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逸撰隊
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用意された宿所は、山の麓にあった。
巡礼者向けの宿泊所が軒を連ねているので、その中の一間かと思ったが、用意されたのは空き家になった百姓家だった。
「では、何かございましたらお呼びください」
円兼が去ると、すぐに夕餉になった。
膳に出されたのは、精進料理ではなく岩魚の塩焼きだった。他には麦を混ぜた飯と古漬けの沢庵、汁物そして銚子が一本ずつついた。
「肉食妻帯というわけか」
甚蔵の独り言に、安牧が微かに微笑んだ。
夕餉が済むと、伊平次がどこからか現れて明日の段取りについて話し合いが始まった。
まず伊平次が、沢辺村の見取り図を広げた。そこには、赤い印で幾つかの印がついていた。そして、捕縛する六名の人相書き。名前と特徴が添えて書かれている。
作戦は安牧が立案しているという事で、とりあえず甚蔵は聞く事にした。
「まず阿部志摩守様の家人と称し、私と伊平次、そして加瀬さんとで沢辺村へ行き、庄屋の弥左衛門に化けている鎌太郎に面会を求めます。事前に来訪の旨は伝えているので、問題なく村には入れるでしょう。その間、他の皆様は村の外で潜んでもらいます」
村の見取り図に、安牧がどこからか持ってきた将棋の駒を置く。甚蔵と安牧は金と銀、伊平次は桂馬、そして戸来たちは歩だった。
「鎌太郎が出てきたら、適当に話をして油断させます。これは伊平次と加瀬さんにお願いしたいのですが」
「伊平次?」
甚蔵は、一歩退くようにして控える伊平次を一瞥した。
自分は兎も角として、陰気に押し黙ったままの男が、相手を油断させるような会話が出来るとは思えない。
「伊平次は、この辺を縄張りにする貸元の客分でもあるんですよ。明日は音助と呼んでやってください」
「そういう事か」
密偵として動く為の偽装だろう。火盗改で使っている密偵も、渡世人として草鞋を脱ぐ事もあれば、商家の奉公人として働くという事もある。
「そして、油断したところに、笹子の鎌太郎である事を訊いてください。大人しく従えばそれでよし、手向かえば実力行使です」
「安牧殿、私たちは何をしたら?」
戸来が安牧に訊いた。
「我々が庄屋屋敷に辿り着いたのを見計らって、彼らを捕縛してください。野良仕事に出ているかもしれませんが、そうでなければ印をつけた家にいるはずです」
と、安牧は歩の駒を村の中まで動かした。
「この六名を捕縛した後は、村はずれの水車小屋で円兼殿が率いる門徒の皆さんが合流します」
「おい、ここの奴らも加えるなんて聞いてねぇぜ」
甚蔵が言うと、安牧は悪びれる様子もなく、伝え忘れたと答えた。
「それに我々では移送が困難ですからね。場合によっては、捕縛する人数が増えるかもしれませんし。それに、これは慈光宗の方から志願された事です」
「逆恨みされる危険もあるぜ。逸撰隊の皆様は、そこまで考えてないのか?」
「ええ。隊務が第一ですから」
即答だった。それ以上、甚蔵は何も言う気になれず話し合いは散会となった。
安牧と伊平次には、別室が用意されているらしくすぐに姿を消した。すると戸来たちが安牧の態度を非難しだしたが、甚蔵は一喝してやめさせた。気持ちはわかるが、大事の前に話すべき内容ではない。
「俺が死んだら、安牧に従え」
甚蔵は、改めて戸来たちに言った。
「その安牧も殺られたら伊平次に。癪だろうが、この二人はお前たちより経験はある」
「そんな、加瀬様が死ぬなんて」
戸来が大袈裟な反応を見せたが、甚蔵は一笑して頭を叩いた。
「万が一だよ。それに俺はそう簡単にくたばらん」
◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆◇◆
沢辺村は、川沿いの小さな村だった。
庄屋の屋敷を中心に、八戸の百姓家が点在している。
甚蔵と安牧は、道案内の渡世人に変装した伊平次に導かれるようにして、庄屋屋敷へと向かった。
村の外で伏せている戸来たちが心配だが、ここは信じるしかない。それに何かあれば、呼び笛を吹く事になっている。万が一の場合は、円兼も駆け付けるとの事だった。
