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254、両手の魔法陣
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『決めた! やっぱり私、エイジと一緒に行く! ね、いいでしょ? エイジ』
それを見てミイムもエイジの首に抱きつく。
『ミイムも行きたいです! 一緒に冒険するです!』
二人にせがまれてエイジは、思わず頭を掻いた。
リイムはそんなエイジを見て両手を広げて説得を試みる。
『ねえエイジ、私たち絶対エイジの役に立つわ。ううん、たってみせる! だから、お願い……』
『ミイムも役に立つです! エイジ……』
小さな手を胸の前に合わせて、エイジを見つめる青と赤の精霊。
その姿を眺めながら、返事に窮するエイジ。
リアナがそれを見てエイジに尋ねる。
「どうしたの? エイジ。この子たち何かお願いしてるみたいだけど」
「ああ、俺たちと一緒に行きたいんだってさ。人間の世界が見たいみたいなんだ」
それを聞いてリアナはリイムとミイムを覗き込む。
ミイムのほっぺたを指でつつく。
そしてニッコリを微笑んだ。
「この子たち冒険したいのね。分かるわ、私とエリスがそうだったもの」
エリスも頷く。
「そうね、リアナ」
エリスとリアナをジッと見つめるリイムとミイム。
ライアンがそれを聞いて肩をすくめると。
「いいじゃねえか、連れて行ってやれば。エリク先輩が言ってたぜ、別に精霊使いは職業じゃねえってな。剣士で精霊使いっていうのもありらしいぜ」
「そうなのか? 特別な魔法使いか何かかと思ってたぜ」
エイジが元いた世界でやっていたMMOでも精霊使いや召喚士といった職業はあったが、それはどれも特殊な魔法使いだった。
だから、剣士で精霊使いというイメージは沸かないな、とエイジは思う。
「でも、それなら俺がリイムやミイムと契約をしてもかまわないんだな?」
エイジの疑問にエリクは頷いた。
「ええ、エイジ。物語に語り継がれている英雄や勇者と呼ばれる者の中にも、精霊に愛されている人物は多い。精霊は幸運をもたらしてくれるといいますからね」
「へえ~、幸運か」
エイジはそう言いながら、リイムとミイムを見つめる。
人間達の会話に首を傾げながらも、大きな瞳でジッとエイジを見つめる二人。
「確かにそんな感じはするな。それにこんな顔してじっと見つめられたらさ。なあ、みんな、リイムとミイムを連れて行ってもいいかな?」
エリスとリアナは顔を見合わせて。
「そうね、ここで出会ったのも何かの縁かもしれないわ」
「ふふ、とっても可愛い仲間ね」
アンジェもミイムの頬を突きながら頷いた。
「確かに、私たちにとって幸運は一番大事かもしれないし」
白王の薔薇を手に入れるにはということだろう。
エリクはエイジたちに言った。
「幸運だけじゃありませんよ。精霊がいればそのパーティにいる魔道士は、同じ属性の魔法の力が強くなりますし、精霊と契約したものは特殊な力も使えるようになります」
「へえ、魔法の力が。それは凄いな。それに特殊な力って?」
首を傾げるエイジに、エリクはふむといった表情でリイムとミイムを眺める。
「それは、分かりませんね。どんな力を秘めているのか精霊によって違うと聞きますから」
「そうなんだ。精霊か、まさか本当にそんな存在がいるなんて思わなかったもんな」
仲間の同意も得られて、エイジは改めてリイムとミイムを改めて見つめた。
そして、彼女たちに微笑む。
『俺の仲間はいいってさ。リイム、ミイム一緒に来るか?』
エイジのその言葉に、リイムとミイムは小さな両手をお互いに繋いで嬉しそうにはしゃいだ。
『ほんとに!? エイジ、ほんとにほんと? やったぁ!!』
『ほんとにほんとですか! ミイム冒険に行けるですか!?』
飛び跳ねる二人を見守る一行。
そんな中、エイジはファルティーシアに尋ねる。
『構いませんか? 俺が彼女たちの精霊使いとして、二人を連れて行っても』
ファルティーシアは苦笑しながら。
『貴方がいいと言うのなら。例え今行かなくとも、いずれ近い将来この二人はここを旅立って行くでしょう。それならば二人が望む相手が良いに決まっていますから』
気が付くと、いつの間にかエイジの両手の甲にそれぞれ一つづつ魔法陣が描かれている。
それは精霊の文字で描かれた魔法陣だ。
右手が青、左手が赤だ。
