115 / 153
アルゾナ王国の防衛(1)
しおりを挟む
ジャロリア王国の防衛が【癒しの雫】によって行われるようになってから、魔獣達の消耗が激しくなった事に気が付いた魔王国。
そもそも、四星誕生の祝いと言わんばかりに魔獣を攻撃させた際、【癒しの雫】によって全滅させられたと報告を受けていたので、魔王ゴクドの怒りは相当だ。
「ジスドネア!俺がどれだけ苦労してダンジョンから高レベルの魔獣を出していると思っている!クソ!忌々しいジャロリア王国……いや、【癒しの雫】だったな。そうなると、フレナブルとアルフレドか!あの裏切り者共め!!やむを得ない、奴らは後回して、鬱陶しい【勇者の館】がアルゾナ王国で動いているな。そっちを先に始末しろ!」
「承知いたしました。おい、聞いたな?四星として最初の仕事だ。レベニ、カロラ。ゴクド様からの任、滞りなく全うして見せろ!」
「「はっ!!」」
アルゾナ王国のSランカーを始末して四星が復活した事によって魔王国内部の魔族達は沸き上がっていたのだが、そこに水を差すようなジャロリア王国侵攻軍大敗北の事実がゴクドの肩に重くのしかかる。
実際に対応した中にアルフレドはいないのだが、魔族は全滅しており、得られた情報は【癒しの雫】が出撃したと言う事だけなので、ゴクドの中では勝手にアルフレドも実行犯とされている。
同族、特に元同じ立場の四星であったフレナブルによってジャロリア王国は守られていると判断し、一先ず魔獣の消耗を避けるためにアルゾナ王国にいる【勇者の館】の息の根を止める方向に力を向ける事にした。
魔獣の大侵攻を受けていた当時、アルゾナ王国に対して同じ様に有りえない程の魔獣の群れが襲い掛かっているか気にかけていたジャロリア国王。
結果的にジャロリア王国には何の被害もなかったのだが、今この場で標的が変わった。
その攻撃に向かうのは、先の四星空席の争いで勝利を収めた新生四星の二人であるレベニとカロラ。
四星着任後初の任務とあって、二人の士気は高い。
「Sランカーとは言え、既に同格と戦闘しておりますので、問題なく始末できるでしょう」
「全て我らにお任せください!」
魔王ゴクドの前では殊勝な態度の二人の魔族は、既にホスフォを始末している実績があるので、ルーカスも脅威対象とは捕えていない。
「貴様等、決して油断するな。あのルーカスは先代を始末した実績があるからな。それに、初任務をしくじるような事があれば……わかるだろうな?」
威圧的に四星筆頭のジスドネアが、少々油断が見える新生四星の二人に釘をさす。
「「ははっ!!」」
魔族は結果が全て。
今のジスドネアの言葉から、今回の任務にしくじれば四星から脱落する事は確実だと理解した二人の魔族は、気合を新たにアルゾナ王国に出撃した。
「ゴクド様。あの二人であればルーカス程度は問題ないと思います」
「フン。当然だな。相手はSランカー一人、対してこちらは四星二人。ここで無様を晒すようなら、あいつらも処刑しろ!」
お祭り気分を【癒しの雫】に台無しにされているゴクドとしては、次の作戦をしくじる事だけは許せなかった為に罰も相当厳しくなっている。
実際に対応する二人に対してプレッシャーをかけるのであれば、本人達がいる時に言うべきだが、そう言った事には頭が回らない。
「レベニ、今回はどうするよ?」
「ケケケケケケ。ゴクド様、ジスドネア様の雰囲気から、絶対に失敗は許されない。確かにルーカスと言う男、先代を始末したのは紛れもない事実だから、油断するべきではないな。今回も足の引っ張り合いは無しだ」
既に四星の一席を得ている以上、余計な小競り合いで任務をしくじる訳には行かない二人は、再び共闘する事を確認してアルゾナ王国に全力で移動する。
「んで?俺達が直接やっちまうのか?」
「ケケケケケ、偶然あいつらが外にいればそれが一番良いが、そうはならないだろう。だから、適当にそこいらの魔獣を嗾けて、奴らが出て来るのを待つ。ルーカスは……俺がやっても良いし、お前がやっても良い」
「そうだな。じゃあよ、前回のSランカーの何だっけか?ホスフォとか言うジジィと比較して~からよ、ルーカスは俺が貰うぜ!」
「ケケケケ構わない。俺は周りの雑魚を受け持とう。だが、万が一があれば加勢する事はあり得るからな」
「はっ!そんな状況にはならねーが、まぁ良いだろう。獲物を譲ってもらう以上、多少の意見は受け入れねーとな」
こうして道中の高ランクの魔獣を数体引き連れて、やがてアルゾナ王国の王都の門が見える位置まで到着する。
残念なことに、彼らの道中に運悪く遭遇した人族は、言葉を発する間もなく死に絶えている。
「んじゃ、テメーら、好きに暴れて来い!」
四星四席になっているカロラにせっつかれて、この場に同行させられている高レベルの魔獣達は一気に城門に向かって襲い掛かる。
既にSランカー死亡の重大事件が起こっているアルゾナ王国では厳戒態勢が取られており、魔獣が森から出た瞬間に警報が鳴り響き、門の付近にいた者達は閉まり始めている門に向かって必死で走っている。
「ハハハ、あんな遅せー足じゃ、逃げられねーよ!」
