は遊学しているはずだ。行かないと決めたとしても何らかの理由で遊学させられ、この学園に通うことは出来ていないだろう。だから、強制力はないと思うのだが……。
2人が偶然イベントの様な出会いになることはあり得るのだろうか? もしかして、俺は『マ・シェリ』ではモブキャラ扱いだから、強制力の影響を受けていないだけなのか。様々な考えが頭を巡るが、強制力については、現状では判断がつかない。目に見えないため、ハッキリと確証を持つのは難しいのだ。
とりあえず、ジルの態度はゲームとは違った。
それには安堵した。ヒロインに惹かれていないのであれば、ゲーム通りに展開する可能性も低くなり、アイリスを断罪することはないだろう。
仮に、今回の様にゲーム通りのイベントが発生したとしても、キャラクターがゲーム通りに動くわけではなさそうだということを知れて良かった。
もちろん、今回だけで全てを判断するのは危険だ。次のイベントは確か2週間後。しばらくは様子を見ようと結論を出して帰宅した。
特に何もないまま、アイリスが入学して1週間が経った頃、サロンにジルとアイリスがやってきた。
そのサロンは生徒会メンバー及び許可された者のみが入室可能で、鬱陶しい令嬢達が入ってこれない場所である。そこでの休憩は、貴族のしがらみからも離れられるため、昨年に生徒会役員に選ばれてから重宝している。サロンは俺の昼の休憩場所だ。
いつもの様にソファに座って、本を読んでいると、ジルがアイリスを連れてサロンに入ってきた。アイリスを入学式の日に見ているが、会話を交わすのは実に久しぶりだ。
アイリスに声をかけようとしたところで、アイリスが淑女の礼を取り、微笑んで挨拶をした。
「ご機嫌よう、ルーファス様」
久々に会えたのに、公の場のような挨拶をされ、距離感を感じて思わず顔を顰めた。相手が正式な礼をしたならば、それを返さなければならない。不満を表すかのように、敢えて大げさに挨拶を返した。
「これは、これは麗しのアイリス嬢ではありませんか! ご機嫌はいかがですか?」
しかし、こんな表向きの対応は疲れる。そもそも貴族の煩わしさから逃れるために、サロンに来ているのだ。アイリスの態度から、王妃教育の成果でも見せたいのかと思ったが、普段の態度に戻すように言った。
「なんてな。アイリス、公の場じゃないんだから、そんな挨拶は止めてくれ。……よし! 今度から他人行儀な挨拶をしたら、お仕置きだからな」
悪戯っぽく告げると、途端にアイリスは纏っていた空気を崩して反論してきた。
「あら、普通に挨拶しただけよ」
「おい、ルー! アリーにお仕置きって、何するつもりだよ」
ジルが俺を軽く睨んでくる。全く。冗談の通じないやつだなぁ。意外とこいつ独占欲も強いんだよな。まぁ、せっかくアイリスと過ごせる貴重な時間なのに、俺とばかり楽しそうに談笑していることに拗ねているんだろう。
「ははっ、冗談だよ、冗談。可愛い妹のアイリスに酷いことなんてするわけないだろ」
「もう、ルーファスったら。私は妹じゃないわよ?」
「俺にとっては大切な妹と同じだよ。だから、ジル、忙しいからって、アイリスの事を蔑ろにしたら、許さないからな」
ジルは俺がアイリスの事を大切に思い、幸せを願っている事を知っている。もし、ジルがアイリスを傷つければ、俺がどんな手を使ってでもジルとアイリスの婚約を解消させることをジルは理解している。
もちろん、ジルはゲームの事は何も知らないし、入学式の日の様子からヒロインに興味はなさそうだったが、念のため、改めてジルに忠告することにした。目に力を込めて厳しい視線を向けると、ジルは俺の言いたい事を理解したのか、真剣に返答した。
「あぁ、わかってる。それに、そんな事はしない」
それからジルは表情を和らげるとニヤリと笑った。
「……というわけで、俺たちにとっての貴重な時間なんだ。ゆっくり昼食を取りたいんだが?」
「はいはい、わかったよ」
婚約者なのに一緒に過ごせる時間が少ないのはアイリスにとっても可哀想だと思い、2人きりにしてやろうと、読みかけの本を閉じ、ソファから立ち上がった。
「ルーファスはもう昼食をとったの?」
「いや、これからだな」
「それなら一緒に食べ……」
「アリー!」
一緒に昼食を取ろうと提案しかけたアイリスを遮り、ジルはアイリスの手を取って、切なげな表情を浮かべて言った。
「アリーは、俺と2人は嫌なの?」
「そんな事は決してありません! むしろ、いつでもジェラルド様と2人で居たいに……」