エイジは自分が青と赤の光に包まれていくのを感じた。
『リイム、ミイム、さあ契約の言葉を』
それを見てミイムもエイジの首に抱きつく。
『ミイムも行きたいです! 一緒に冒険するです!』
二人にせがまれてエイジは、思わず頭を掻いた。
リイムはそんなエイジを見て両手を広げて説得を試みる。
『ねえエイジ、私たち絶対エイジの役に立つわ。ううん、たってみせる! だから、お願い……』
『ミイムも役に立つです! エイジ……』
小さな手を胸の前に合わせて、エイジを見つめる青と赤の精霊。
その姿を眺めながら、返事に窮するエイジ。
リアナがそれを見てエイジに尋ねる。
「どうしたの? エイジ。この子たち何かお願いしてるみたいだけど」
「ああ、俺たちと一緒に行きたいんだってさ。人間の世界が見たいみたいなんだ」
それを聞いてリアナはリイムとミイムを覗き込む。
ミイムのほっぺたを指でつつく。
そしてニッコリを微笑んだ。
「この子たち冒険したいのね。分かるわ、私とエリスがそうだったもの」
エリスも頷く。
「そうね、リアナ」
エリスとリアナをジッと見つめるリイムとミイム。
ライアンがそれを聞いて肩をすくめると。
「いいじゃねえか、連れて行ってやれば。エリク先輩が言ってたぜ、別に精霊使いは職業じゃねえってな。剣士で精霊使いっていうのもありらしいぜ」
「そうなのか? 特別な魔法使いか何かかと思ってたぜ」
エイジが元いた世界でやっていたMMOでも精霊使いや召喚士といった職業はあったが、それはどれも特殊な魔法使いだった。
だから、剣士で精霊使いというイメージは沸かないな、とエイジは思う。
「でも、それなら俺がリイムやミイムと契約をしてもかまわないんだな?」
エイジの疑問にエリクは頷いた。
「ええ、エイジ。物語に語り継がれている英雄や勇者と呼ばれる者の中にも、精霊に愛されている人物は多い。精霊は幸運をもたらしてくれるといいますからね」
「へえ~、幸運か」
エイジはそう言いながら、リイムとミイムを見つめる。
人間達の会話に首を傾げながらも、大きな瞳でジッとエイジを見つめる二人。
「確かにそんな感じはするな。それにこんな顔してじっと見つめられたらさ。なあ、みんな、リイムとミイムを連れて行ってもいいかな?」
エリスとリアナは顔を見合わせて。
「そうね、ここで出会ったのも何かの縁かもしれないわ」
「ふふ、とっても可愛い仲間ね」
アンジェもミイムの頬を突きながら頷いた。
「確かに、私たちにとって幸運は一番大事かもしれないし」
白王の薔薇を手に入れるにはということだろう。
エリクはエイジたちに言った。
「幸運だけじゃありませんよ。精霊がいればそのパーティにいる魔道士は、同じ属性の魔法の力が強くなりますし、精霊と契約したものは特殊な力も使えるようになります」
「へえ、魔法の力が。それは凄いな。それに特殊な力って?」
首を傾げるエイジに、エリクはふむといった表情でリイムとミイムを眺める。
「それは、分かりませんね。どんな力を秘めているのか精霊によって違うと聞きますから」
「そうなんだ。精霊か、まさか本当にそんな存在がいるなんて思わなかったもんな」
仲間の同意も得られて、エイジは改めてリイムとミイムを改めて見つめた。
そして、彼女たちに微笑む。
『俺の仲間はいいってさ。リイム、ミイム一緒に来るか?』
エイジのその言葉に、リイムとミイムは小さな両手をお互いに繋いで嬉しそうにはしゃいだ。
『ほんとに!? エイジ、ほんとにほんと? やったぁ!!』
『ほんとにほんとですか! ミイム冒険に行けるですか!?』
飛び跳ねる二人を見守る一行。
そんな中、エイジはファルティーシアに尋ねる。
『構いませんか? 俺が彼女たちの精霊使いとして、二人を連れて行っても』
ファルティーシアは苦笑しながら。
『貴方がいいと言うのなら。例え今行かなくとも、いずれ近い将来この二人はここを旅立って行くでしょう。それならば二人が望む相手が良いに決まっていますから』
気が付くと、いつの間にかエイジの両手の甲にそれぞれ一つづつ魔法陣が描かれている。
それは精霊の文字で描かれた魔法陣だ。
右手が青、左手が赤だ。
エイジは自分が青と赤の光に包まれていくのを感じた。
『リイム、ミイム、さあ契約の言葉を』
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