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第28章 不安要素と新たなる決意
ワールドエンドに行く為には
しおりを挟む「………………ワールドエンド、ね。
あそこは___私達の運命の分岐点だった。
あそこに足を踏み入れると言うのならば、力をつけなさい」
「はい、私は___必ず力を身につけます」
「具体的には?」
「妖精神と契約を……したいと、思っています」
『難しいぞ~できるのか~?泣いたってしらないよ?』
「泣きません。私は____とても強いアミィール様の夫で、この子達の親なので!」
「そうだぞー!」
セオドアの笑顔に、元気に合いの手を入れるアドラオテル。その場にいた全員がつられて笑顔になる。アルティアはくすくすと笑ってから、黄金の瞳を妖しく光らせて、笑った。
「_____期待しないで待っているわ」
「ええ。___きっと驚かせてみます」
2人は笑顔を浮かべている。
空はすっかり暗くなっていて、月が全員を照らしていた。
* * *
「きょうね、ガーランドがね、ふわふわしてた!」
「がーらんど?だあれ?それ」
「俺も知らない!」
「……………」
夜、ぼうっと子供達の会話を聞きながら考えていた。
妖精神と精霊の契約印を2つ、と言っていたけれど____正直、分からないことが多い。
整理してみよう。
俺が知っているのは、森の妖精神、土の精霊、海の妖精神、水の精霊、太陽神_最近知ったけどどうやら火の精霊でもあるらしいんだ_、聖の精霊、星の妖精神、氷の精霊…………か。結構出会ったと思うけれど、話によるとあと2人居るらしい。いや、あと死神と闇の精霊「………ォ」とか聞いたことがある気がする…………
その神々が何処にいるのかさえ「せ………お」俺は知らないんだ。レイに探してくれ、とも言えない。でも、傾向としては大きな国に居るイメージなんだよな。今までの神々が「せ……さ」そうだったし。
こういう時に乙女ゲーム『理想郷の王冠』をしっかりやっとけば良かったと思う。というか、そもそも実装される前に死ぬって__「セオ様?」………!
「わっ!」
呼ばれて、大きな声を出す。見ると___髪を濡らしたアミィール様が心配そうに覗いていた。
「どうなさいましたか?ぼうっとなされて………」
「ああ、いや、えっと………そ、それより、髪を乾かそう。また濡れてるよ」
「?………ええ」
セオドアは急いで隣を開けてソファを叩く。アミィールは首を傾げながらそこに座り、セオドアは髪を丁寧に拭く。
…………いけない、いけない………思わず考えに耽っていた………アミィール様のお言葉を聞き逃すなんて………うう、俺はダメな夫だ………
「セオ様、なにかございましたか?」
「い、いいや、な、なんでも………」
セオドアはごにょごにょと口を吃らせる。…………セオ様はとても素直な御方。隠し事が下手なのです。少しだけ、ほんの少しだけ意地悪したくなります。
アミィールはくすくすと笑ってから、顔を赤らめ髪を拭いてくれているセオドアに聞く。
「セオ様、なにか気になることでもあるのですか?………わたくしに、隠し事ですか?」
「な、そ、そんなことはないよ!?」
「では、お話くださいませ」
「うう…………、じ、実は………妖精神と精霊の事を考えてて…………」
「妖精神と精霊?」
思ってもない答えに少しだけ驚いた。けれども、すぐ考え直す。………セオドア様もたくさんの神々と契約をしているのです。気になってもおかしくは無いですね。
「妖精神と精霊の何が知りたいのですか?」
「何人いるのかな、と気になったんだ。文献にも少ないし…………アミィは知っているかい?」
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