「こりゃ、音助さん」
田圃の中にいた青年に、伊平次が声を掛けられた。愛想良く笑顔で片手を挙げる。
伊平次は恰好だけでなく、雰囲気も渡世人になり切っている。伊平次がなり切っている音助は、気風のいい陽気な男だ。
「おう三吉じゃねぇか。達者にしてるかい?」
三吉。それは安牧が持っていた書き付けには無かった名前だった。
「達者って、つい最近賭場で会ったばかりじゃねぇですかい」
「そうだった。あん時は大負けしたんで、お前がいたって事も一緒に忘れちまったよ」
「そいつは酷でぇや。それで今日は何か村に用事があんのかい?」
「おう。貸元に頼まれて、阿部様のご家中を弥左衛門さんのところに案内するのさ」
三吉と呼ばれた青年は、白い歯を見せて笑って見送った。
庄屋屋敷が見えてきた。土塀に囲まれているが、小さな村に見合った規模の屋敷だった。他の庄屋に比べて、圧倒的に小さい。本当に三代に渡る盗賊だろうかと思うほどである。
表門で、訪ないを入れた。女中が出て来たので、伊平次が用件を告げた。中に案内されそうになったが、安牧が
「挨拶だけで長居はしない」
と告げて固辞した。
伊平次が女中と共に屋敷に入っていき、暫くして五十路手前の男と出てきた。楽しそうに談笑している。あれが鎌太郎だろうか。頭の半分は白いが肌の艶は良い。人相書きによく似ていた。
「これはこれは、ようこそお越しくださいました。私が沢辺村の庄屋を務めております、弥左衛門でございます」
笑顔で弥左衛門と名乗った鎌太郎が、腰を低くして言った。甚蔵と安牧も姓名と役職を告げた。勿論、それは偽りのものだ。
「音助さんにお話は伺っております。何でも新しく阿部様のご家中に加えられたとかで」
「ああ、その通りだ。それで殿様に、まずは所領を見て来いと言われてね」
手筈通り、甚蔵が答えた。
「なるほど。お役目ご苦労でございます。家の者に聞きましたが、立ち話ではなんでしょう。すぐに酒肴を用意させますが」
「それは構わんでくれ。話を聞くだけさ」
「はぁ」
今の所、鎌太郎に不審がる様子はない。
「それで、この村には問題はあるかい?」
「特にございません。年貢も収めておりますし、何かあれば、すぐに報せております。ですが、最近何やら物騒で」
「物騒とはどういう事だい?」
「ええ。上州では人殺しが流行っておりまして。聞いておりませんか?」
甚蔵は安牧と顔を見合わせて首を振った。
「所領の見聞はこの村が最初でね。だが、上州と言えば長脇差の気風だろう」
「それはそうなのですが、ちょっと事情が違いまして。何でも若い娘に乱暴を働いて殺したり、家に押し込んで一家全員を……。しかも、押し込んだ先の幼い赤子をバラバラにして欄間に吊るしたとか」
「何?」
脳裏に、下谷上野町の尾州屋で目にした惨劇が浮かんだ。あの時も、赤子が吊るされていた。そんな真似をする奴はそうはいない。
「その賊はどこに押し込んだんだ?」
「へぇ、確か多胡の上日野村だったと思います」
「そこに、木簡は無かったか? 木切れに、羅刹天が描かれた」
「おい、それは当家に関係の無い話だ」
安牧が会話に割って入った。突然の変化に、鎌太郎は戸惑いの表情を見せている。
甚蔵は舌打ちをした。もっと訊きたいと思ったが、どうせ捕縛すればじっくり話を聞く事が出来る。
「庄屋様」
不意に、百姓が屋敷に駆けこんで来た。来るときに出会った三吉だった。
「そいつら、庄屋様を捕まえにきた役人だ」
「なにっ」
鎌太郎が、安牧を突き飛ばした。踵を返して逃げると思いきや、鎌太郎の懐から白い閃光が伸びてきた。
それは迅く、的確だった。甚蔵は咄嗟に跳び退き、腰の同田貫正国に手を掛けた時、伊平次が鎌太郎に組み付いた。襟を掴んで、地面に叩きつけるように投げ飛ばす。背中を激しく打った鎌太郎は、息が出来ないのか大きく口を開けて喘いでいる。甚蔵は三吉の方へ眼を向けたが、安牧が易々と制圧していた。
騒ぎを聞きつけて奉公人たちが、屋敷からわらわらと出て来た。縄を打たれた鎌太郎と三吉を見て悲鳴を挙げたが、甚蔵は同田貫正国の切っ先を突き付けて制した。
「大人しくしてりゃ、お前たちはお目こぼししてやる。だから、手向かいすんじゃねぇよ」
