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ルーカスの依頼(6)
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絡んできた二人の元同僚を躱し、リアントと共にサクサク奥に進んで行くアルフレド。
自分自身、そしてリアントの能力で高ランクの魔獣を探しながら進んでいる。
自分達にとっては大した事の無い相手であるAランクの魔獣でも、街道を通る人々には脅威以外の何物でもないので、自分達ではなく人族の目線に立って魔獣を選別している。
その結果、担当したこの周辺には、ランドルとサル型の魔獣であるゴスモンキしか生息していない事を確認した。
「リアント、ゴスモンキ……あいつら群れるから、ちょっと面倒なんだよね?」
少しだけ苦い顔をするアルフレド。
ゴスモンキは確かに森の中で群れて生活をしており、その屈強な手足の力を使って遠距離では投擲を、近距離ではその体を使った物理的な攻撃を主な攻撃手段にしている。
魔獣のレベルはBに分類されてはいるが、群れで行動をしているのでBの中でもAより、ある意味B+と言った魔獣だ。
「個体数の少ないAランクのランドルよりも、群れのゴスモンキの方が街道に対しては脅威かな?ランドルも、あの二人が戦っている個体以外には数体しかいなさそうだし……」
とその時、マスターであるシアが持っている魔道具が発動し、念話魔術によってギルドに襲撃があった事を理解した。
『アルフレド、リアントを使ってシルバを回収。私はカスミを回収して即ギルドに帰還します。急いでください!』
どう考えても人族であるシルバとカスミは移動速度が遅い為、魔族の二人が夫々人族の二人を抱えて移動するとフレナブルより指示が飛んできた。
アルフレドは自分が最もギルドに近い位置にいる為、そのまま高速でギルドを目指す……のだが、そこにゴスモンキが集団で襲い掛かってきたのだ。
「くっ、この忙しい時に……」
身体能力をフルに使って、殴り飛ばし、蹴り飛ばし、時には魔術を行使してゴスモンキを始末しているアルフレド。
『何をしているの!早く離脱しなさい』
その間、既にフレナブルとリアントは人族二人の仲間を連れてきており、アルフレドの近くにまで戻ってきたようだ。
『わかりました!』
目くらましの魔術を行使し、四人とリアントは全速力で町に戻るのだが、町に到着した時に、クオウより全員の無事と、以降は自分が対処するので街道の依頼に戻るよう指示があった。
クオウがいるのであれば、自分達が無理に行っても逆に足手纏いになる事は分かり切っているので、ホッと息を吐きつつも、さっさと依頼に戻る事にしたフレナブルとアルフレド。
もちろん担がれて移動していたシルバとカスミからはギルドに戻らなくて良いのかと確認されたが、事実戻っても何もする事は無いはずなので、ありのままを伝えて街道に消えていく。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アルフレドには逃げられ、Aランク魔獣ランドル二体を相手にしているドリアスとハンナ。
「これでどうだ!」
「燃えなさい!」
ダンジョン内部とは違い、森の中ではあるが自由に動き回れる環境である事や、ルーカスの指示によって配られた高ランクの武具によって良い戦いをしている二人。
剣術と炎魔術によって夫々がランドルを相手取り、優勢に戦いを進めている。
「今度こそ、これで終わりだ!」
ランドルの斬撃を避けながら、流れるように懐に潜り込んで首を切断するドリアス。
「こっちも終わりました」
横には、ハンナによって燃えカスになっているランドルがいた。
「はぁ、はぁ、雑魚の癖に……ハンナ、申し訳ないが、回復を頼みたい」
ハンナもだが、ドリアスも浅くない傷を負っており、仮にこれが毒等の付与がなされている攻撃であれば、勝敗は逆になっていただろう。
「腐ってもAランクの魔獣ですね。ですが、この魔道具があれば必ず勝てるという事が証明されました」
回復術を行使しつつ、満足そうに新たな杖を掲げるハンナ。
確かにこの環境であれば勝利する事は出来るが、あくまで一対一の通常の個体のみという事だ。
アルフレドに対しては、武具の性能で身の丈を超える力を得ているとこき下ろしていたが、正に自分達がその状況に陥っている事は分からない。
「ですが、アルフレドは見失ってしまったので、私達も戻りましょうか?」
「そうだな。アルフレドの奴……次に会ったらどうしてやろうか。ふ~、だけど、ここにいても臆病者のアルフレドは姿を現さないだろうから、一旦討伐隊に合流しよう」
