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4章:偽装結婚を提案されました

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 インベントリが一種の鑑定機能も備えているという事に驚いた。他の人には言わない方がいいという事も分かった。そして採集の勉強再開です。

「採集する時は、次の事も考えて取りつくさない事と、これは物によるんだが、種が出来る物と根があれば構わない物とがあるからその辺りも覚えなくてはいけない」
「わかりました」

 うん、根絶したいなら残さない方がいいんだろうけれど、活用する物はなくなったら困るしね。ここら辺は地球と一緒なのね。種とか根っていうと、一年草とか多年草とかそういう部類だろうなぁ。

「ギルドで依頼を受ける時に聞いてもいいし、本で確認するのもいいだろう。今日用意したこの図鑑はギルドが発行した物だから、その辺りの注意事項も書かれているんだ。これだな」

 説明しながら図鑑を開いて、ここ、と示された場所を見れば…確かに根だけ残すようにとか、この部分は残すようにとか書かれてる。

「結構細かく書かれてるんですね。確認用に持っていたいんですが、売ってたりしますか?」
「ああ…そうだな。ユカはアイテムボックスがあるから持ち歩くのも問題ないか」

 うん、結構分厚いもんね。紙…ではあるけど、一枚一枚が厚紙位あるからかさばるし、表紙が皮だから余計かな。キルギスさんは、これを持って行っても構わないという。

「ありがたいですが、いいのですか?機関の物なのでは?」
「手に入れにくい物ではないから気にしなくていい」

 という事で、インベントリに持っていていいと言われたのでお持ち帰りします。日本でも読めるだろうけど、文字がきっと違うから、万が一誰かに見られたらイタい人と思われる可能もある…よね。ぱっと見アルファベットだけど…今はネットで調べられる時代だから、何語なんだって突っ込まれると困るし。

「後は、そうだな。物によってはかぶれたり色が付いたりするから、手袋はした方がいい。その装備も…この後時間があれば見に行くか?」
「そうですね。でも、他の服とかも見た方がいいでしょうし、明日でもいいですけど…」

 と、言ってから、失敗したかもと思った。いえ、ね…キルギスさんの顔が笑顔だし、心臓に悪いしで。これって買い物デートに誘った感じになる、かも…

「そうだな。その辺りも一緒に見よう。明日は何時位になる?」
「あ、まだ考えてなくてですね…そういうお店って何時から開いてるんですか?」
「店にもよるが…昼前には大体開いてるな。どちらかというと午後が混んでるから、昼の方がゆっくり見られるぞ」

 ということで、お昼前には来て、食事をこちらで摂ってからという事にした。遅めの朝食か早めの昼食を摂ってからくると言ったら、直前まできらきらしてたのにいきなりしょんぼりしてからね…私としては食事なりカフェでお茶するなら見終わってからでもいいと思ったんだけど、どうやらキルギスさんは私の休日サイクルから早めに帰って休んだ方がいいと思っているらしい。
 うれしいけど、そこまで気にしなくてもと思わなくもない。
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