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連載
278、鍵と封印
エイジは、男が手にする剣を見つめていた。
(今、あの老人が言っていた鍵と封印。まさかオリビアが言っていた物のことか?)
あの男の力の根源。
白王の力を宿した剣と鞘。
それが一つになって一本の大剣になることで、凄まじい力をあの男に与えていた。
(もしそうだとしたら……)
オリビアが言っていた鍵と封印と呼ばれる遺物が一つになったら、それを手にした者はどうなるのだろうか?
エリスも同じことを考えていたのだろう、エイジを見つめている。
「エリス」
「ええ、エイジ」
男の傲慢な哄笑が辺りに響き渡っている。
それが地上に君臨する神のごとき存在だとしたら、地上は闇に包まれるだろう。
そう思わせるようなその笑い声。
「いけない!」
その時、メグが叫ぶ。
と同時に目の前の光景が途切れる。
「きゃ!」
「何だ!?」
思わずエイジとエリスも声を上げた。
気が付くと、エイジたちは元の大樹の枝の上に戻っている。
メグが、しょんぼりとエイジを見上げた。
虹色のメグの髪が触れていたはずの葉が、完全に枯れて消滅していく。
「力を注ぎ込み過ぎたみたい。ごめんなさい、無理やり修復しようとしたから……」
塵になって消え去っていく大樹の葉を眺めながら、エイジは首を横に振った。
「メグは悪くないさ。頼んだのはこっちだ」
「そうよ、ありがとうメグ!」
二人の言葉にメグは照れ臭そうに笑った。
「へへ、頑張ったのよ。ねえ、エイジ、エリス、白王の薔薇の事じゃなかったけど、少しは役に立った?」
エイジは大きく頷いた。
「白王が、太古の精霊の王様だって分かっただけでも大きいさ。もしかしたら、ファルティーシアさんが何かを知っているかもしれない」
「そうね、彼女は高位精霊なんだもの。きっと何か知っているわ」
(鍵と封印のことも気になるけど。まずは白王の薔薇だ)
とエイジは思った。
二人の言葉にメグは首を横に振る。
「それは難しいと思うわ。これはリカルドから聞いたんだけど、彼の研究によると精霊族は太古に一度滅びかけたそうなの。今生き残っているのは、その滅びを生き延びた僅かな下級精霊たちの子孫なのよ。その中でようやく力をつけてきた存在が、ファルティーシア。ファルティーシアでも、かつての精霊たちが持っていた力とは比べ物にならないんですって。当時の高位精霊が生きていれば、何か伝わったのかもしれないけど」
エイジは、映像に映っていた白い竜を思い出す。
あれが精霊の王だとしたら、確かに桁違いの存在だ。
(待てよ?)
とエイジは思う。
そして、慌ててメグに尋ねた。
「メグは、リカルドさんのことを知っているのか?」
その問いにメグは首を傾げた。
「ええ、もちろん。エイジだって知ってるんでしょ? そう感じるもの」
どうやらメグには、エイジがリカルドを知っていることは筒抜けのようだ。
「ああ、俺の父さんの知り合いなんだ。腕のいい鍛冶職人さ」
エイジの言葉にメグはクスクスと笑う。
「リカルドは鍛冶職人なんかじゃないわ。彼の知識はもっと深くて広いもの、私たちが興味を惹かれる程にね。人間を私たちの思考空間に招いたのは、エイジたちを除いたらリカルドぐらいよ」
(今、あの老人が言っていた鍵と封印。まさかオリビアが言っていた物のことか?)
あの男の力の根源。
白王の力を宿した剣と鞘。
それが一つになって一本の大剣になることで、凄まじい力をあの男に与えていた。
(もしそうだとしたら……)
オリビアが言っていた鍵と封印と呼ばれる遺物が一つになったら、それを手にした者はどうなるのだろうか?
エリスも同じことを考えていたのだろう、エイジを見つめている。
「エリス」
「ええ、エイジ」
男の傲慢な哄笑が辺りに響き渡っている。
それが地上に君臨する神のごとき存在だとしたら、地上は闇に包まれるだろう。
そう思わせるようなその笑い声。
「いけない!」
その時、メグが叫ぶ。
と同時に目の前の光景が途切れる。
「きゃ!」
「何だ!?」
思わずエイジとエリスも声を上げた。
気が付くと、エイジたちは元の大樹の枝の上に戻っている。
メグが、しょんぼりとエイジを見上げた。
虹色のメグの髪が触れていたはずの葉が、完全に枯れて消滅していく。
「力を注ぎ込み過ぎたみたい。ごめんなさい、無理やり修復しようとしたから……」
塵になって消え去っていく大樹の葉を眺めながら、エイジは首を横に振った。
「メグは悪くないさ。頼んだのはこっちだ」
「そうよ、ありがとうメグ!」
二人の言葉にメグは照れ臭そうに笑った。
「へへ、頑張ったのよ。ねえ、エイジ、エリス、白王の薔薇の事じゃなかったけど、少しは役に立った?」
エイジは大きく頷いた。
「白王が、太古の精霊の王様だって分かっただけでも大きいさ。もしかしたら、ファルティーシアさんが何かを知っているかもしれない」
「そうね、彼女は高位精霊なんだもの。きっと何か知っているわ」
(鍵と封印のことも気になるけど。まずは白王の薔薇だ)
とエイジは思った。
二人の言葉にメグは首を横に振る。
「それは難しいと思うわ。これはリカルドから聞いたんだけど、彼の研究によると精霊族は太古に一度滅びかけたそうなの。今生き残っているのは、その滅びを生き延びた僅かな下級精霊たちの子孫なのよ。その中でようやく力をつけてきた存在が、ファルティーシア。ファルティーシアでも、かつての精霊たちが持っていた力とは比べ物にならないんですって。当時の高位精霊が生きていれば、何か伝わったのかもしれないけど」
エイジは、映像に映っていた白い竜を思い出す。
あれが精霊の王だとしたら、確かに桁違いの存在だ。
(待てよ?)
とエイジは思う。
そして、慌ててメグに尋ねた。
「メグは、リカルドさんのことを知っているのか?」
その問いにメグは首を傾げた。
「ええ、もちろん。エイジだって知ってるんでしょ? そう感じるもの」
どうやらメグには、エイジがリカルドを知っていることは筒抜けのようだ。
「ああ、俺の父さんの知り合いなんだ。腕のいい鍛冶職人さ」
エイジの言葉にメグはクスクスと笑う。
「リカルドは鍛冶職人なんかじゃないわ。彼の知識はもっと深くて広いもの、私たちが興味を惹かれる程にね。人間を私たちの思考空間に招いたのは、エイジたちを除いたらリカルドぐらいよ」
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