異なる街道を選択しているルーカスの元に戻ろうと移動を始めた二人の前に、群れの一部を蹂躙されて怒り心頭のゴスモンキが襲い掛かった。
「キキィ~!」「キキッ、キキ!」
自分自身、そしてリアントの能力で高ランクの魔獣を探しながら進んでいる。
自分達にとっては大した事の無い相手であるAランクの魔獣でも、街道を通る人々には脅威以外の何物でもないので、自分達ではなく人族の目線に立って魔獣を選別している。
その結果、担当したこの周辺には、ランドルとサル型の魔獣であるゴスモンキしか生息していない事を確認した。
「リアント、ゴスモンキ……あいつら群れるから、ちょっと面倒なんだよね?」
少しだけ苦い顔をするアルフレド。
ゴスモンキは確かに森の中で群れて生活をしており、その屈強な手足の力を使って遠距離では投擲を、近距離ではその体を使った物理的な攻撃を主な攻撃手段にしている。
魔獣のレベルはBに分類されてはいるが、群れで行動をしているのでBの中でもAより、ある意味B+と言った魔獣だ。
「個体数の少ないAランクのランドルよりも、群れのゴスモンキの方が街道に対しては脅威かな?ランドルも、あの二人が戦っている個体以外には数体しかいなさそうだし……」
とその時、マスターであるシアが持っている魔道具が発動し、念話魔術によってギルドに襲撃があった事を理解した。
『アルフレド、リアントを使ってシルバを回収。私はカスミを回収して即ギルドに帰還します。急いでください!』
どう考えても人族であるシルバとカスミは移動速度が遅い為、魔族の二人が夫々人族の二人を抱えて移動するとフレナブルより指示が飛んできた。
アルフレドは自分が最もギルドに近い位置にいる為、そのまま高速でギルドを目指す……のだが、そこにゴスモンキが集団で襲い掛かってきたのだ。
「くっ、この忙しい時に……」
身体能力をフルに使って、殴り飛ばし、蹴り飛ばし、時には魔術を行使してゴスモンキを始末しているアルフレド。
『何をしているの!早く離脱しなさい』
その間、既にフレナブルとリアントは人族二人の仲間を連れてきており、アルフレドの近くにまで戻ってきたようだ。
『わかりました!』
目くらましの魔術を行使し、四人とリアントは全速力で町に戻るのだが、町に到着した時に、クオウより全員の無事と、以降は自分が対処するので街道の依頼に戻るよう指示があった。
クオウがいるのであれば、自分達が無理に行っても逆に足手纏いになる事は分かり切っているので、ホッと息を吐きつつも、さっさと依頼に戻る事にしたフレナブルとアルフレド。
もちろん担がれて移動していたシルバとカスミからはギルドに戻らなくて良いのかと確認されたが、事実戻っても何もする事は無いはずなので、ありのままを伝えて街道に消えていく。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アルフレドには逃げられ、Aランク魔獣ランドル二体を相手にしているドリアスとハンナ。
「これでどうだ!」
「燃えなさい!」
ダンジョン内部とは違い、森の中ではあるが自由に動き回れる環境である事や、ルーカスの指示によって配られた高ランクの武具によって良い戦いをしている二人。
剣術と炎魔術によって夫々がランドルを相手取り、優勢に戦いを進めている。
「今度こそ、これで終わりだ!」
ランドルの斬撃を避けながら、流れるように懐に潜り込んで首を切断するドリアス。
「こっちも終わりました」
横には、ハンナによって燃えカスになっているランドルがいた。
「はぁ、はぁ、雑魚の癖に……ハンナ、申し訳ないが、回復を頼みたい」
ハンナもだが、ドリアスも浅くない傷を負っており、仮にこれが毒等の付与がなされている攻撃であれば、勝敗は逆になっていただろう。
「腐ってもAランクの魔獣ですね。ですが、この魔道具があれば必ず勝てるという事が証明されました」
回復術を行使しつつ、満足そうに新たな杖を掲げるハンナ。
確かにこの環境であれば勝利する事は出来るが、あくまで一対一の通常の個体のみという事だ。
アルフレドに対しては、武具の性能で身の丈を超える力を得ているとこき下ろしていたが、正に自分達がその状況に陥っている事は分からない。
「ですが、アルフレドは見失ってしまったので、私達も戻りましょうか?」
「そうだな。アルフレドの奴……次に会ったらどうしてやろうか。ふ~、だけど、ここにいても臆病者のアルフレドは姿を現さないだろうから、一旦討伐隊に合流しよう」
異なる街道を選択しているルーカスの元に戻ろうと移動を始めた二人の前に、群れの一部を蹂躙されて怒り心頭のゴスモンキが襲い掛かった。
「キキィ~!」「キキッ、キキ!」
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