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2・依頼人④小野寺瑛二
スイートルーム2
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「脱がせて」
とケントさんが言い、俺は浴室前の椅子に座ったケントさんのジャケットを脱がせ、たどたどしくネクタイを外し、シャツのボタンを上から一つずつ外していった。
緊張で手が震える。
いっしょに入ろう、と言われたものの、心の準備が、できていなかった。
話したいことがたくさんあるのに、何を話せばよいのかわからなかった。
ケントさんはただ俺に同情しているか、興味本位で弄んでいるだけなのだ。
きっと、一ノ瀬の勘違いだ。
すぐにでも捨てられるだろう。
今だけを楽しめ。
何も期待するな。
膝立ちでケントさんの両ひざに挟まれた俺は、全部のボタンを外したあと、ヒョイ、と抱えられケントさんの膝に乗せられた。ケントさんの性器が、布を隔てて俺の股間に当たる。俺は恥ずかしくて、震えながらケントさんの肩を掴むと、舌が俺の首元を這い、俺はのけ反った。
「━━━ッア!!」
ケントさんの指先が、首と腰を後ろから覆い、なおも首筋を舌で這わせた。
「ッッッ━━━ッ」
言葉にならない喘ぎに、ケントさんの性器が硬くなるを感じた。
「ッッはあっ」
俺はギュッ、とケントさんに抱きついた。
チャプン、と湯の音が響く広い浴槽に、ケントさんは後ろからハグをする形で浸かる。
洗うのもままならず、ケントさんはひたすら俺に愛撫を繰り返した。
後ろから首筋を舐め、性器をグニュグニュ擦る。
「んっ━━ぁあっ!! ケン、トさ、んッッ」
はあ、はあ、呼吸が乱れる。
ケントさんの性器が、尾骨に当たる。
口の中に指を入れられ、俺は必死にケントさんの指をしゃぶる。
まどろみの中の、気持ちいい時間が続いた。
「この前の、薬の転売の話だけど」
と色気のある声で話し出したので、
「?!、ケントさん? 今それ話します?!」
夢心地から一気に現実に戻され、俺は内心残念に思った。
「ごめん、本当は犯人まで分かってたんだ」
「!!」
俺はケントさんの手を払って、振り返る。
「このままセックスするのと、話聞くのと、どっち優先する?」
ケントさんは性悪な顔つきで聞いてきた。
「っっ━━━ケントさんの、意地悪!!」
ザバン、と俺は湯船から立ち上がった。
浴槽で愛撫を受けたせいで、頭がぼうっとしたまま、身体を泡だらけにした。
予想できてたことじゃないか、傷つくな。しっかりしろ、神崎天音。
「さあ、ケントさん、話してくださいよっ」
さっと流して浴室を出てバスタオルを腰に巻き、仁王立ちでケントさんに迫った。
ケントさんはシャワーを頭から浴び、キュ、と湯を止めてから前髪をかき揚げ、
「……あー、犯人はね、
馬場園さん」
と答えた。
とケントさんが言い、俺は浴室前の椅子に座ったケントさんのジャケットを脱がせ、たどたどしくネクタイを外し、シャツのボタンを上から一つずつ外していった。
緊張で手が震える。
いっしょに入ろう、と言われたものの、心の準備が、できていなかった。
話したいことがたくさんあるのに、何を話せばよいのかわからなかった。
ケントさんはただ俺に同情しているか、興味本位で弄んでいるだけなのだ。
きっと、一ノ瀬の勘違いだ。
すぐにでも捨てられるだろう。
今だけを楽しめ。
何も期待するな。
膝立ちでケントさんの両ひざに挟まれた俺は、全部のボタンを外したあと、ヒョイ、と抱えられケントさんの膝に乗せられた。ケントさんの性器が、布を隔てて俺の股間に当たる。俺は恥ずかしくて、震えながらケントさんの肩を掴むと、舌が俺の首元を這い、俺はのけ反った。
「━━━ッア!!」
ケントさんの指先が、首と腰を後ろから覆い、なおも首筋を舌で這わせた。
「ッッッ━━━ッ」
言葉にならない喘ぎに、ケントさんの性器が硬くなるを感じた。
「ッッはあっ」
俺はギュッ、とケントさんに抱きついた。
チャプン、と湯の音が響く広い浴槽に、ケントさんは後ろからハグをする形で浸かる。
洗うのもままならず、ケントさんはひたすら俺に愛撫を繰り返した。
後ろから首筋を舐め、性器をグニュグニュ擦る。
「んっ━━ぁあっ!! ケン、トさ、んッッ」
はあ、はあ、呼吸が乱れる。
ケントさんの性器が、尾骨に当たる。
口の中に指を入れられ、俺は必死にケントさんの指をしゃぶる。
まどろみの中の、気持ちいい時間が続いた。
「この前の、薬の転売の話だけど」
と色気のある声で話し出したので、
「?!、ケントさん? 今それ話します?!」
夢心地から一気に現実に戻され、俺は内心残念に思った。
「ごめん、本当は犯人まで分かってたんだ」
「!!」
俺はケントさんの手を払って、振り返る。
「このままセックスするのと、話聞くのと、どっち優先する?」
ケントさんは性悪な顔つきで聞いてきた。
「っっ━━━ケントさんの、意地悪!!」
ザバン、と俺は湯船から立ち上がった。
浴槽で愛撫を受けたせいで、頭がぼうっとしたまま、身体を泡だらけにした。
予想できてたことじゃないか、傷つくな。しっかりしろ、神崎天音。
「さあ、ケントさん、話してくださいよっ」
さっと流して浴室を出てバスタオルを腰に巻き、仁王立ちでケントさんに迫った。
ケントさんはシャワーを頭から浴び、キュ、と湯を止めてから前髪をかき揚げ、
「……あー、犯人はね、
馬場園さん」
と答えた。
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