ジルに乗せられ、思わず本音を言ってしまったと気づいたアイリスは顔を真っ赤に染め、恥ずかしがって俯いた。アイリスは相変わらず素直で可愛いなぁと思いながら、2人の仲睦まじい様子を見て、つい笑みが零れた。
この2人と居るのは、やはり心地が良い。しかし、昼の休憩時間も有限だ。これ以上2人の時間を潰すと、後からジルが面倒くさくなるのはわかっているので、さっさとサロンを去ることにした。
「アイリス、せっかくなんだから、2人で過ごすと良い。またな」
そう言って、すれ違い様にアイリスの頭を軽くポンポンと叩いてサロンを出た。
上級生となる生徒会メンバーは、会場の入り口で受付を行い、胸元につける白薔薇のコサージュを新入生一人一人に手渡していた。
残念ながら、アイリスは別の生徒が担当していたため、挨拶すら交わせなかったが、俺が担当した新入生の中にヒロインが居た。
アンナ・バジュー男爵令嬢。
整った容姿で、珍しいピンクブロンドの髪色を持ち、人懐っこい笑顔を見せているヒロインは確かに見た目は可愛いと世間一般には判断されるもので、貴族子息からはモテるだろう。だが、アイリスのような洗練された美しさは全く見当たらない。不自然ではない程度に彼女の立ち振る舞いや動向を観察した俺はそう思った。ヒロインはただ目立つだけで、惹かれる要素は一切ない。どう見てもアイリスの方が素敵で素晴らしい女性だろう。
「入学おめでとう。こちらをどうぞ」
他人から見れば自然に見える笑顔を作りながら、他の生徒と同じ態度で白薔薇をヒロインに渡した。彼女は、ほんのりと頬を染めながら、上目遣いでお礼を述べてきたが、俺はそれに対して不快感しか感じなかった。
ヒロインの仕草や表情から、前世で俺の周りに現れ、自分の可愛さを全面にアピールしながら、何らかの期待を込めた目をする女達と同じものを感じたからだ。不快感を表に出さずにヒロインに会場に入るように促し、列に並んでいる次の生徒に声をかけた。
ーー入学式は滞りなく無事に終わった。
重要なのはこの後だ! 入学式後にヒロインと攻略対象者が出会いイベントを果たす。
悪役令嬢の婚約者となる者が、攻略対象者となる。
アイリスの婚約者はジル。
ジェラルド殿下ルートに入ってるはずだと判断し、2人が出会う場所を思い浮かべる。
ゲーム内でのジェラルド殿下とヒロインの出会いイベントは、校舎から図書館に向かう庭園で起こる。
実際にゲーム通りに展開するか確認すべく、図書館と庭園がよく見渡せる場所に移動した。特別塔と呼ばれる専門授業で使われる教室が多い建物に移動し、通常校舎と図書館の中間に位置し、庭園に面している2階の空き教室に入ると窓際に向かった。
声は聞こえないかもしれないが、ここならばよく見える。窓際に椅子を置き、庭園を眺めていると、図書館に足早に向かうジルが視界に入り、少し離れたところに、図書館から出てきたであろうピンクブロンドの髪のヒロインが現れた。
2人が庭園に現れたことに息を飲む。ゲームの出会いイベントが発生してしまった……。
2人がすれ違いそうな距離に近づいた時、ヒロインがジルに抱きつくように倒れこみ、反射的にジルが受け止めた。
その後、ヒロインが何度も頭を下げて謝っていて、ジルは気にしないように言っているんだろう。そんなジェスチャーが見えた。しかし、それでも頭を下げ続けるヒロインに、ジルの表情は少し困り顔をしている。しかも、しきりに図書館を気にしているようで、チラチラと視線を向けている。
図書館に何かあるのか? と、気にはなったが、その後の展開も見逃さないように、視線を2人に固定して注意深く眺めた。
本来、ゲームであれば、ようやく顔を上げた時の瞳の潤んだヒロインを見て惹かれ、優しく微笑み合い、少し名残惜しそうにジルが去って行くという出会いのシーンだが、顔を上げたヒロインを見ても、ジルは困ったような表情を崩していない。さらに、早くその場を去りたいような雰囲気を出しているように見える。少しすると、話が終わったようで、ジルは足早に図書館に向かった。一度も振り返ることもなく。ただ、ヒロインはジルが視界から完全に消えた後もしばらく、ジルが去った方を見ていた。
……これは、どういう事だ?
ゲーム通り、ジルとヒロインの出会いイベントが発生し、大まかな流れも大体同じだった。ある部分を除いて。転びかけるヒロインをジルが受け止め、ヒロインが必死に謝罪していたが、ジルの表情や感情はゲームに沿っていなかった。
どう見ても、ジルとヒロインは微笑み合ったりはしていないし、ヒロインに興味を持った様子もなかった。
ゲームの強制力によってイベントは引き起こされているようだが、人の気持ちにまでは影響していないのか?