巡礼者向けの宿泊所が軒を連ねているので、その中の一間かと思ったが、用意されたのは空き家になった百姓家だった。
「では、何かございましたらお呼びください」
円兼が去ると、すぐに夕餉になった。
膳に出されたのは、精進料理ではなく岩魚の塩焼きだった。他には麦を混ぜた飯と古漬けの沢庵、汁物そして銚子が一本ずつついた。
「肉食妻帯というわけか」
甚蔵の独り言に、安牧が微かに微笑んだ。
夕餉が済むと、伊平次がどこからか現れて明日の段取りについて話し合いが始まった。
まず伊平次が、沢辺村の見取り図を広げた。そこには、赤い印で幾つかの印がついていた。そして、捕縛する六名の人相書き。名前と特徴が添えて書かれている。
作戦は安牧が立案しているという事で、とりあえず甚蔵は聞く事にした。
「まず阿部志摩守様の家人と称し、私と伊平次、そして加瀬さんとで沢辺村へ行き、庄屋の弥左衛門に化けている鎌太郎に面会を求めます。事前に来訪の旨は伝えているので、問題なく村には入れるでしょう。その間、他の皆様は村の外で潜んでもらいます」
村の見取り図に、安牧がどこからか持ってきた将棋の駒を置く。甚蔵と安牧は金と銀、伊平次は桂馬、そして戸来たちは歩だった。
「鎌太郎が出てきたら、適当に話をして油断させます。これは伊平次と加瀬さんにお願いしたいのですが」
「伊平次?」
甚蔵は、一歩退くようにして控える伊平次を一瞥した。
自分は兎も角として、陰気に押し黙ったままの男が、相手を油断させるような会話が出来るとは思えない。
「伊平次は、この辺を縄張りにする貸元の客分でもあるんですよ。明日は音助と呼んでやってください」
「そういう事か」
密偵として動く為の偽装だろう。火盗改で使っている密偵も、渡世人として草鞋を脱ぐ事もあれば、商家の奉公人として働くという事もある。
「そして、油断したところに、笹子の鎌太郎である事を訊いてください。大人しく従えばそれでよし、手向かえば実力行使です」
「安牧殿、私たちは何をしたら?」
戸来が安牧に訊いた。
「我々が庄屋屋敷に辿り着いたのを見計らって、彼らを捕縛してください。野良仕事に出ているかもしれませんが、そうでなければ印をつけた家にいるはずです」
と、安牧は歩の駒を村の中まで動かした。
「この六名を捕縛した後は、村はずれの水車小屋で円兼殿が率いる門徒の皆さんが合流します」
「おい、ここの奴らも加えるなんて聞いてねぇぜ」
甚蔵が言うと、安牧は悪びれる様子もなく、伝え忘れたと答えた。
「それに我々では移送が困難ですからね。場合によっては、捕縛する人数が増えるかもしれませんし。それに、これは慈光宗の方から志願された事です」
「逆恨みされる危険もあるぜ。逸撰隊の皆様は、そこまで考えてないのか?」
「ええ。隊務が第一ですから」
即答だった。それ以上、甚蔵は何も言う気になれず話し合いは散会となった。
安牧と伊平次には、別室が用意されているらしくすぐに姿を消した。すると戸来たちが安牧の態度を非難しだしたが、甚蔵は一喝してやめさせた。気持ちはわかるが、大事の前に話すべき内容ではない。
「俺が死んだら、安牧に従え」
甚蔵は、改めて戸来たちに言った。
「その安牧も殺られたら伊平次に。癪だろうが、この二人はお前たちより経験はある」
「そんな、加瀬様が死ぬなんて」
戸来が大袈裟な反応を見せたが、甚蔵は一笑して頭を叩いた。
「万が一だよ。それに俺はそう簡単にくたばらん」
◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆◇◆
沢辺村は、川沿いの小さな村だった。
庄屋の屋敷を中心に、八戸の百姓家が点在している。
甚蔵と安牧は、道案内の渡世人に変装した伊平次に導かれるようにして、庄屋屋敷へと向かった。
村の外で伏せている戸来たちが心配だが、ここは信じるしかない。それに何かあれば、呼び笛を吹く事になっている。万が一の場合は、円兼も駆け付けるとの事だった。
「こりゃ、音助さん」
田圃の中にいた青年に、伊平次が声を掛けられた。愛想良く笑顔で片手を挙げる。
伊平次は恰好だけでなく、雰囲気も渡世人になり切っている。伊平次がなり切っている音助は、気風のいい陽気な男だ。
「おう三吉じゃねぇか。達者にしてるかい?」