そもそも、四星誕生の祝いと言わんばかりに魔獣を攻撃させた際、【癒しの雫】によって全滅させられたと報告を受けていたので、魔王ゴクドの怒りは相当だ。
「ジスドネア!俺がどれだけ苦労してダンジョンから高レベルの魔獣を出していると思っている!クソ!忌々しいジャロリア王国……いや、【癒しの雫】だったな。そうなると、フレナブルとアルフレドか!あの裏切り者共め!!やむを得ない、奴らは後回して、鬱陶しい【勇者の館】がアルゾナ王国で動いているな。そっちを先に始末しろ!」
「承知いたしました。おい、聞いたな?四星として最初の仕事だ。レベニ、カロラ。ゴクド様からの任、滞りなく全うして見せろ!」
「「はっ!!」」
アルゾナ王国のSランカーを始末して四星が復活した事によって魔王国内部の魔族達は沸き上がっていたのだが、そこに水を差すようなジャロリア王国侵攻軍大敗北の事実がゴクドの肩に重くのしかかる。
実際に対応した中にアルフレドはいないのだが、魔族は全滅しており、得られた情報は【癒しの雫】が出撃したと言う事だけなので、ゴクドの中では勝手にアルフレドも実行犯とされている。
同族、特に元同じ立場の四星であったフレナブルによってジャロリア王国は守られていると判断し、一先ず魔獣の消耗を避けるためにアルゾナ王国にいる【勇者の館】の息の根を止める方向に力を向ける事にした。
魔獣の大侵攻を受けていた当時、アルゾナ王国に対して同じ様に有りえない程の魔獣の群れが襲い掛かっているか気にかけていたジャロリア国王。
結果的にジャロリア王国には何の被害もなかったのだが、今この場で標的が変わった。
その攻撃に向かうのは、先の四星空席の争いで勝利を収めた新生四星の二人であるレベニとカロラ。
四星着任後初の任務とあって、二人の士気は高い。
「Sランカーとは言え、既に同格と戦闘しておりますので、問題なく始末できるでしょう」
「全て我らにお任せください!」
魔王ゴクドの前では殊勝な態度の二人の魔族は、既にホスフォを始末している実績があるので、ルーカスも脅威対象とは捕えていない。
「貴様等、決して油断するな。あのルーカスは先代を始末した実績があるからな。それに、初任務をしくじるような事があれば……わかるだろうな?」
威圧的に四星筆頭のジスドネアが、少々油断が見える新生四星の二人に釘をさす。
「「ははっ!!」」
魔族は結果が全て。
今のジスドネアの言葉から、今回の任務にしくじれば四星から脱落する事は確実だと理解した二人の魔族は、気合を新たにアルゾナ王国に出撃した。
「ゴクド様。あの二人であればルーカス程度は問題ないと思います」
「フン。当然だな。相手はSランカー一人、対してこちらは四星二人。ここで無様を晒すようなら、あいつらも処刑しろ!」
お祭り気分を【癒しの雫】に台無しにされているゴクドとしては、次の作戦をしくじる事だけは許せなかった為に罰も相当厳しくなっている。
実際に対応する二人に対してプレッシャーをかけるのであれば、本人達がいる時に言うべきだが、そう言った事には頭が回らない。
「レベニ、今回はどうするよ?」
「ケケケケケケ。ゴクド様、ジスドネア様の雰囲気から、絶対に失敗は許されない。確かにルーカスと言う男、先代を始末したのは紛れもない事実だから、油断するべきではないな。今回も足の引っ張り合いは無しだ」
既に四星の一席を得ている以上、余計な小競り合いで任務をしくじる訳には行かない二人は、再び共闘する事を確認してアルゾナ王国に全力で移動する。
「んで?俺達が直接やっちまうのか?」
「ケケケケケ、偶然あいつらが外にいればそれが一番良いが、そうはならないだろう。だから、適当にそこいらの魔獣を嗾けて、奴らが出て来るのを待つ。ルーカスは……俺がやっても良いし、お前がやっても良い」
「そうだな。じゃあよ、前回のSランカーの何だっけか?ホスフォとか言うジジィと比較して~からよ、ルーカスは俺が貰うぜ!」
「ケケケケ構わない。俺は周りの雑魚を受け持とう。だが、万が一があれば加勢する事はあり得るからな」
「はっ!そんな状況にはならねーが、まぁ良いだろう。獲物を譲ってもらう以上、多少の意見は受け入れねーとな」
こうして道中の高ランクの魔獣を数体引き連れて、やがてアルゾナ王国の王都の門が見える位置まで到着する。
残念なことに、彼らの道中に運悪く遭遇した人族は、言葉を発する間もなく死に絶えている。
「んじゃ、テメーら、好きに暴れて来い!」
四星四席になっているカロラにせっつかれて、この場に同行させられている高レベルの魔獣達は一気に城門に向かって襲い掛かる。
既にSランカー死亡の重大事件が起こっているアルゾナ王国では厳戒態勢が取られており、魔獣が森から出た瞬間に警報が鳴り響き、門の付近にいた者達は閉まり始めている門に向かって必死で走っている。
「ハハハ、あんな遅せー足じゃ、逃げられねーよ!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
88
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる