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232、刺繍のハンカチ
「ひとまず体を休めてください。この後は、いよいよ討伐任務の最終段階ですよ」
エリクの言葉にオリビアは頷くと、制服のポケットから白いハンカチを取り出した。
ロードファエル家の紋章だろう、見事な刺繍が端に施されていた。
「頬が汚れているわ。これを使いなさい」
そう言って、ハンカチをエイジに突きつけるように手渡した。
それを見てライアンがシェリルに囁いた。
「おい、見たかよ。貴族の世界じゃあ決闘したい奴にハンカチを突きつけることもあるって聞いたぜ、やっぱりオリビアの奴まだエイジを……」
「それを言うにゃら、手袋を投げるじゃないのきゃ? ほんと、ライアンは女心が分からない奴だにゃ」
相棒のその言葉に、ライアンは心外だと言う顔をして。
「何言ってやがる。オリビアは女扱いしたら怒るじゃねえかよ、私は騎士だってな。それに比べて可愛いよなぁ、エリスとリアナ、それにアンジェもよ。こんな子たちと一緒なんて、今日はほんとついてるぜ!」
「うにゃぁ、ライアンお前ってほんと幸せな奴だにゃ」
エイジはオリビアに礼を言うと、ハンカチで頬の汚れを拭う。
「ありがとな、オリビア」
「別に、礼を言われるほどの事じゃないわ」
オリビアはエイジからハンカチを受け取ると、ポケットにしまう。
ライアンはそれを見て、不服そうにシェリルに言った。
「オリビアの奴。俺が貸してくれって言った時は、いつも洗って返しなさいって言うくせによ!」
「ふにゃ。それは、ライアンが真っ黒になるまで使って返そうとするからにゃ。デリカシーの問題にゃ」
そんな中、アンジェはオリビアの前に立つと胸を張って見せる。
「どう? 倒した魔物の数なら貴方たちにも負けてないわ。もう一度戦ったら今度は負けないわよ」
「どうかしら? 何度やっても結果は同じだと思うけど」
冷静な瞳の女騎士。
それを聞いてアンジェが『紅』を構える。
「何ですって! じゃあここで勝負をつけてみる?」
エリスとリアナが慌てたように止めに入る。
「止めなさいよこんなところで」
「そうよ、アンジェ」
余程気に入らないのだろう、アンジェはツンと顔を背ける。
エイジはそれを見て苦笑した。
(全く、同じ魔法剣士でも水と油だな)
炎のように激しいアンジェと、冷静沈着なオリビア。
まるで使っている剣が、その特徴を示しているようだ。
エイジはそんな二人を眺めながら。
「アンジェは強くなったよな。今朝とは見違えるようだぜ」
「へへ、そうでしょ? エイジはやっぱり分かってるわよね」
ライアンはそれを聞いて呆れたように。
「おいおい、エイジ。お前がそれを言うかよ」
オリビアは肩をすくめる。
「全くだわ、貴方こそまるで別人だもの。『ゲスト』では無いにしても、一体何者なの? それだけの腕があれば、王宮に仕える騎士にだってなれるわ」
エリクはそんなオリビアに言う。
「彼らは冒険者ですよ、それ以上の詮索は無用です。ふふ、それにしても珍しいですね。オリビア、貴方が他人にそんなに興味を持つなんて」
討伐部隊の隊長のその言葉に、一瞬オリビアの頬が染まった。
「ただ聞いてみただけです。別に興味があるわけではないわ」
エリクは頷くと。
「それならいいんです。さて、休憩をしながらこれからの作戦を話しましょうか」
その言葉に皆、真剣な表情に変わる。
エイジはエリクに尋ねた。
「エリクさん。討伐の最終段階って言ってましたけど、これから何をするんですか?」
エリスやリアナも興味深そうに頷く。
近くに倒れている魔物を眺めながらエリクは言う。
「気が付きませんか? あれだけこちらに襲い掛かってきていた魔物たちが、今はもう出てこない。まるでさっきまでの攻撃が嘘のようにね」
エリクの言葉にオリビアは頷くと、制服のポケットから白いハンカチを取り出した。
ロードファエル家の紋章だろう、見事な刺繍が端に施されていた。
「頬が汚れているわ。これを使いなさい」
そう言って、ハンカチをエイジに突きつけるように手渡した。
それを見てライアンがシェリルに囁いた。
「おい、見たかよ。貴族の世界じゃあ決闘したい奴にハンカチを突きつけることもあるって聞いたぜ、やっぱりオリビアの奴まだエイジを……」
「それを言うにゃら、手袋を投げるじゃないのきゃ? ほんと、ライアンは女心が分からない奴だにゃ」
相棒のその言葉に、ライアンは心外だと言う顔をして。
「何言ってやがる。オリビアは女扱いしたら怒るじゃねえかよ、私は騎士だってな。それに比べて可愛いよなぁ、エリスとリアナ、それにアンジェもよ。こんな子たちと一緒なんて、今日はほんとついてるぜ!」
「うにゃぁ、ライアンお前ってほんと幸せな奴だにゃ」
エイジはオリビアに礼を言うと、ハンカチで頬の汚れを拭う。
「ありがとな、オリビア」
「別に、礼を言われるほどの事じゃないわ」
オリビアはエイジからハンカチを受け取ると、ポケットにしまう。
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「オリビアの奴。俺が貸してくれって言った時は、いつも洗って返しなさいって言うくせによ!」
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「どう? 倒した魔物の数なら貴方たちにも負けてないわ。もう一度戦ったら今度は負けないわよ」
「どうかしら? 何度やっても結果は同じだと思うけど」
冷静な瞳の女騎士。
それを聞いてアンジェが『紅』を構える。
「何ですって! じゃあここで勝負をつけてみる?」
エリスとリアナが慌てたように止めに入る。
「止めなさいよこんなところで」
「そうよ、アンジェ」
余程気に入らないのだろう、アンジェはツンと顔を背ける。
エイジはそれを見て苦笑した。
(全く、同じ魔法剣士でも水と油だな)
炎のように激しいアンジェと、冷静沈着なオリビア。
まるで使っている剣が、その特徴を示しているようだ。
エイジはそんな二人を眺めながら。
「アンジェは強くなったよな。今朝とは見違えるようだぜ」
「へへ、そうでしょ? エイジはやっぱり分かってるわよね」
ライアンはそれを聞いて呆れたように。
「おいおい、エイジ。お前がそれを言うかよ」
オリビアは肩をすくめる。
「全くだわ、貴方こそまるで別人だもの。『ゲスト』では無いにしても、一体何者なの? それだけの腕があれば、王宮に仕える騎士にだってなれるわ」
エリクはそんなオリビアに言う。
「彼らは冒険者ですよ、それ以上の詮索は無用です。ふふ、それにしても珍しいですね。オリビア、貴方が他人にそんなに興味を持つなんて」
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「ただ聞いてみただけです。別に興味があるわけではないわ」
エリクは頷くと。
「それならいいんです。さて、休憩をしながらこれからの作戦を話しましょうか」
その言葉に皆、真剣な表情に変わる。
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「エリクさん。討伐の最終段階って言ってましたけど、これから何をするんですか?」
エリスやリアナも興味深そうに頷く。
近くに倒れている魔物を眺めながらエリクは言う。
「気が付きませんか? あれだけこちらに襲い掛かってきていた魔物たちが、今はもう出てこない。まるでさっきまでの攻撃が嘘のようにね」
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