三吉。それは安牧が持っていた書き付けには無かった名前だった。
「達者って、つい最近賭場で会ったばかりじゃねぇですかい」
「そうだった。あん時は大負けしたんで、お前がいたって事も一緒に忘れちまったよ」
「そいつは酷でぇや。それで今日は何か村に用事があんのかい?」
「おう。貸元に頼まれて、阿部様のご家中を弥左衛門さんのところに案内するのさ」
三吉と呼ばれた青年は、白い歯を見せて笑って見送った。
庄屋屋敷が見えてきた。土塀に囲まれているが、小さな村に見合った規模の屋敷だった。他の庄屋に比べて、圧倒的に小さい。本当に三代に渡る盗賊だろうかと思うほどである。
表門で、訪ないを入れた。女中が出て来たので、伊平次が用件を告げた。中に案内されそうになったが、安牧が
「挨拶だけで長居はしない」
と告げて固辞した。
伊平次が女中と共に屋敷に入っていき、暫くして五十路手前の男と出てきた。楽しそうに談笑している。あれが鎌太郎だろうか。頭の半分は白いが肌の艶は良い。人相書きによく似ていた。
「これはこれは、ようこそお越しくださいました。私が沢辺村の庄屋を務めております、弥左衛門でございます」
笑顔で弥左衛門と名乗った鎌太郎が、腰を低くして言った。甚蔵と安牧も姓名と役職を告げた。勿論、それは偽りのものだ。
「音助さんにお話は伺っております。何でも新しく阿部様のご家中に加えられたとかで」
「ああ、その通りだ。それで殿様に、まずは所領を見て来いと言われてね」
手筈通り、甚蔵が答えた。
「なるほど。お役目ご苦労でございます。家の者に聞きましたが、立ち話ではなんでしょう。すぐに酒肴を用意させますが」
「それは構わんでくれ。話を聞くだけさ」
「はぁ」
今の所、鎌太郎に不審がる様子はない。
「それで、この村には問題はあるかい?」
「特にございません。年貢も収めておりますし、何かあれば、すぐに報せております。ですが、最近何やら物騒で」
「物騒とはどういう事だい?」
「ええ。上州では人殺しが流行っておりまして。聞いておりませんか?」
甚蔵は安牧と顔を見合わせて首を振った。
「所領の見聞はこの村が最初でね。だが、上州と言えば長脇差の気風だろう」
「それはそうなのですが、ちょっと事情が違いまして。何でも若い娘に乱暴を働いて殺したり、家に押し込んで一家全員を……。しかも、押し込んだ先の幼い赤子をバラバラにして欄間に吊るしたとか」
「何?」
脳裏に、下谷上野町の尾州屋で目にした惨劇が浮かんだ。あの時も、赤子が吊るされていた。そんな真似をする奴はそうはいない。
「その賊はどこに押し込んだんだ?」
「へぇ、確か多胡の上日野村だったと思います」
「そこに、木簡は無かったか? 木切れに、羅刹天が描かれた」
「おい、それは当家に関係の無い話だ」
安牧が会話に割って入った。突然の変化に、鎌太郎は戸惑いの表情を見せている。
甚蔵は舌打ちをした。もっと訊きたいと思ったが、どうせ捕縛すればじっくり話を聞く事が出来る。
「庄屋様」
不意に、百姓が屋敷に駆けこんで来た。来るときに出会った三吉だった。
「そいつら、庄屋様を捕まえにきた役人だ」
「なにっ」
鎌太郎が、安牧を突き飛ばした。踵を返して逃げると思いきや、鎌太郎の懐から白い閃光が伸びてきた。
それは迅く、的確だった。甚蔵は咄嗟に跳び退き、腰の同田貫正国に手を掛けた時、伊平次が鎌太郎に組み付いた。襟を掴んで、地面に叩きつけるように投げ飛ばす。背中を激しく打った鎌太郎は、息が出来ないのか大きく口を開けて喘いでいる。甚蔵は三吉の方へ眼を向けたが、安牧が易々と制圧していた。
騒ぎを聞きつけて奉公人たちが、屋敷からわらわらと出て来た。縄を打たれた鎌太郎と三吉を見て悲鳴を挙げたが、甚蔵は同田貫正国の切っ先を突き付けて制した。
「大人しくしてりゃ、お前たちはお目こぼししてやる。だから、手向かいすんじゃねぇよ」
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この物語の始まりです。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
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