いや、でも、ゲーム通りの展開にする強制力があるのなら、俺は遊学しているはずだ。行かないと決めたとしても何らかの理由で遊学させられ、この学園に通うことは出来ていないだろう。だから、強制力はないと思うのだが……。
2人が偶然イベントの様な出会いになることはあり得るのだろうか? もしかして、俺は『マ・シェリ』ではモブキャラ扱いだから、強制力の影響を受けていないだけなのか。様々な考えが頭を巡るが、強制力については、現状では判断がつかない。目に見えないため、ハッキリと確証を持つのは難しいのだ。
とりあえず、ジルの態度はゲームとは違った。
それには安堵した。ヒロインに惹かれていないのであれば、ゲーム通りに展開する可能性も低くなり、アイリスを断罪することはないだろう。
仮に、今回の様にゲーム通りのイベントが発生したとしても、キャラクターがゲーム通りに動くわけではなさそうだということを知れて良かった。
もちろん、今回だけで全てを判断するのは危険だ。次のイベントは確か2週間後。しばらくは様子を見ようと結論を出して帰宅した。
特に何もないまま、アイリスが入学して1週間が経った頃、サロンにジルとアイリスがやってきた。
そのサロンは生徒会メンバー及び許可された者のみが入室可能で、鬱陶しい令嬢達が入ってこれない場所である。そこでの休憩は、貴族のしがらみからも離れられるため、昨年に生徒会役員に選ばれてから重宝している。サロンは俺の昼の休憩場所だ。
いつもの様にソファに座って、本を読んでいると、ジルがアイリスを連れてサロンに入ってきた。アイリスを入学式の日に見ているが、会話を交わすのは実に久しぶりだ。
アイリスに声をかけようとしたところで、アイリスが淑女の礼を取り、微笑んで挨拶をした。
「ご機嫌よう、ルーファス様」
久々に会えたのに、公の場のような挨拶をされ、距離感を感じて思わず顔を顰めた。相手が正式な礼をしたならば、それを返さなければならない。不満を表すかのように、敢えて大げさに挨拶を返した。
「これは、これは麗しのアイリス嬢ではありませんか! ご機嫌はいかがですか?」
しかし、こんな表向きの対応は疲れる。そもそも貴族の煩わしさから逃れるために、サロンに来ているのだ。アイリスの態度から、王妃教育の成果でも見せたいのかと思ったが、普段の態度に戻すように言った。
「なんてな。アイリス、公の場じゃないんだから、そんな挨拶は止めてくれ。……よし! 今度から他人行儀な挨拶をしたら、お仕置きだからな」
悪戯っぽく告げると、途端にアイリスは纏っていた空気を崩して反論してきた。
「あら、普通に挨拶しただけよ」
「おい、ルー! アリーにお仕置きって、何するつもりだよ」
ジルが俺を軽く睨んでくる。全く。冗談の通じないやつだなぁ。意外とこいつ独占欲も強いんだよな。まぁ、せっかくアイリスと過ごせる貴重な時間なのに、俺とばかり楽しそうに談笑していることに拗ねているんだろう。
「ははっ、冗談だよ、冗談。可愛い妹のアイリスに酷いことなんてするわけないだろ」
「もう、ルーファスったら。私は妹じゃないわよ?」
「俺にとっては大切な妹と同じだよ。だから、ジル、忙しいからって、アイリスの事を蔑ろにしたら、許さないからな」
ジルは俺がアイリスの事を大切に思い、幸せを願っている事を知っている。もし、ジルがアイリスを傷つければ、俺がどんな手を使ってでもジルとアイリスの婚約を解消させることをジルは理解している。
もちろん、ジルはゲームの事は何も知らないし、入学式の日の様子からヒロインに興味はなさそうだったが、念のため、改めてジルに忠告することにした。目に力を込めて厳しい視線を向けると、ジルは俺の言いたい事を理解したのか、真剣に返答した。
「あぁ、わかってる。それに、そんな事はしない」
それからジルは表情を和らげるとニヤリと笑った。
「……というわけで、俺たちにとっての貴重な時間なんだ。ゆっくり昼食を取りたいんだが?」
「はいはい、わかったよ」
婚約者なのに一緒に過ごせる時間が少ないのはアイリスにとっても可哀想だと思い、2人きりにしてやろうと、読みかけの本を閉じ、ソファから立ち上がった。
「ルーファスはもう昼食をとったの?」
「いや、これからだな」
「それなら一緒に食べ……」
「アリー!」
一緒に昼食を取ろうと提案しかけたアイリスを遮り、ジルはアイリスの手を取って、切なげな表情を浮かべて言った。
「アリーは、俺と2人は嫌なの?」
「そんな事は決してありません! むしろ、いつでもジェラルド様と2人で居たいに……」
ジルに乗せられ、思わず本音を言ってしまったと気づいたアイリスは顔を真っ赤に染め、恥ずかしがって俯いた。アイリスは相変わらず素直で可愛いなぁと思いながら、2人の仲睦まじい様子を見て、つい笑みが零れた。
この2人と居るのは、やはり心地が良い。しかし、昼の休憩時間も有限だ。これ以上2人の時間を潰すと、後からジルが面倒くさくなるのはわかっているので、さっさとサロンを去ることにした。
「アイリス、せっかくなんだから、2人で過ごすと良い。またな」
そう言って、すれ違い様にアイリスの頭を軽くポンポンと叩いてサロンを出た。
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