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第7章 主人公と皇女の結婚式前
結婚式の後
しおりを挟む____大盛り上がりの闘技場の上空には、クリスティド、エリアス、ダーインスレイヴ、フラン、ガロ、リーブ、そして他の妖精神や精霊達の姿があった。
「____大盛況だな」
「ですね、やはりラフェエル様とアルティア様の作り直したサクリファイス大帝国は素敵ですわ」
「そうですね、ガロ、とりあえず泣くのをおよしなさい。貴方に感情が生まれたのはいいことですけど」
「_____セオドア様も、アミィール様も幸せだから…………泣いてしまいます」
「ハハッ、ラフェエルの顔を見ろよ、複雑な顔してんぜ?娘が結婚して泣きそうになってんじゃん」
「ねえ!妖精神と精霊達!20年前みたいに祝福しなさいよ!あれがないとハッピーエンドって感じがしないわ!」
『ばーか、俺たちゃまだセオドアとかいうガキを知らねえんだぜ?知ってんのはリーファとドゥルグレだけじゃん』
銀髪の男はさもつまらなさげに言う。その横で、チャイナ服を着た男が頷いた。
『だな。俺様達はまだあの人の子を知らない』
『_____はてさて、どうなるかね~♪ラフェエルちゃんも健在だし、アミィールちゃんが本当の皇帝になったらしましょうか♪』
ピンク髪のオカマはくすくす笑いながらそう言う。
『____まあ、楽しみではあるな、この国がどう変わっていくのか』
空色の髪の女はふ、と笑みを浮かべた。
『セオドアはいい魂だぜ~?俺が先にツバつけたんだからな!』
『それは今関係ない』
『んだとぉ!?』
太陽神・ドゥルグレと無骨な男は睨み合う。
『楽しみ~!』
『ふんっ、どーせくだらない子なんでしょ』
双子の男女は笑ったり、ツン、と顔を逸らしたり。
星の妖精神・ゼグスは『とりあえず』と言ってから、眼下を見下ろした。
『____サクリファイス大帝国、万歳』
妖精神、精霊達はその言葉だけを残してふ、と消えたのだった。
* * *
「……………………………………………」
結婚式の夜、セオドアはベッドの上で正座をしていた。
アミィール様は入浴中だ。シャァァァ、というシャワーの音が聞こえてる。
つまり……………………そういう事である。
…………って、うわぁぁぁぁぁ!緊張!する!ど、どどど、どうすればいいんだ!?いや落ち着け、落ち着こう俺、まず、する事を纏めてみよう。
今日は出会って2年、婚約して1年、そのお祝いに、このプレゼント_ドレスと並行して作った紅銀と群青色の宝石の付いた指輪_を渡す。出来れば俺が手を取って嵌める。
で、改めて愛を誓う。
そして______
セオドアはちら、と枕元を見る。2つの枕、テッシュ、避妊具………………
「ッ~!」
そこまで考えて悶える。…………これをかれこれ30分考えているのだから俺は本当に馬鹿である。レイの言う通り真性の馬鹿なのである。
いや!最後のは今日無理してすることはない!ないんだ!とりあえず、指輪は渡す!…………エンダーに高い金を払って隠してもらったんだ。というか、結婚指輪の交換は外せない案件だ。乙女的にも男的にも見える所に自分と結婚してるという証拠を_____「セオ様?」
「わっ!」
後ろからしたアミィール様の声に、持っていた2つの指輪を投げてしまう。それは奇跡的に床に落ちることはなく、絶望的にアミィールの手に渡った。
や、やばい………!
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