なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?

名無し

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第45話

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『ウゴオオオオオォォォッ――!』

「――ぐああああぁっ……!」

 ゴーレムの咆哮が周囲を威圧し、その丸太のような腕が唸るたび、クレスの悲痛な叫声と血にまみれた体があちらこちらへ投げ出される。

 誰もが目を覆うような陰惨な光景が繰り返される中、ただ一人、変異種モンスターの主だけは曇り一つない晴れやかな表情を浮かべていた。

「フフッ……。大分弱ってきたみたいだねえ。クレスだっけ? 君は死神という異名で呼ばれていたようだけど、全然そうは見えないね。ガラクタ呼ばわりした我が子に弄ばれている、哀れなボロ雑巾にすぎないんじゃないかな?」

「……く、クソッタレがよぉ――」

『――ウゴオオォッ!』

「ごはあぁっ……!?」

 変異種ゴーレムの体当たりをもろに食らい、何度も地面を転がるクレス。

 頭部から垂れ落ちる血によって赤く滲んだ視界は酷くぼやけており、まだ分裂してない一体のみのゴーレムが何重にも見えるほどであった。

「……ぐふっ……ま、まだだ……まだ終わらねえ……!」

『『『『『ウグアァァァッ……!』』』』』

 よろめきつつもクレスは立ち上がり、変異種を除いて分裂したゴーレムたちを一撃で倒すことに成功する。

 その状態は傍目には満身創痍に見えたが、大鎌の切れ味は衰えるどころか増していくばかりだった。

「――はあ、君ねえ……。やたらと頑張ってるところで、また水を差しちゃうようで悪いんだけど、ラウルが来るまで僕に遊ばれてるだけなの、ちゃんとわかってる……?」

「……あぁ、んなこたあわかってるって。わかってますとも……」

 自身の口元に付着した血を拭い、いかにも笑いにくそうに笑うクレス。

「俺は……ラウルのパートナーっていうより、化け物のただの前座みてえなもんだが……それはな、青二才。てめえも同じことだ……」

「ん、僕も同じってどういうこと? それに、笑ってるけど何がおかしいの? もしかして頭でも打っておかしくなっちゃった?」

「……てめえもな……どうあがいたって、ラウルには勝てやしねえってことだ……。げほっ、げほっ……。それもだ。確実に、てめえはラウルより劣るから必ず敗北する。なのに余裕こいちゃってるから……それがたまらなくおかしいのよ。ククッ……」

「フフッ……。そうか。それならもういい」

「……ん、どうした、青二才? 口元引き攣らせちゃってよ……。ラウルに怖気づいて逃げ出すなら、今しかないぞ……?」

「……黙れ。ラウルが来るまで僕が君を殺さないと高を括っているなら、その考えは甘いんだよ。そこまで死にたいっていうなら望みをかなえてあげる。さあ、ゴーレム、行けっ! そいつを踏み潰せっ……!」

(……はぁ。俺の馬鹿野郎。もうろくに動けねえのに、格好つけちまってよ……。まあこういう性分だからなぁ。つーわけで、ラウル、俺の仇はちゃんと取ってくれよ。それと、イリス嬢たちのこと、よろしく頼む。お前が守ってやってくれ……)

『『『『『ウゴオオオオォォッ!』』』』』

 変異種ゴーレムが分裂し、群れとなってクレスのもとへと迫りくるが、彼は何かを観念したかのようにその場に立ち尽くしたままであった。

(あばよ、ラウル――)

「――クレスッ!」

「……なっ……?」

 その直後の出来事だった。大きな黒い影が颯爽と現れたかと思うと、クレスをさらって上空へと舞い上がったのだ。

「……ラ、ラウルなのかよ……? こ、こりゃ、夢か……?」

「間に合ったようだな、クレス。これは夢なんかじゃないぞ」

「……マ、マジか……って、ま、間に合ったじゃねーよ。来るのが遅すぎだ……。俺の大鎌でぶっ殺しちまうぞ、ラウル……」

「……ははっ。死神なだけあって、相変わらず物騒なやつだな。それなら俺が今すぐぶっ治してやるよ、クレス」

「……へっ……この野郎……」

 大型カラス――ジャイアントレイブンの背上にて、ラウルとクレスはしばし笑い合うのだった。
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