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連載
244、現れたモノ
「気を付けて! 何か来るわ!!」
アンジェのその言葉に、ライアンが鼻をヒクつかせる。
そして首を傾げた。
「変だな。俺の鼻には何も反応しないぜ?」
「それは変だにゃ。ライアンの嗅覚は、普通のシーフよりも役に立つぐらいにゃのに」
エリスとリアナも顔を見合わせた。
「どういうことかしら?」
「間違いないの? アンジェ」
皆の疑問を横で聞きながらも、アンジェは力強く頷いた。
「間違いないわ。前方、約50m程度でゆっくりとこちらに向かってきてる」
エイジは大剣を構えると、アンジェの言葉に同意する。
「アンジェが言ってるんだ。間違いないさ、相手と遭遇してみれば分かる話だ」
そう言ってパーティの先頭に立つ。
その横に、大槍を構えたライアンが並んだ。
「へへ、まあそうだな。エイジ」
階層を下りるにつれて、戦闘時の陣形もエリクの指揮の元、堅固になっている。
先頭に立つのはエイジとライアンのダブルチーム。
パワー型の魔物に押し切られない為だ。
その後ろに自在型のオリビア。
華麗に一撃離脱を繰り返し、敵を倒していくのが特徴である。
アンジェの警告に女騎士の背に大きな翼が広がっていき、エメラルドグリーンの髪が静かに揺れる。
「そうね。直に分かるわ」
一方で魔導士の三人、エリスとリアナとシェリルはパーティの中央で守られている。
パーティの末尾に控えるのが、万が一後方からの攻撃を受けた場合に対処するための要員であるエリクとアンジェだ。
ただし、ここは変則的で、先程まではアンジェがオリビアの位置にいたのだが……。
「もう! さっきまでは私も前衛の一人だったのに」
「私も戦いたい」というアンジェの願いに、オリビアと交代をしつつここまで進んできたのである。
エリクとしては自分が先行した方が戦いやすいだろうが、それでは意味がない。
訓練任務においては、仲間の力量を的確に判断して経験を積ませるのも、指揮官の重要な役割の一つだからだ。
エリクは皆の様子を眺めながら──。
(階層はまだ浅いですが、どうやら来ましたね)
エリクはリアナに声をかける。
「リアナ、先程話をしたことを覚えていますね」
「ええ、エリクさん。じゃあもしかして?」
リアナの疑問にエリクは頷いた。
「恐らくは。それでは打ち合わせ通りにお願いします」
その言葉にリアナはコクンと頷くと、胸を張る。
「分かったわ。やってみる!」
通路の先を見つめるリアナの瞳。
暗闇の中からライトーラの光の中に何かが姿を現す。
だがそれは魔物ではない。
人だ。
全身鎧を着た男が、こちらに向かって歩いてくる。
冒険者だろうか?
だが先頭に立つエイジたちを見ても、男は全くの無反応である。
そもそも、パーティも組まずにここまで一人で来たのだろうか?
その右手には立派なロングソードが握られている。
ライアンはペロリと舌で口元を舐めると、前を向いたまま隣に立っているエイジに言葉をかけた。
「なるほどな、どうやらこいつ例のやつらしいぜ。エイジ」
「ああ、そのようだな。気を付けろ、ライアン!」
エイジがライアンにそう注意を促した、その瞬間!
鎧の剣士の体が霞むように消えた。
それが高速での踏み込みだとエリスが気が付いた時にはもう、その剣士はライアンの目の前に立ち右手に握る剣を振り下ろそうとしていた。
アンジェのその言葉に、ライアンが鼻をヒクつかせる。
そして首を傾げた。
「変だな。俺の鼻には何も反応しないぜ?」
「それは変だにゃ。ライアンの嗅覚は、普通のシーフよりも役に立つぐらいにゃのに」
エリスとリアナも顔を見合わせた。
「どういうことかしら?」
「間違いないの? アンジェ」
皆の疑問を横で聞きながらも、アンジェは力強く頷いた。
「間違いないわ。前方、約50m程度でゆっくりとこちらに向かってきてる」
エイジは大剣を構えると、アンジェの言葉に同意する。
「アンジェが言ってるんだ。間違いないさ、相手と遭遇してみれば分かる話だ」
そう言ってパーティの先頭に立つ。
その横に、大槍を構えたライアンが並んだ。
「へへ、まあそうだな。エイジ」
階層を下りるにつれて、戦闘時の陣形もエリクの指揮の元、堅固になっている。
先頭に立つのはエイジとライアンのダブルチーム。
パワー型の魔物に押し切られない為だ。
その後ろに自在型のオリビア。
華麗に一撃離脱を繰り返し、敵を倒していくのが特徴である。
アンジェの警告に女騎士の背に大きな翼が広がっていき、エメラルドグリーンの髪が静かに揺れる。
「そうね。直に分かるわ」
一方で魔導士の三人、エリスとリアナとシェリルはパーティの中央で守られている。
パーティの末尾に控えるのが、万が一後方からの攻撃を受けた場合に対処するための要員であるエリクとアンジェだ。
ただし、ここは変則的で、先程まではアンジェがオリビアの位置にいたのだが……。
「もう! さっきまでは私も前衛の一人だったのに」
「私も戦いたい」というアンジェの願いに、オリビアと交代をしつつここまで進んできたのである。
エリクとしては自分が先行した方が戦いやすいだろうが、それでは意味がない。
訓練任務においては、仲間の力量を的確に判断して経験を積ませるのも、指揮官の重要な役割の一つだからだ。
エリクは皆の様子を眺めながら──。
(階層はまだ浅いですが、どうやら来ましたね)
エリクはリアナに声をかける。
「リアナ、先程話をしたことを覚えていますね」
「ええ、エリクさん。じゃあもしかして?」
リアナの疑問にエリクは頷いた。
「恐らくは。それでは打ち合わせ通りにお願いします」
その言葉にリアナはコクンと頷くと、胸を張る。
「分かったわ。やってみる!」
通路の先を見つめるリアナの瞳。
暗闇の中からライトーラの光の中に何かが姿を現す。
だがそれは魔物ではない。
人だ。
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冒険者だろうか?
だが先頭に立つエイジたちを見ても、男は全くの無反応である。
そもそも、パーティも組まずにここまで一人で来たのだろうか?
その右手には立派なロングソードが握られている。
ライアンはペロリと舌で口元を舐めると、前を向いたまま隣に立っているエイジに言葉をかけた。
「なるほどな、どうやらこいつ例のやつらしいぜ。エイジ」
「ああ、そのようだな。気を付けろ、ライアン!」
エイジがライアンにそう注意を促した、その瞬間!
鎧の剣士の体が霞むように消えた。
それが高速での踏み込みだとエリスが気が付いた時にはもう、その剣士はライアンの目の前に立ち右手に握る剣を振り下ろそうとしていた。
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