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233、領域の内側
「気が付きませんか? あれだけこちらに襲い掛かってきていた魔物たちが、今はもう出てこない。まるでさっきまでの攻撃が嘘のようにね」
リアナはエリクの言葉に辺りを見渡した。
そしてコクリと頷く。
「確かにそうね。まるで潮が引いたように魔物がいなくなったわ、どうしてかしら?」
アンジェは首を傾げる。
「まだ敵の巣まで距離があるのかしら。かなりの数を倒したから、この辺りにいる集団は狩りつくしたとか?」
その言葉に、討伐隊の隊長であるエリクは首を横に振った。
「逆ですよ、巣が近い証拠です」
「でもだったらどうして? 巣に近づいているなら、もっと抵抗が激しくなるものでしょう?」
魔物の気配を感じないために『紅』を鞘に仕舞いながら、そう口にするアンジェ。
その疑問にエイジとエリスも頷いた。
「確かに、こんなに静かなのはおかしいよな」
「ええ、静かすぎるぐらいだわ」
リアナは仲間にホーリーブレスをかけ直しながら、エリクに尋ねる。
「パラサイトアントの巣って一体どんなところなんですか? 昆虫型の魔物の巣って言うとキングキャタピラーを思い出すわ」
「ああ、そうだな」
同意するエイジとあの時のことを思い出したのか、ブルっと体を震わせるリアナ。
エリクはその疑問に首を横に振ると、静かに口を開いた。
「ふむ、そうですね昆虫型の魔物の巣というのとは少し違うかもしれませんね」
「どういうことですか?」
不思議そうにリアナが尋ねた。
「パラサイトアントの巧妙なところは、個体に寄生をする事だけじゃないんですよ。集団に寄生をするんです」
「集団に寄生をする?」
思わず問い返すエイジに、エリクは頷く。
そして、通路に倒れるリザードドラゴンを眺めた。
「分かりやすく言えば、寄生した宿主に巣を作らせるんです。いわばその集団ごと支配するんですよ」
エリスはそれを聞いて暫く考え込むと言った。
「つまり、これから向かうのはパラサイトアントのというよりは、リザードドラゴンの巣なのね?」
「ええ、エリス。そういうことです」
ライアンが背を壁にもたれかけて楽な姿勢になると、エリスに言う。
「まあ普通なら、リザードドラゴンは大集団の巣なんて作らねえんだけどな」
「でも今まで私たちを襲ってきたパラサイトアントが宿主にしていたのは、みんなリザードドラゴンよ。あれだけの数だもの、小規模の集団のはずがないわ」
ここにくるまでに、相当な数のリザードドラゴンを倒していることからもそれは明らかだろう。
エリクはその疑問に答えた。
「私の言葉が足りなかったですね。エリスの言葉に補足するとしたら、これから向かうのは、いわばパラサイトアントが作り上げた宿主の巣なんですよ。ある意味、宿主を作り出すため場所と言ってもいい」
「宿主を作り出す為の場所……」
エリスは不気味な場所を想像して、思わず黙り込んだ。
討伐部隊の隊長は静まり返った周囲を眺めると。
「そうです、魔物が引いたのは守りに帰ったんですよ。彼らにとって一番大切な存在を」
「一番大事な存在?」
首を傾げるリアナ。
すると、オリビアが通路の先を眺めながら言う。
「その存在は、特殊な力で群れを統率しているわ。群れが引いたのも、その力が届く領域に私たちが踏み入ったからよ」
その言葉にリアナは思わずギュッとエイジの手を握る。
エリクはオリビアの言葉に頷きながら、エイジたちを見つめた。
「ええ。つまり、もう私たちは彼女の支配領域の内側にいる。そういうことです」
リアナはエリクの言葉に辺りを見渡した。
そしてコクリと頷く。
「確かにそうね。まるで潮が引いたように魔物がいなくなったわ、どうしてかしら?」
アンジェは首を傾げる。
「まだ敵の巣まで距離があるのかしら。かなりの数を倒したから、この辺りにいる集団は狩りつくしたとか?」
その言葉に、討伐隊の隊長であるエリクは首を横に振った。
「逆ですよ、巣が近い証拠です」
「でもだったらどうして? 巣に近づいているなら、もっと抵抗が激しくなるものでしょう?」
魔物の気配を感じないために『紅』を鞘に仕舞いながら、そう口にするアンジェ。
その疑問にエイジとエリスも頷いた。
「確かに、こんなに静かなのはおかしいよな」
「ええ、静かすぎるぐらいだわ」
リアナは仲間にホーリーブレスをかけ直しながら、エリクに尋ねる。
「パラサイトアントの巣って一体どんなところなんですか? 昆虫型の魔物の巣って言うとキングキャタピラーを思い出すわ」
「ああ、そうだな」
同意するエイジとあの時のことを思い出したのか、ブルっと体を震わせるリアナ。
エリクはその疑問に首を横に振ると、静かに口を開いた。
「ふむ、そうですね昆虫型の魔物の巣というのとは少し違うかもしれませんね」
「どういうことですか?」
不思議そうにリアナが尋ねた。
「パラサイトアントの巧妙なところは、個体に寄生をする事だけじゃないんですよ。集団に寄生をするんです」
「集団に寄生をする?」
思わず問い返すエイジに、エリクは頷く。
そして、通路に倒れるリザードドラゴンを眺めた。
「分かりやすく言えば、寄生した宿主に巣を作らせるんです。いわばその集団ごと支配するんですよ」
エリスはそれを聞いて暫く考え込むと言った。
「つまり、これから向かうのはパラサイトアントのというよりは、リザードドラゴンの巣なのね?」
「ええ、エリス。そういうことです」
ライアンが背を壁にもたれかけて楽な姿勢になると、エリスに言う。
「まあ普通なら、リザードドラゴンは大集団の巣なんて作らねえんだけどな」
「でも今まで私たちを襲ってきたパラサイトアントが宿主にしていたのは、みんなリザードドラゴンよ。あれだけの数だもの、小規模の集団のはずがないわ」
ここにくるまでに、相当な数のリザードドラゴンを倒していることからもそれは明らかだろう。
エリクはその疑問に答えた。
「私の言葉が足りなかったですね。エリスの言葉に補足するとしたら、これから向かうのは、いわばパラサイトアントが作り上げた宿主の巣なんですよ。ある意味、宿主を作り出すため場所と言ってもいい」
「宿主を作り出す為の場所……」
エリスは不気味な場所を想像して、思わず黙り込んだ。
討伐部隊の隊長は静まり返った周囲を眺めると。
「そうです、魔物が引いたのは守りに帰ったんですよ。彼らにとって一番大切な存在を」
「一番大事な存在?」
首を傾げるリアナ。
すると、オリビアが通路の先を眺めながら言う。
「その存在は、特殊な力で群れを統率しているわ。群れが引いたのも、その力が届く領域に私たちが踏み入ったからよ」
その言葉にリアナは思わずギュッとエイジの手を握る。
エリクはオリビアの言葉に頷きながら、エイジたちを見つめた。
「ええ。つまり、もう私たちは彼女の支配領域の内側にいる。そういうことです」
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